ワンダフルライフ

第5回 2004年5月11日(火)放送 あらすじ

#5 お金がない!!

 保(西村雅彦)の「龍苑」で、林次郎(田口浩正)、薫子(犬山イヌコ)、耕介(松川尚瑠輝)の一家が、特上の肉を大盤振る舞いで食いまくっている。厨房では、保と幸枝(濱田マリ)が桐島(反町隆史)に、桃の木商店街の酒屋が借金苦で夜逃げしたことを教えていた。南口ショッピングモールに客を取られ、潰れたのは今年で3軒目だ。
 夜明け前、桐島は日課の早朝ジョギングに起き出した。林青果店まで来ると、なんと次郎一家が夜逃げの最中だ。「龍苑」に次郎一家を呼び出し、皆で事情を聞くと、南口ショッピングモールの親会社の銀行から300万円の借金があり返済期限が過ぎているのだと言う。泣き出す次郎を見て、耕介は父親に幻滅し、恥ずかしくて翔(川口翔平)の顔も見られなかった。
 翌日、保と次郎、妻坂(八嶋智人)は、南口の銀行に交渉に向かった。そのころ、桐島とみずき(長谷川京子)はグラウンドでジャガーズの練習を見ていた。耕介の元気がないのがふびんである。と、みずきは、グラウンドの隣に立つ病院の屋上から、パジャマ姿の少年が一人練習を見つめているのに気が付いた。
 銀行の支店では、保ら3人が次郎の担当者に「なぜ次郎やほかの夜逃げ組に融資するのだ」と詰め寄るが、担当では埒が明かない。「龍苑」に戻って善後策を練っていると、ミカ(芳本美代子)が、飲み屋の客から、南口ショッピングモールが桃の木商店街の方へ広がるという情報を仕入れてきた。つまり、銀行とショッピングモールは、桃の木商店街が返済できないことを承知で融資し、担保の土地を取り上げようという魂胆なのに違いなかった。怒った保は、責任者に直談判しかないと、今度は桐島も加え支店長の竜崎(沢村一樹)の家の前で待ち受けた。
 竜崎が大きな門から現れた。妻坂が元弁護士らしく、地上げがからむ融資の道義的責任を突くが、竜崎は臆する風もない。ただ、桐島だけは、どこか竜崎の顔に覚えがある。と、やっと思い出した。なんと夏の甲子園で戦った相手だったのだ。
 「こいつ、10年に一人と言われたすげえバッターだったんだぞ」と皆に説明する桐島。「だが、100年に一人の逸材と言われたエースで4番の俺の球にかすりもしなかった」と付け加えるのを忘れなかった。竜崎は鼻で笑いながら車に乗り込み去って行く。だが、車中の竜崎に笑みはなかった。15年前の屈辱が胸に蘇っていたのだ。
 みずきと塔子(市川由衣)は、酔って転んで入院したミカを見舞った。ロビーに降りると、病院の屋上からいつもジャガーズの練習をながめている少年が、テレビの野球中継を見つめている。みずきはつい、「野球の練習見てるよね」と少年に声を掛けてしまった。少年は口を開こうとしない。そこへ母親しのぶ(春木みさよ)が帰って来た。少年は真哉(熊谷知博)という。みずきは真哉を練習の見学に誘うが、しのぶによると真哉は外に出たがらないのだという。
 みずきは桐島を病院に誘った。野球ファンの真哉に桐島を紹介しようと思ったのだ。だが、真哉は桐島のファンなのに、素直に感動を表さない。だが、桐島が話しかけるうち徐々に打ち解け、桐島が下手な字で書いたサインボールをプレゼントすると嬉しさで顔を紅潮させるのだった。
 しのぶと真哉が病室に戻ると、そこには父親が待っていた。父親は、なんと竜崎だった。竜崎が外への散歩を誘うが、真哉はうつむき拒絶する。竜崎は失望しつつ、ふと真哉の持つボールに目をやった。
 夜になり「龍苑」ではまた次郎の借金の件で話し合いが続いていた。保が「皆でなんとかしよう」と提案する。勲(村松利史)が「そうだよな、あの時の仲間だもんな、恩を返さなきゃ」と壁の写真を見る。その写真には「1974年 桃の木ジャガーズ全国大会準優勝」のキャプションが。その時のエースピッチャーが次郎だったのだ。もちろん「こんな場合に男のロマン持ち出すな」との声も噴出するのだが……。桐島だけは、そんなことより、デブの次郎がピッチャーだったのが信じられない。
 と、「龍苑」に竜崎が入って来た。「こういうことはやめろ」とサインボールを取り出した。子供に取り入るのは卑怯だと言うのだ。「息子!?」と桐島もみずきもビックリである。「二度と近づくな」と言い残し去ろうとする竜崎に、みずきはじめみんなが「病気の子を構ってなにがおかしいの」と声を上げた。竜崎は振り返り「だからあなた方はだめなんだ」と言い放った。「弱い者が傷をなめ合うだけなんだ。負ける理由は敗者自身にある」。それには桐島が反応した。「そんな偉そうなこと言ってるから子供がストレス溜めるんだ」と喝破する。そして「勝ったものが正しいと言うなら、もう一度勝負しろ。俺が投げ勝ったら次郎の借金を待ってやれ。お前が打ち勝ったら桃の木商店街を好きにしろ」と勝手なことを言い出すのだった。竜崎は「あれで野球をやめたから今がある。感謝しているよ」と無視して車に乗り込んだ。
 翌日、竜崎は真哉の病状説明を医師から受けた。改善の兆候はなく、本人が前向きな気持ちにならないと好転しないという。悲しみを隠せぬ竜崎夫婦であった。
 いつものように練習しているジャガーズ。病院を見上げるとまた真哉がながめている。桐島はふと思い立ち病院へ向かった。真哉を迎えに行くのだ。うつむく真哉に「走って打つだけが野球じゃねえ」とグラウンドに車椅子を押し出した。「ここから好きなだけ見てろ」
 そこへ竜崎夫婦が追いかけてきた。「何のつもりだ」と怒る竜崎。だが、しのぶは、真哉の明るく一生懸命な表情に気が付いた。「あんな真哉を見たの初めて……」。竜崎も気が付いた。真哉は竜崎に言った。「お父さん、病気治したら、僕も仲間に入れるかな……」。竜崎は何かに気付いたように、上着を取りながらバットを探しバッターズボックスに立った。
 「桐島、マウンドに上がれ、勝負だ」
 桐島は、待ってましたとばかり、マウンドに向かう。
 「キャッチャーは保おじさんだ。ガキに俺の球は受けられない。耕介、外野に回れ」。余裕しゃくしゃくである。
 妻坂が言う。「こんな時の桐島は、絶対の自信があるか、カッコつけてるだけか……」
 ともかく、二人は15年前のように向かい合った。
 振りかぶる桐島。バットを絞る竜崎。桃の木商店街の運命を握る球が投げられた!!

キャスト

桐島 明(32)…反町隆史
伊佐山みずき(24)…長谷川京子
妻坂正義(32)…八嶋智人
桶川治虫(30)…堀内 健
林 次郎(41)…田口浩正
林 薫子(42)…犬山イヌコ
小野田 勲(41)…村松利史
小野田早苗(35)…大島さと子
篠田ミカ(31)…芳本美代子
葛木塔子(20)…市川由衣
伊佐山幸枝(37)…濱田マリ

伊佐山 翔(11)…川口翔平
林 耕介(12)…松川尚瑠輝
小野田淳平(12)…米谷真一
小野田健太郎(11)…川北純也
篠田 要(12)…高橋賢人
望月雅人(12)…川原一馬
黒羽拓真(12)…細山貴嶺
太田光樹(12)…内藤惟人
関 博文(11)…伊藤拓也
稲葉龍二(12)…村田将平

竜崎裕哉(33)…沢村一樹
竜崎しのぶ(33)…春木みさよ
竜崎真哉(11)…熊谷知博

矢島咲子(32)…木村多江
矢島俊太郎(10)…片岡 涼

伊佐山 保(42)…西村雅彦

スタッフ

■原作・脚本
  福田 靖
■演出
  植田泰史
  河野圭太
■プロデューサー
  小椋久雄(共同テレビ)
  木村元子(共同テレビ)
■制作
  フジテレビ
  共同テレビ

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