第7回 2004年5月25日(火)放送 あらすじ

#7 告白

 龍二(村田将平)が打撃開眼し、打球はがんがんフェンス越え。桐島(反町隆史)がバント練習を指示しても言うことを聞かない。桐島は、まるで絶頂期の自分を見る気がしていた。みずき(長谷川京子)や保(西村雅彦)は「喜ぶべきでしょう」「調子に乗せてやるべきだ」と桐島の不安が分からない。と、そこへテレビ局から桐島に出演依頼の電話が入った。
 番組は「あの人は今モノ」である。「龍苑」が保や幸枝(濱田マリ)の風邪で休業したため夕食もままならない状態のため、桐島と妻坂(八嶋智人)は「金になるなら何でもいい」と出演を受けることにした。
 放送収録の日がやって来た。商店街は大騒ぎである。ジャガーズのナインたちも「龍苑」に揃って出演である。準備が整ったところで、インタビュアーがやって来た。なんとそれは、桐島が現役だったころ中継ぎ専門投手として活躍していた村井(村田雄浩)だった。村井は23年現役を続け5年前引退、今は解説者として活動していた。収録が始まった。穏やかな村井の問いに相変わらずファンキーなノリで答える桐島。それをモニターで見ていたプロデューサー新川は「面白いよ、コイツ」と桐島に何かを見た様子だった。
 収録が終わり、居酒屋で打ち上げが始まった。村井は、相変わらず丁寧で穏やかに話を続けている。みずきが「23年間で一番記憶に残る試合は?」と村井に尋ねた。村井が「5年前の最終戦かな……」と答えると桐島の顔から笑みが消えた。「桐島さんも40本ホームランを打ちパイレーツも優勝に近づいたシーズン。僕の現役最後の試合だったんです」と村井。みずきは桐島の苦そうな表情を怪訝に思った。5年前の試合で何があったのか…。
 ジャガーズとブラックスの試合が行われている。2対8でジャガーズが負けているが、1、2塁のチャンス。バッターは龍二である。桐島は龍二にバントを指示した。だが、強気の龍二はそれを無視し、フルスィング。なんと3ランホーマーになり龍二はご機嫌でホームイン。ところが、桐島は龍二にベンチに下がることを命じた。龍二は不承不承了解したが、腹の虫は収まらない。そんな帰り際、ブラックスの監督・建守が龍二を呼び止めた。「うちに入らないか。桐島なんてグラウンドに立つ資格のない奴だぞ。5年前のことを知らないのか」。龍二は驚愕の“事実”を建守から聞かされた。
 桐島が「龍苑」に戻りみずきから龍二を外したことを責められていると、またテレビ局から電話が入った。今度はレギュラー解説者の話。驚くみずき、喜ぶ妻坂、戸惑う桐島。
 桐島と妻坂は、打ち合わせでテレビ局へ向かった。「絶対に年間350万円は譲らない」と鼻息の荒い妻坂。新川とディレクターが部屋に入って来た。交渉が始まる。妻坂が「現役時代2億2千万貰っていたんですよ」と吹っかける。新川は「精一杯出せて、その10分の1ということで……」。桐島と妻坂は絶句した。「2200万……」。しかもジャガーズの監督は続けていいという話である。「お引き受けします」と桐島は受けた。
 が、担当の水曜日は、村井の解説の曜日。つまり自分の代わりに村井はクビなのだと知らされ、桐島は複雑な思いにとらわれる。部屋を出てテレビ局の廊下を歩いていると、前方に書類を拾い上げる村井がいる。2軍のスコアブックなど資料がこぼれだしているのだ。「今日はクイズの回答者で来まして」と妻坂が村井をうまく誤魔化し、「あの人が降ろされるのは桐島さんのせいじゃありませんよ」と桐島を慰める。桐島は動揺していた。
 「龍苑」で桐島の解説者就任お祝い会が開かれた。桐島は珍しく酔いつぶれた。みずきはそれとなく妻坂に5年前のことを訊いた。妻坂は教えてくれた。
 「あの年の最終戦。優勝がかかった試合で、桐島は監督の指示を無視して全打席フルスィング凡退。それでパイレーツは優勝を逃したんだ。八百長の噂が流れた。真偽のほどは知らないが、クビになった後どこも引き取り手がなかった理由はそれだね」。みずきは翔(川口翔平)の部屋に入り、パイレーツのスコアブックを探した。その試合の桐島は妻坂が言ったとおりである。そして敗戦投手は村井であった。
 ジャガーズの練習で、またまた龍二が言うことを聞かない。桐島が「守備練習をやれ」と言うと、龍二は「監督だって人の言うこと聞かなかったんだろう。5年前八百長やったくせに」と大声で口答えし、走り去った。唖然とする子供たちを前に、桐島は顔を上げられなかった。桐島は「龍二はあのころの俺だ」とつぶやくのだった。
 テレビ初出演の日がやって来た。「陽の当たる場所へ帰って来た」と感無量の妻坂に比べ、桐島に元気がない。みずきも翔も一緒だ。桃の木商店街やジャガーズの皆は1時間も前から「龍苑」に集まっている。
 番組が始まった。村井は最後の解説を粛々と行っており、それを桐島はじっと見つめている。解説者交代を告げる桐島の出番が回ってきた。桐島の挨拶が始まった。なかなか桐島が口を開かない。スタジオに緊張が走る。と、桐島が話し始めた。

キャスト

桐島 明(32)…反町隆史
伊佐山みずき(24)…長谷川京子
妻坂正義(32)…八嶋智人
桶川治虫(30)…堀内 健
林 次郎(41)…田口浩正
林 薫子(42)…犬山イヌコ
小野田 勲(41)…村松利史
小野田早苗(35)…大島さと子
篠田ミカ(31)…芳本美代子
葛木塔子(20)…市川由衣
伊佐山幸枝(37)…濱田マリ

伊佐山 翔(11)…川口翔平
林 耕介(12)…松川尚瑠輝
小野田淳平(12)…米谷真一
小野田健太郎(11)…川北純也
篠田 要(12)…高橋賢人
望月雅人(12)…川原一馬
黒羽拓真(12)…細山貴嶺
太田光樹(12)…内藤惟人
関 博文(11)…伊藤拓也
稲葉龍二(12)…村田将平

竜崎真哉(11)…熊谷知博

村井高一郎(46)…村田雄浩

伊佐山保(42)…西村雅彦

スタッフ

■原作・脚本
  福田 靖
■演出
  植田泰史
  河野圭太
■プロデューサー
  小椋久雄(共同テレビ)
  木村元子(共同テレビ)
■制作
  フジテレビ
  共同テレビ

バックナンバー