新・風のロンド
浩二の召集により、槙と浩二の結婚は延期される。入隊まであと三日しかなく、翌日、槙は浩二と二人きりで過ごす約束をする。が、大介の妨害によって、二人は会えなくなる。大介は今までの憎しみを浩二にぶつけ、槙を自分のものにしてみせると宣言する。やっと会えた槙と浩二は、その夜、二人きりで野代家の別荘で過ごす。大介は辰吉とますます折り合いが悪くなり、満州で一旗あげる、と言って、家を出ていく。浩二が出征。消息の分からないまま、日本は戦争に敗れる。昭和二十年、初冬。逼迫した有沢家では、家賃の支払いもままならず、大家から立ち退きを迫られていた。