第3回 2005年1月31日(月)放送 あらすじ

キス!恋愛VS慈愛

 蒼井仁子(竹内結子)がアパートでテントウムシの観察をしていると白石健一(黄川田将也)から電話が入る。仕事帰りに近くを通りかかったからアパートに寄ると言うのだ。健一の来訪が嬉しい仁子は慌てて部屋の片づけを始めた。
 その頃、南原隆史(内野聖陽)は研究所で神宮寺潤(小林聡美)と話していた。南原は水槽を泳ぐオスの魚に自分の名を付けたという。必死であっちこっちのメスを追いかけるが、結局どのメスも捕まえられない…まるで、自分のようだと悲観的な南原。柳川美幸(山田優)が南原あてに届いたFAXを届けて帰ると、神宮寺は男女関係を数学で考えてみたと説明しようとする。すると、南原が遮った。FAXには、クリップでメモが留められていた。メモには“大好きです。今度誘って下さい”と書かれ、柳川の携帯番号も添えられている。先ほどの悲観的な言葉と裏腹に自信を取り戻す南原。神宮寺は、またしても手近な女に手を出す気かと釘を刺し、「南原は女を幸せに出来ないタイプだ」とズバリ。南原は反論せず、元妻、玲子(高岡早紀)から再婚すると電話があったとタメ息交じりで語った。
 仁子の部屋に健一が来た。健一は、実験中の仁子に差し入れだとコーヒーを渡す。「飲んだらすぐに帰る」と言う健一に、少し残念そうな仁子。健一は部屋にあった日本地図に気付き、「地図に書かれた印は何か」と尋ねてきた。印の場所は、仁子が南原に連れて行かれた干潟。仁子は、干潟の干拓と生態系の変化を説明するが、健一の関心は他にあるらしい。健一は、「南原と2人で行って楽しかったか」と仁子に問う。「楽しくなかった」と否定する仁子は、「好きでもない人を家に入れたりはしない」と、暗に現在は健一に思いを寄せていることを伝える。と、ふいに健一が立ち上がり帰ると言う。はぐらかされたような感じの仁子に、健一はこのまま居ると朝になってしまうと…。
 翌日、仁子は実験室で阿部啓太(岡田義徳)に昨日の出来事をコツチバチになぞらえて話す。そこに、四谷雄哉(伊藤正之)が入って来た。四谷は、大学祭用に作る研究室のトレーナーの代金を研究員たちから徴収。そんな時も、仁子は健一との週末デートに思いを馳せていた。その後、仁子は頭痛薬を買いに行った薬局で南原を発見。南原は避妊具を買い物籠に入れたり出したりしている。仁子が声をかけると、考え事をしていたと取り繕う南原。さらに「お前は俺の古女房か?」などと開き直った南原は、仁子のレポートを評して店を出た。その時、仁子は南原が自分を“蒼井”と呼んだことに気が付いた。
 次の日、仁子と阿部が南原に連絡事項を伝えていると柳川が入って来た。学祭のミスコンテストに出場する柳川は、審査で着る水着を南原に相談したいらしい。南原がかなり乗り気になっていると、若狭宗夫(平山広行)が来客を告げる。入ってきたのは、南原の元妻、北小路玲子だった。
 仁子たちが退出すると、南原は玲子と対峙。「板前と再婚し、妊娠した」と報告する玲子に、「そんな男と一緒になっても幸せになれない」と言い放つ南原。すると、玲子は「南原との結婚生活で幸せにしてもらったことなどない」と怒り出す。しばらく言い争うと、玲子は南原に借金を申し入れる。南原が金を渡すと、玲子は「貧乏でも今の方が幸せだ」と言って出ていった。玲子は廊下で仁子とすれ違う。出口を尋ねた玲子は、仁子に「ありがとう、ジンコさん」と礼をする。「?」の仁子が、窓から覗くと南原がうなだれていた。
 仁子は、ビニールハウス栽培を手がける農家に出向く。害虫退治をするテントウムシの行動パターンを研究するためだ。そのハウスには、バッハの曲が流されていた。それは、かつて交際していた時に、南原が鼻歌で歌っていた曲。仁子は、南原との出会いから別れまでを思い出し、自分の気持ちの迷いをあれこれと考えてしまう。
 仁子は健一とのデート。2人で街を歩いていると、虫を題材にしたイベントが行われている。会場内では、様々な虫たちが鳴いていた。仁子は健一に肩を抱かれたりして良い雰囲気。だがその時、2人の前を歩いていた子供が虫を捕まえ、母親に欲しいとだだをこね始めた。母親は係員に虫の値段を尋ねる。売り物ではないと断る係員に、執拗に売れと迫る母親。見かねた仁子は母子に近寄り、身勝手さを責め始める。そんな仁子の腕をつかんで健一は外に連れ出す。そして、健一は仁子の行動が余計なお世話だと告げる。デートを楽しみたかったと言う健一に、仁子は謝ることしか出来ない。だが、そんな仁子を置いて健一は帰ってしまった…。

キャスト

蒼井仁子 … 竹内結子
南原孝史 … 内野聖陽
白石健一 … 黄川田将也
若狭宗夫 … 平山広行
阿部啓太 … 岡田義徳
柳川美幸 … 山田 優
真岡早智子 … 井上訓子
吉田 佳 … もたいまさこ
神宮寺 潤 … 小林聡美
 ほか

スタッフ

■脚本
 大森美香
■プロデュース
 山口雅俊
 鹿内 植
■演出
 澤田鎌作
 平井秀樹
 川村泰祐
 初山恭洋
 ほか
■音楽
 小西康陽
■制作
 フジテレビドラマ制作センター

バックナンバー