第5回 2003年11月3日(月)放送 あらすじ

#5 もらえ!ポケットティッシュ

 司法修習生の楓由子(ミムラ)たちは、2人一組で弁護士事務所への実務修習(弁護修習)に出かける。楓は、桐原勇平(堤真一)と、羽佐間旬(オダギリジョー)は森乃望(松雪泰子)と、田家六太郎(我修院達也)は崎田和康(北村総一朗)、松永鈴希(奥菜恵)は黒沢圭子(横山めぐみ)とペアになって、それぞれ指定された弁護士事務所に向かった。
 楓と桐原が訪ねたのは、研修所の教官も務める重松幸輔(大杉漣)の事務所。楓はやる気満々だが、桐原は事務所の掃除などをさせられて不満そう。そんな2人に、重松は事件を任せてみようと言い出し、大野誠(虎牙光揮)という依頼人を引き合わせた。大野は、街角でビラを配っていたら警察官に道路交通法違反で現行犯逮捕されてしまったと言う。なぜ、ビラ配りぐらいで逮捕されなければいけないのか?
 一方、羽佐間と森乃は大手の法律事務所へ。2人の面倒をみるのは、小寺弁護士(伊藤正之)。小寺は現在、損害賠償で訴えられたおもちゃ会社Kを弁護中。会社Kは、子供が怪我をしたのはK社が販売したおもちゃが原因だと主張する両親に訴えられたのだ。森乃がおもちゃに欠陥や不良があった可能性を尋ねると、小寺はあっさりと認める。そればかりか、会社Kの工場長も、その可能性ありと証言していると言う。しかし、小野はおもちゃの欠陥と子供の大怪我との因果関係がハッキリしないことを逆手にとり、工場長の証言は表に出さず伏せることにすると話す。羽佐間は意図的に伏せるのはおかしいと噛み付くが、小野は依頼主が不利益になるようなことは出来ないと切り捨てる。さらに、森乃までをも馬鹿にしたような小寺の態度に、羽佐間は思わず事務所を飛び出してしまう。追ってきた森乃になだめられた羽佐間は、仕方なく小野の方針に沿った起案を書くことに応じることに。
 翌日、研修所では山本宗司(金田明夫)が修習生に弁護修習の模様を聞いている。黒沢と松永は、社会勉強という名目で飲み屋ばかり連れ回された様子。崎田と田家は、拘置所にいる被告人との面会に行ったらしい。2人は、被告人から母親への差し入れを頼まれ、早速持っていくのだが、受け取りを拒否されてしまった。それもそのはず、被告人からの依頼は、誰からの届けものかを告げないという条件が含まれていた。しかもその届け物の内容は…。どうしていいか分からないと、崎田は愚痴る。
 崎田たちが教室に入ると楓と桐原がいた。続いて羽佐間と森乃もやってきた。事件を任されたと報告する楓に、仲間たちは興味津々。たいした事件ではないと桐原が遮ろうとするが、楓は大野の一件をみんなに話してしまう。羽佐間や森乃たちはこの事件に食いついてきた。最初は渋々だった桐原も討論に参加し、8人はこの件について検証を始める。なぜ、大野だけが捕まったのか? 森乃の問いに桐原が答える。大野は、詐欺まがいの貸しはがしを行った銀行の行為を書いたビラを、当の銀行の前で配っていた。それを銀行員に知られ、警察に通報されたのだ。8人は、ビラの内容と逮捕・起訴の不当性の有無を考える。すると楓は、実際にビラ配りの様子を再現しながら検証してみようと言い出した。大野が逮捕された容疑は、道路交通法違反。楓は、道路交通法違反で逮捕する理由と必要性はないということを主張し、大野を無罪に持ち込みたいと言う。桐原は、大野が無罪を欲しているわけではないと反対する。しかし、楓は弁護士の仕事としてはできなくても、現在の自分の立場、司法修習生として精一杯のことをやりたいと反論。この言葉に羽佐間たちが動く。桐原も、楓の熱意に渋々応じることに。楓たちは、教室内で大野の証言に沿ったビラ配りを再現するが、道路交通法違反になるかどうかは、今ひとつわからなかった。
 議論の後、森乃は桐原をバーに呼び出した。森乃は、大野だけが捕まったことが気にかかると言う。ビラを配っていた人間はたくさんいるのに、なぜ大野だけ? 森乃は、この不平等を主張すれば大野が無罪になる可能性もあるのでは? と、告げるが桐原は、検察官や裁判官が簡単に主張を取り下げることはないと反論。そのためには、証拠を提出しなくてはいけないと言う。すると、森乃はバーに来るまでに自分に配られたものを取り出し…。この時、2人はあることに気づく。
 その頃、寮では楓の部屋に羽佐間が訪ねて来ていた。羽佐間は、単純に警察による大野の逮捕が不当であることを訴えるのが難しいのなら、視点を変えたやり方をすればいいのではないかと提案。しばらくすると田家もやって来た。都内で配られているビラやティッシュを証拠品として大量に集め、大野を狙いうちして逮捕・起訴することがいかに不当かを説明すればいい…。楓と羽佐間、田家、バーの森乃たちの考えとも一緒で…。
 翌日、8人は町に出る。そして、配られているビラやティッシュを片っ端からもらっていく。集めた品々は、数日後の大野の裁判の事前協議の場に集められた。重松は、裁判官、検察官の前に、楓たちが集めたビラやチラシを法廷に提出したい証拠物として並べる。次から次へと運び込まれるビラやチラシ。楓は、この品々が全て配布許可申請を受けたものであるかを回答するよう警察に請求するつもりだと発言。この勢いに、検察側も折れた。
 こうして、楓たちの弁護修習は終わる。楓と桐原は、直接弁護に参加することで、他のメンバーも弁護や、弁護士の実態を知ることになった。しかし、大野と別れを告げた楓には、シゲマツ法律事務所に残された大量のビラやチラシを片付けるという仕事が残されていて…。

キャスト

楓 由子    … ミムラ
羽佐間 旬   … オダギリジョー
桐原勇平    … 堤 真一
松永鈴希    … 奥菜 恵
田家六太郎   … 我修院達也

山本宗司    … 金田明夫
田中一朗    … 岡田義徳
野佐木恍也教官 … 石橋 凌

重松教官    … 大杉 漣

黒沢圭子    … 横山めぐみ
崎田和康    … 北村総一朗
森乃 望    … 松雪泰子
 ほか

スタッフ

■脚本
  水橋文美江
■演出
  水田成英
■プロデュース
  山口雅俊

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