新・風のロンド
父と母の闇
昭和36年。槙が大介と結婚して、15年の歳月が流れた。浩二の社長就任パーティが開かれる。槙は二人の子ども、夏生(13)、智(11)と出席する。浩二には三人の子どもがいた。昇(18)、英明(14)、そして、美幸(12)だ。久しぶりに顔を合わせた槙と浩二は、穏やかに言葉を交わしあう。その夜、酔って帰った大介は、槙に暴力をふるう。ずっと営業課長のままの大介は、鬱憤を晴らすために家でよく暴れていた。智はバイオリンの才能に恵まれていた。槙はその才能を伸ばしてやりたいが、大介は、子どもたちは自分に全然似ていない、と悪態をつく。我慢の限界を超えた槙は…。