ワンダフルライフ
#6 昔の女
ジャガーズがシャークスと対戦していた。相変わらず大量点を取られ、最終回、2アウト満塁のチャンスも生かせず無得点。結果は0対18で負け。が、ナインは「あと1イニングあったら逆転だったかも」と、それなりに陽気である。が、そんなナインに対して、真哉(熊谷知博)は、冷静に分析しプレイに苦言を呈する。ひるむナインは「何様だ」「ショッピングモールの社長の息子がなんでメンバーなんだ」と真哉を煙たがり始めた。
試合を終え桐島(反町隆史)らが「龍苑」に戻ると幸枝(濱田マリ)が風邪を引いて臥せっており、保(西村雅彦)は苛立ちを隠さない。と、開店を手伝っていた桐島と妻坂(八嶋智人)が、タレを床にこぼしてしまう。保の怒りが爆発した。「これは秘伝のタレで幸枝しか作れないんだ。今日は休業だ」。そんな騒ぎの折、「龍苑」に一人の女性が入って来た。「今日はお休みです」とみずき(長谷川京子)が声をかけると、女性と桐島が見詰め合っている。「お久しぶり」。女性は前妻の咲子(木村多江)であった。
咲子は桐島に再婚の報告に来たのであった。「あなたと同い年のお医者さん。俊太郎の父親になるのだから、一応了解を取りに来た」と言う。桐島はそれなりにショックを受け、翔(川口翔平)が真哉とナインの軋轢を心配して相談を持ちかけても上の空である。
しばらくすると、ミカ(芳本美代子)に送られて保が酔っ払って帰って来た。幸枝が寝込んでいることが腹に据えかねているようだ。桐島に悪態をつき、妻坂が一生懸命作ったタレを投げ捨て、寝てしまうほどである。ただ、「夫婦のことは分からないのよ」とミカは皆を諭して出て行くのだった。
みずきは咲子が来てから様子の変わった桐島が心配で、妻坂に桐島の当時の家庭生活を聞いた。妻坂は「子供にプレゼントしたグローブを突き返されるほど」悪い男だと言う。そのグローブは間借りの六畳間にまだ置いてあるという。
桐島は、物干し台でチームの打順の組み替えなどを思案していた。気になったみずきはそばに寄って様子を窺う。桐島は「咲子の笑顔も俊太郎の笑顔も思い出せない」と悔やんでいる。「俺は父親として取り返しのつかないことをやったんだ」と。みずきは返す言葉がなかった。
日が変わり、みずきが盛り場の書店にいると咲子が声を掛けて来た。二人して喫茶店に入り、「もしあの人のことを好きだったら、およしなさいって言うつもりだった。自己中心的、傲慢、最低…」と咲子は言う。だが、みずきは「今の桐島さんは変わっています。今週の試合を見てください」と挑むように咲子に申し出るのだった。
一方、真哉は練習でも「ジャガーズと試合をしたいなんて、自分のとこに自信を付けたいんだ」なんて生意気を言いたい放題。技術的なアドバイスまで始め、ナインとの仲はさらに険悪になった。慌てた桐島は「龍苑」でチーム親睦会を開いた。だが、座は盛り上がらず、妻坂の作ったタレはまずく、真哉は「僕がいたら楽しくなさそうだから帰る」とタクシーを呼ぶ。桐島が引き止めると「では監督、僕のポジションはありますか」と詰問し、「お世話になりました」と去って行った。
そのころ二階では保も風邪をひき、夫婦で枕を並べて寝込んでいた。
ジャガーズとシャークスとの試合が始まった。どんどん点を入れられる。真哉は来ていない。桐島はベンチをみずきに頼み、真哉を迎えに行った。病室に入ると真哉はいないが、ベッドのそばにぎっしりとジャガーズのメモが書き込まれたノートが積み上がっている。桐島は戻って来た真哉に「これがポジションだ」と真哉のノートを本人に突きつけた。
桐島は真哉の車椅子を押してグラウンドに戻って来た。不愉快そうな顔のメンバーに、「ジャガーズ頑張れ」と書かれた件のノートを広げて見せた。「こいつはお前らより真剣に野球をやってる。だからチームメイトだ」。翔がおずおずと真哉に「僕はどうすればいいの」と尋ねる。真哉は「バットを短く持ち…」と具体的に指示。相手チーム投手の心理まで読み、その通り塁に出る。続く耕介(松川尚瑠輝)も「じゃ、僕は」と聞く。「耕介君は、2カ月前の試合の時の流し打ちを思い出し…」と真哉。桐島は頼もしいコーチを育てたのだ。
と、咲子が観客席に現れた。
試合を終え桐島(反町隆史)らが「龍苑」に戻ると幸枝(濱田マリ)が風邪を引いて臥せっており、保(西村雅彦)は苛立ちを隠さない。と、開店を手伝っていた桐島と妻坂(八嶋智人)が、タレを床にこぼしてしまう。保の怒りが爆発した。「これは秘伝のタレで幸枝しか作れないんだ。今日は休業だ」。そんな騒ぎの折、「龍苑」に一人の女性が入って来た。「今日はお休みです」とみずき(長谷川京子)が声をかけると、女性と桐島が見詰め合っている。「お久しぶり」。女性は前妻の咲子(木村多江)であった。
咲子は桐島に再婚の報告に来たのであった。「あなたと同い年のお医者さん。俊太郎の父親になるのだから、一応了解を取りに来た」と言う。桐島はそれなりにショックを受け、翔(川口翔平)が真哉とナインの軋轢を心配して相談を持ちかけても上の空である。
しばらくすると、ミカ(芳本美代子)に送られて保が酔っ払って帰って来た。幸枝が寝込んでいることが腹に据えかねているようだ。桐島に悪態をつき、妻坂が一生懸命作ったタレを投げ捨て、寝てしまうほどである。ただ、「夫婦のことは分からないのよ」とミカは皆を諭して出て行くのだった。
みずきは咲子が来てから様子の変わった桐島が心配で、妻坂に桐島の当時の家庭生活を聞いた。妻坂は「子供にプレゼントしたグローブを突き返されるほど」悪い男だと言う。そのグローブは間借りの六畳間にまだ置いてあるという。
桐島は、物干し台でチームの打順の組み替えなどを思案していた。気になったみずきはそばに寄って様子を窺う。桐島は「咲子の笑顔も俊太郎の笑顔も思い出せない」と悔やんでいる。「俺は父親として取り返しのつかないことをやったんだ」と。みずきは返す言葉がなかった。
日が変わり、みずきが盛り場の書店にいると咲子が声を掛けて来た。二人して喫茶店に入り、「もしあの人のことを好きだったら、およしなさいって言うつもりだった。自己中心的、傲慢、最低…」と咲子は言う。だが、みずきは「今の桐島さんは変わっています。今週の試合を見てください」と挑むように咲子に申し出るのだった。
一方、真哉は練習でも「ジャガーズと試合をしたいなんて、自分のとこに自信を付けたいんだ」なんて生意気を言いたい放題。技術的なアドバイスまで始め、ナインとの仲はさらに険悪になった。慌てた桐島は「龍苑」でチーム親睦会を開いた。だが、座は盛り上がらず、妻坂の作ったタレはまずく、真哉は「僕がいたら楽しくなさそうだから帰る」とタクシーを呼ぶ。桐島が引き止めると「では監督、僕のポジションはありますか」と詰問し、「お世話になりました」と去って行った。
そのころ二階では保も風邪をひき、夫婦で枕を並べて寝込んでいた。
ジャガーズとシャークスとの試合が始まった。どんどん点を入れられる。真哉は来ていない。桐島はベンチをみずきに頼み、真哉を迎えに行った。病室に入ると真哉はいないが、ベッドのそばにぎっしりとジャガーズのメモが書き込まれたノートが積み上がっている。桐島は戻って来た真哉に「これがポジションだ」と真哉のノートを本人に突きつけた。
桐島は真哉の車椅子を押してグラウンドに戻って来た。不愉快そうな顔のメンバーに、「ジャガーズ頑張れ」と書かれた件のノートを広げて見せた。「こいつはお前らより真剣に野球をやってる。だからチームメイトだ」。翔がおずおずと真哉に「僕はどうすればいいの」と尋ねる。真哉は「バットを短く持ち…」と具体的に指示。相手チーム投手の心理まで読み、その通り塁に出る。続く耕介(松川尚瑠輝)も「じゃ、僕は」と聞く。「耕介君は、2カ月前の試合の時の流し打ちを思い出し…」と真哉。桐島は頼もしいコーチを育てたのだ。
と、咲子が観客席に現れた。