新・風のロンド
衝撃の写真
よしの訃報を聞き、夏生は野代家へ駆けつける。妊娠中の夏生を見て、守りきれなかった自分の子を悼む英明。取り戻せない過去に胸をかきむしられる夜はないのか、と英明は夏生に問いかける。それから間もなく、英明と悠子の結婚式が華々しく行われる。結婚式の写真を見て、動揺する夏生。そんな夏生を、関根は心配する。十年後、昭和六十年、冬。夏生は二人の子、弘樹(10)と志穂(8)の母親になっていた。ある日、世界的なバイオリニストになったウィーンの智から、手紙が届く。近々、日本でコンサートをするという。同じ頃、ドイツで仕事をしていた英明が帰国する。