圭吾から二度と来るなと言われていたのに、むつ子は再び圭吾を訪ねる。そして、戦争から戻ったのになぜ連絡をくれなかったのか、と問いただす。冷淡な圭吾の態度に、むつ子は思わず、圭吾の子を産んだことを口走る。
　むつ子がバーから出ると、義平が立っていた…。
　圭吾は宗次郎にしず子のことを確かめる。これ以上姉に関わらないでほしい、と宗次郎は訴えるが、そこへ、偶然むつ子がやってくる。圭吾はむつ子に、しず子に会わせてほしいときりだす。むつ子はきっぱりと断る。
　宗次郎から圭吾がしず子に会いたがっているのを聞かされた義平は、怒りがこみあげてくる。