第3回 2003年10月20日(月)放送 あらすじ

#3 黒いパンツを見た

 司法修習生、楓由子(ミムラ)は徐々に東京での生活に慣れてきた。だが、寮生活を送る楓は仲間たちと四六時中交わす法律の話に、ついていくだけでも必死。その日も、森乃望(松雪泰子)、桐原勇平(堤真一)、黒沢圭子(横山めぐみ)、崎田和康(北村総一朗)ら、自宅から研修所に通う仲間たち以外の寮で生活する羽佐間旬(オダギリジョー)、松永鈴希(奥菜恵)と田家六太郎(我修院達也)、楓で朝から法律談義が始まる。話が一息ついたとき、羽佐間は今日が給料日だと言い出した。修習生たちは、研修中に給料をもらえるのだ。せっかくだから外食でもするか、という羽佐間の言葉に、楓は思い切って食事に誘う。その頃、研修所に向かう桐原は、なぜか浮かない表情。大学時代の友人の帰国歓迎パーティーに、ひとりで顔を出すのが憂鬱なのだ。森乃に出会った桐原は、パーティーに一緒に出席して欲しいと頼む。あっさり承諾する森乃。
 さて、給料日でも当然、講義はある。その日は、南ゆり子教官(松下由樹)が壇上へ。南教官が、講義を始めようとした時、突然教室のドアが開いて男が襲い掛かってきた。男はすぐに逃げたが、途中、白表紙を持ってきた研修所教務課長の山本宗司(金田明夫)とぶつかる。羽佐間が心配して駆け寄ると、南教官は何事もなかったかのように立ち上がり、修習生たちに犯人を当ててもらうと言う。暴漢は、南教官が仕込んだものだった。まず、南教官は修習生たちに暴漢の特徴を証言させる。修習生たちの証言に、犯人とぶつかった山本の目撃談も加わる。だが、一番近くで犯人を目撃したはずの山本は、犯人が茶髪だった事以外、何も覚えていなかった。修習生たちの目撃証言が『犯人が茶髪で黒の上下を着ていた』という形にまとまったところで、南教官が5人の男女を教室に呼んだ。教官の問いは「この中に犯人がいるとすれば、誰?」…修習生たちの犯人探しが始まる。だが、修習生たちの答えはバラバラ。森乃は断定できる記憶がないと答えを避け、桐原は5人の中に犯人はないと発言した。しかし、犯人は存在した。南教官は、なぜ修習生たちが犯人を見抜けなかったのか? と、疑問を投げかけると、答えを追求することなく次の課題へと移った。
 放課後の教室には、楓たちいつもの8人が集まっていた。南教官が出した課題を検証するためだ。事件は、団地に住む小学3年生の少女が何者かに連れ去られ、母親に当の少女から金銭を要求する電話がかかってきた、というもの。少女は犯人の隙をみて逃げ出し、無事保護された。そして、団地の管理人、少女を保護した主婦、当の少女の目撃証言によって、ひとりの男が容疑者として逮捕される。問題は、少女、主婦、管理人の目撃証言の信用性。8人は昼間の犯人探しを思い出す。たった今、起きた事象なのに犯人を当てられなかった経験だ。しかし、この事件の目撃者たちは犯人の特徴を詳細に述べていた。しかも、目撃証言は犯行日から一週間も経った日のもの。だが、保護された当初、少女は「よくわからない」と供述していたことに羽佐間が気づく。通常、時間が経過すれば薄れていくはずの印象が、一週間も経って鮮明になるのは不自然。楓たちは、ここに注目する。そこで、容疑者とされた男についてもう一度検証。男は、団地内の住人から煙たがられている存在だった。また、管理人は同じ団地に住む男に、まるで知らないかのように話しかけていることを森乃が指摘する。次に、主婦の目撃証言を検証し始める。すると、黒沢が白表紙の記録から、その主婦が事件を伝えたワイドショーでレポーターの質問に答えていた人物だと見抜く。その取材で、普段から不審に思っていた団地に住む男が怪しい、とほのめかしていたのだ。ワイドショーが放映されたのは、事件から6日後。少女や管理人が、この番組を見ていたら、主婦の目撃証言によってミスリードされた可能性が濃厚。楓は、まだピンとこないが、桐原は警察で少女に対し行われた面通しにも問題があったことを発見する。一同は、目撃証言は有罪証拠と認めるだけの信用性には足りず、容疑者の男が無罪であると判断した。
 仲間が解散すると、楓は約束どおり羽佐間とレストランへ。高価で美味しい料理を堪能した楓は、弁護士になればいくらでもこういう店に来られると羽佐間に話す。すると、羽佐間の顔色が曇り、金が目的で弁護士になりたいのか? と、声を荒げて楓を非難する。そんなつもりではないという楓に、羽佐間は自分の生い立ちを語る。一方、桐原も森乃とパーティーに出席。学生時代の同窓生相手に研修所での修習を馬鹿にするような発言をする桐原に、森乃はあきれてしまう。2人は帰り道で言い合いに…。
 翌日、南教官の講義で、楓たちの判断が正しかったことが示される。そこで、楓は教官が襲われたときに、どうして自分たちが犯人を見間違えたかも説明しはじめる。そう、一番近くで犯人を見た山本の“茶髪証言”にミスリードされていたのだ! …週末、楓たちは、みんなでカラオケに行く。だが、誰も歌おうとせず、拍子抜けな雰囲気。その時、松永が法律談義を持ちかける。すかさず飛びつく楓たち。今の楓たちには、歌よりも法律を吟味するほうが楽しそうで…。

キャスト

楓 由子    … ミムラ
羽佐間 旬   … オダギリジョー
桐原勇平    … 堤 真一
松永鈴希    … 奥菜 恵
田家六太郎   … 我修院達也

山本宗司    … 金田明夫
田中一朗    … 岡田義徳
野佐木恍也教官 … 石橋 凌
南教官    … 松下由樹
重松教官    … 大杉 漣

黒沢圭子    … 横山めぐみ
崎田和康    … 北村総一朗
森乃 望    … 松雪泰子

スタッフ

■脚本
  水橋文美江
■演出
  川村泰祐
■プロデュース
  山口雅俊

バックナンバー