2023年9月11日更新
2023年4月から、慶應義塾大学で開設された「コンテンツビジネスの現状と将来~現場のプロフェッショナルから聞く最新事情~」と題する寄附講座が、7月末に無事終了しました。
この講座は当初コンテンツビジネスに興味のある40人ほどの学生に絞って授業を行う予定でしたが、履修登録を始めたところ予定の5倍以上の220人から授業を取りたいとの履修申請が殺到したため、急遽83人に履修許可を出しました。学生たちはドラマや映画のプロデューサー志望、脚本家志望、役者志望、アニメや海外ビジネス、著作権などに興味がある学生など、ほとんどがコンテンツビジネスの世界で働きたいとの希望を持っていたため、毎回、大変活気のある授業となりました。
講義では日本のテレビ局を取り巻く環境や課題、世界の動画配信会社の現状と将来の見通し、映画産業やアニメコンテンツ、ドラマの企画づくり、フジテレビの海外ビジネス展開、著作権の問題、韓国コンテンツがなぜ世界で大人気となったのかの成功事例の分析、コンテンツビジネスに関する日本政府の関わり、など幅広い分野について講義を行い、ゲストスピーカーとしてフジテレビの現場で働くプロデューサーや、映画会社の幹部や日本政府、そして海外からと、数多くのプロをお迎えし、授業を展開しました。
毎回、ゲストスピーカーの話が面白く、時間が足りないという状況が毎回続き、ある時は、授業が終わってからも車座になり次の授業が始まるまで45分間も延長して質疑応答が続くこともありました。
講義の集大成として、学期の最後にはグループワークとして学生から新たなコンテンツビジネスについての提案をしてもらったのですが、中には具体的で実現化できそうな企画もあり、講師としても大変ワクワクさせられました。
また、個人の課題としてリポートも提出してもらい、嬉しいコメントの数々を戴きました。
「コンテンツ業界に将来携わりたいと考えている自分にとって、今回の講義はどの回も知らない世界を見ているかのような新鮮で、高揚感の湧く授業だった。」
「この授業で講義をしてくださった先生方は皆さんエネルギッシュで、生き生きとされていて、毎週お話を聞くことが本当に楽しかった。」
「実際に業界で働けるように、狭き門ではありますがエンタメ業界を目指して頑張ろうと決心しました。」
「私も将来、日本のコンテンツビジネスを盛り上げていきたいです。半年間とても楽しい講義ありがとうございました。自分の人生にとってとても有意義な時間となりました。」
こうしたことを感じてもらえただけでも、今回の講座を立ち上げて良かったと思えました。
来年4月にまた慶應義塾大学でこの講座を開講するため準備を進めて行く予定ですが、こうした講座を通じて少しでも日本のソフトパワーを広げることができるコンテンツビジネスの魅力を若い世代に伝えて行ければいいなと思っています!
講座名 | コンテンツビジネスの現状と将来 ~現場のプロフェッショナルから聞く最新事情~ |
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主なテーマ | 放送業界を取り巻く環境、世界の動画配信の現状と課題、テレビ局の配信戦略、コンテンツビジネスにおける海外展開、韓国コンテンツが何故世界で人気となったか、コンテンツビジネスにおける著作権、アニメコンテンツ、映画産業の状況と成功事例、ニュースコンテンツ、ドラマなど作品づくりのプロセス、政府の関わりなど |
開講期間 | 2023年度春学期 全14回 |
開講場所 | 慶應義塾大学三田キャンパス |
担当教員 | 鈴木 秀美 (慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所教授) 森 守弥子 (フジテレビ・編成制作局グローバル事業部) 杉原 佳尭 (Netflix・公共政策ディレクター) |
対象学生 | 慶應義塾大学生 約80名 |