美しい罠
類子はパチンコ店で働く29歳。退屈な日常の繰り返しにうんざりしていた。そんな類子に、ある日、奇妙なメールが届く。「求ム花嫁…」という文面で始まったそのメールは、結婚相手が莫大な資産家であることを告げ、条件として、看護師の資格と、美しいだけの馬鹿なお人形ではないことを求めていた。守るものもない類子は、ほんの軽い気持ちでメールの返事を送る。まもなく、メールの相手から連絡があり、類子はその人と会うことになる。現れた男・槐はファイナンスグループのオーナー社長・不破の秘書と名乗り、類子に恐るべき計略を持ちかける。