新・風のロンド
太平洋戦争最中の昭和17年、秋。野代建設を興した辰吉の長男・一郎と、元華族の娘・麻美との結婚式が行われる。十八歳の槙は辰吉の次男浩二と三三九度の介添え役を務める。槙は一郎と浩二の恩師、大学教授・有沢の娘で、浩二と愛し合っていた。和やかな宴の最中に、辰吉の三男・大介が突然、無作法な態度で割り込んでくる。落ちこぼれとして辰吉から疎まれている大介は、麻美を「金で買われた嫁」と呼ぶ。さらに暴れようとする大介に、槙の平手打ちが飛ぶ。大介は槙に好意を持っていて、槙と浩二の仲睦まじい姿を見せつけられ、嫉妬に焼かれる。