第10回 2003年12月8日(月)放送 あらすじ

#10 恋と悲願のカツ丼

 司法修習生の楓由子(ミムラ)は、何でも大事にする性格の子。路上で配られるティッシュは必ずもらうし、チラシはメモ帳に再利用。その夜も、ゴミ収集所に捨てられていた真新しい紙袋を拾うのだが…。
 翌日、司法研修所では山本宗司教務課課長(金田明夫)が、間近に迫った『司法修習生考試(“2回試験”と呼ばれる卒業試験のこと)』に向けての心構えを修習生たちに語っていた。ノイローゼから微罪を犯して罷免されたり、体調を崩したり、家庭に問題が起きたり…。楓や羽佐間旬(オダギリジョー)、桐原勇平(堤真一)、松永鈴希(奥菜恵)、田家六太郎(我修院達也)、黒沢圭子(横山めぐみ)、崎田和康(北村総一朗)、森乃望(松雪泰子)たちアホヤンズの面々もそれぞれに身を引き締めている。しかし、どうやら羽佐間の学力はそれ以前の問題。教室に残ったアホヤンズのメンバーは、起案の評価がとても悪い羽佐間を心配していた。同じく悪い評価を受けてしまった黒沢は、早速新しい起案を作って事務局へ提出に向かう。すると…。
 教室では、田家が楓の姿がないことに気づいた。松永が、楓は忘れ物を取りにいったん寮に戻ったと話しているところに、黒沢が困惑顔で戻ってきた。黒沢は、事務局で楓が警察へ任意で強盗致傷罪の事情聴取に呼ばれて行ったことを知ったのだ。実は昨晩、女性が会社員の男性を“突き飛ばして”怪我をさせ、持っていた物を“奪って逃げた”とされる事件が発生していた。楓は、その“奪われた”物品の一部である、白い紙袋を持っていたのだ。メンバーは、紙袋を拾ったと嬉しそうに語っていた楓や、彼女の“物”を大事にする性格を思い出し、無実を信じる。警察から連絡を受けた山本も、事情が判明すれば大丈夫だと楓を疑っていなかった。しかし、もし疑いが晴れずにこのことが表ざたになれば、楓は罷免の可能性が…。緊張する面々。と、そこに当の楓がやって来た。心配する羽佐間に、ケロッとした表情で自分は無実だから大丈夫だと楓。だが、胸をなでおろしかけた一同に、楓は次の日も引き続き警察に呼ばれていると告げる。
 そして翌日、楓は再び警察へ。楓を除くアホヤンズの面々は教室に集合。羽佐間や田家、松永ら寮生が、前の晩に事件の目撃者に聞いてきた証言をもとに、楓の無罪を立証し始める。事件は、修習生の寮近くで起きたものだった。会社員Aが“突き飛ばされた”事件を目撃したスナック経営者の女性Xは、Aの持つ白い紙袋を持って逃げる若い女性Bを追跡。一度見失って現場に戻るが、会社員Aに捕まえて欲しいと頼まれて、もう一度Bを探しに走る。すると、白い紙袋を持った“それらしき子”を発見。後をつけると“それらしき子”は、司法修習生の寮に入っていったのだ。この“それらしき子”は、まぎれもない楓だった。
 一方、警察の取調室では楓が取調べを受けていた。だが、法律に詳しい楓の供述は最初についた担当者にはやりづらくて仕方がない。しばらくすると、担当者は婦人警官の渡辺由紀(木村多江)に代わった。渡辺は楓に、司法修習生だからといって特別扱いはしない、むしろ法律に詳しいことを利用させてもらうと宣言して聴取を始める。楓は、これまで学んできた事実認定の理論を用いながら、自らの容疑を検証していくが、どうも容疑を晴らす結論には至らない。逆に不審さが募っていく。一方、羽佐間たちも事件が発生した後の楓の足取りに不審な点を見つける。それは、楓の事件発生前後の足取りだった。事件発生前はともかく、発生後に挙動不審な動きをしている。羽佐間たちは、それでも楓を信じて無罪を妥当とした。取調室でも、渡辺に聞かれた楓は…。そんな時、真犯人が警察に出頭してきた。渡辺は、楓に詫びて解放する。楓が寮に帰ってくると、羽佐間が待っていた。
 次の日、研修所では楓が今回の事件を仲間たちに報告。それによると、出頭してきた女性B子は帰宅途中、被害者の会社員Aに絡まれたのだ。キスを迫られたB子は、会社員Aを蹴り飛ばす。しかし、B子は会社員Aに襲われそうになった瞬間に蹴っていること。また、会社員Aはその衝撃で倒れ掛かったものの一度は体勢を整えており、その後で単に足がよろめいてガードレールに頭を打っただけであり、B子の蹴り方が度を超していたとは言えない事から、B子には正当防衛が成立するはず。仲間たちは、B子は無罪と結論を下した。
 その時、羽佐間が事件後の楓の挙動不審を持ち出した。楓は、紙袋を拾った後に大切な人からもらった大切なものを無くしたことに気づいたのだと言う。それを探すために、道路を行ったりきたりしていたのだ。それは、羽佐間から貰った栞。仲間たちとともに2回試験の勉強の追い込みに入った楓は、自分の持っている本の中に、さんざん探しまわった栞を見つけて…。

キャスト

楓 由子  … ミムラ
羽佐間 旬 … オダギリジョー
桐原勇平  … 堤 真一
松永鈴希  … 奥菜 恵
田家六太郎 … 我修院達也

山本宗司  … 金田明夫

野佐木恍也教官 … 石橋 凌

黒沢圭子  … 横山めぐみ
崎田和康  … 北村総一朗
森乃 望  … 松雪泰子

ほか

スタッフ

■脚本
  水橋文美江
■演出
  川村祐泰
■プロデュース
  山口雅俊

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