2024年8月30日更新
2023年4月から、慶應義塾大学で開設された「コンテンツビジネスの現状と将来~現場のプロフェッショナルから聞く最新事情~」と題する寄附講座。今年も4月から7月にかけての春学期に開講され、7月末に無事終了しました。
昨年は40人の枠に220人の学生から応募があり、約80人を受け入れて授業を行いましたが、今年は更に枠を広げて150人程度の学生の登録を受け付けて授業が開始しました。昨年に引き続き、ドラマや映画のプロデューサー志望、脚本家志望、役者志望、アニメや海外ビジネス志望など、コンテンツビジネスの世界に興味を持つ学生が多く集まり、毎回、熱気にあふれた授業になりました。
講義では「ハーバード式オリエンテーション」としてハーバードでの研究に裏付けされた人生でやりたいことを成し遂げる方法を学んだ後、日本のテレビ局を取り巻く環境や課題、世界の動画配信会社の現状と将来の見通しなど、業界の現状について学びました。そしてさらに映画産業やアニメコンテンツ、ドラマの企画づくり、フジテレビの海外ビジネス展開、著作権の問題、韓国コンテンツがなぜ世界で大人気となったのかの成功事例の分析、コンテンツビジネスに関する日本政府の関わりなど幅広い分野について講義が行われました。
ゲストスピーカーにはフジテレビ「あいのり」の元出演者で脚本家の金沢知樹氏や「ゴジラ-1.0」でアカデミー賞視覚効果賞を受賞した東宝の市川南専務、そして総務省の担当課長のほか、韓国から韓流スターも駆けつけて有意義な話をしてくださいました。
さらにフジテレビからは配信戦略について野村和生部長や、アニメ戦略について松崎容子局次長(当時)が登壇。大いに盛り上がりました。
また7月クールの「海のはじまり」の撮影の合間を縫って登壇してくれた村瀬健プロデューサーの回は、90分の授業の予定を延長し、教室も移動してなんと計4時間半も続行しました!学生たちにとって大きな刺激になったようでした。
講座の集大成として、学期の最終日にはこれまで学んだことを念頭に、学生から新たなビジネスプランをグループごとに発表してもらいました。審査員として関西テレビ放送の大多亮社長が登壇し、それぞれのビジネス案に対する感想を話しましたが、中には具体的で実現できそうな企画もあり、「レベルが高い!」と大多社長もびっくりする場面もありました。
審査員として大阪から駆けつけた
関西テレビ放送 大多亮社長と学生たち
また、個人の課題としてリポートも提出してもらい、嬉しいコメントの数々を戴きました。
「毎週金曜日が楽しくてこんなに意欲的になれる授業に4年生で出会えてよかったなと感じています。ありがとうございました。」
「毎回大変興味深く学びの多い貴重な授業を用意してくださった先生方に心より感謝申し上げます。」
「(講義を通じ)私は「テレビ好き」から「テレビ局志望」に変わったのだと振り返って思います。特に「テレビはこれからが面白い!」と言う結びのメッセージは本当に熱く、自分の熱意に火がつけられました。」
「この講義を通して、私はテレビ業界への志望を高め、プロデューサーという夢の形を見つけました。」
「私の大好きなテレビ文化がこれから先も様々な形態で残っていけるように、コンテンツに携わる仕事をしたいと改めて感じました。」
「自身のキャリアや関心について向き合える非常に貴重な講義を提供してくださった関係者の方々に、感謝を申し上げたい」
「自分もフジテレビに入社して、お昼の時間帯の高視聴率かつ、長寿番組となるようなバラエティー番組を作りたい。」
「もし来年もこの授業が設置されるのでしたら、是非とも履修したいです。」
こうしたことを感じてもらえただけでも、今年も講座を続けて良かったと思えました。
来年4月にまた慶應義塾大学でこの講座を開講するため準備を進めて行く予定ですが、この講座を通じ、少しでも日本のソフトパワーを世界に広げることができるコンテンツビジネスの魅力を若い世代に伝えて行ければいいなと思っています!
講座名 | コンテンツビジネスの現状と将来 ~現場のプロフェッショナルから聞く最新事情~ |
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主なテーマ | ハーバード式オリエンテーション、放送業界を取り巻く環境、世界の動画配信の現状と課題、テレビ局の配信戦略、コンテンツビジネスにおける海外展開、韓国コンテンツが何故世界で人気となったか、コンテンツビジネスにおける著作権、アニメコンテンツ、映画産業の状況と成功事例、ドラマなど作品づくりのプロセス、政府の関わり、脚本家から見たコンテンツ業界など |
開講期間 | 2024年度春学期 全14回 |
開講場所 | 慶應義塾大学三田キャンパス |
担当教員 | 鈴木 秀美 (慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所教授) 森 守弥子 (フジテレビ・社会貢献推進局とビジネス推進局兼務) 杉原 佳尭 (Netflix・公共政策ディレクター) |
対象学生 | 慶應義塾大学生 約150名 |