18世紀の巨匠による彫像・シェミラ像が日本にやってくることになった。清麿から、ブリの百倍の感動が味わえると聞いたガッシュは、早速美術館へ見に行くことにした。実は像を日本に運んできたのは、貿易商のゴルドーとその相方の魔物・ダニーだった。ダニーはゴルドーが自分のことを「ダニーボーイ」と呼び、半人前扱いするのが気にくわない。
　美術館へやってきたガッシュは、到着したばかりのダニーと出会う。ガッシュがシェミラ像を見に来たことを知ると、ダニーは特別に見せてやるとガッシュを美術館の一室へ案内する。しかしすでにその時、シェミラ像はギャングたちの手によって強奪されてしまっていた。ガッシュの嗅覚を頼りに、像を追うゴルドーとダニー。どうやら港に停泊中の船に積み込まれたようだ。
　清麿へのメモをウマゴンに託し、船内へと突入するガッシュたち。素早い身のこなしで、ギャングたちを次々と倒してゆくダニー。たとえ銃弾を体に浴びても、ゴルドーが「ジオルク」の呪文を唱えると、傷はたちまち回復する。これこそがダニーの本の力なのだ。しかし、そのことに気付いたギャングに、ゴルドーを人質にとられてしまう。間一髪、駆けつけた清麿の唱えたザケルによって、ギャングを倒すことができた。
　警察も到着し、ほっと胸をなで下ろす一同。その時、逃げだしたギャングの乗ったタンクローリーが、シェミラ像を積んだ車に激突した。像を守ろうと、タンクローリーを支えるダニー。このままでは像もろとも消されてしまう。ダニーはガッシュに、電撃でタンクローリーを吹き飛ばせと叫ぶ。しかしそれではダニーの本が燃えてしまう。悩むガッシュにゴルドーは、ダニーを一人前の魔物として魔界へ帰してやってほしいと頼む。その言葉に突き動かされたガッシュは、決意してザケルを放った。
　消えゆくダニーを、初めて「ダニー」と叫び、仕事をやり遂げたことを誉めるゴルドー。その嬉しさと別れの悲しさで泣きじゃくりながら、ダニーは消えた。