あれから1年…以前と変わらず北山は主宰する「たんぽぽ農場」で、過去に問題を起こしたり、心に傷を負ったりしている子供たちの面倒を見ていた。
　農場で暮らす17歳の少女・希望（のぞみ）はいつも地元の高校のサッカー部の練習をグラウンドの片隅で応援していた。お目当ての選手はエースの蓮。
　ある日、希望は買い物からの帰り道に袋が破れてしまう。困っていると偶然通りかかった蓮が、自分のバッグを希望に差し出すのだった。この出来事をきっかけに希望は蓮と密かに親しくなるが、希望は東京の高校に通っており、腰を痛めた祖母の世話でこちらに来ている…と蓮に嘘をついてしまう。想いを寄せる蓮に「たんぽぽ農場で暮らしている」なんて言える訳なかったのだ。
　そんな中、これまで農場の食事の世話をしていた地主の昌子に代わり、新しい食事係りとして小春が農場にやってくる。
　一方、北山はまもなく閉まる町工場の社長・森島から、札付きの不良少年・真太郎を農場で面倒見て欲しいと頼まれ、迎えるべきか悩んでいた…。