新・風のロンド
大介が満州から帰ってくる。羽振りがよさそうで、二人の兄たちがまだ消息不明と知り、思わずほくそ笑む。大介は槙の家の家賃を肩代わりする。さらに、就職先を探していた槙に、事務員の仕事を世話する。槙は大介に感謝しながらも、その強引さに困惑する。やがて、大介は美佐子に取り入り、家を修理したり、高価な食料を届けたりする。美佐子は槙と大介の結婚を願うようになり、浩二の帰りをひたすら待っている槙を憮然とさせる。美絵は進駐軍の基地の売店で、夜間働いていた。いつも十二時までには帰ってくるのに、その夜は帰宅しなかった。