美しい罠
無邪気な笑顔
槐と澪の愛を見届け、草太を沙織に託した類子は、一人で暮らそうと東京へ戻ってくる。ところがそこへ沙織が、草太との結婚のことで力になってほしい、と訪ねてくる。沙織の両親は、草太の亡き父親がどんな人物か気にしていた。類子が仕方なく山荘へ行くと、百香という三歳の女の子がいた。岩田の孫だというので、驚く類子。槐が岩田のために、ただ一人生き残っていた家族の百香を探し出してきたという。槐に不似合いな善意の行動に、類子は首をかしげる。槐は岩田の深刻な病気について、類子に打ち明ける。百香と無邪気に遊ぶ類子を見て、あの類子の笑顔を消してやりたくないか、と槐が川嶋に囁きかける。