2014年03月15日 新・週刊フジテレビ批評で放送
社会・公共

『東日本大震災から3年 求められる番組は?』

来週3月11日で、東日本大震災から丸3年を迎えます。
この節目に合わせて、テレビ各局では今週末から震災当日の
来週11日にかけて、報道・情報番組で3年目の行事・式典や現在の
被災地の様子、様々な企画を放送するほか、
震災関連の特別番組を放送します。特番の内容は、報道特番や
ドキュメンタリーのほか、検証もの、ドラマ、音楽番組など多岐に
渡ります。

いまだ被災地では26万7千人の避難者がおり、復興もまだ
道半ばの状況ですが、
その一方で、様々なアンケートや調査結果では “風化”を感じると
答える人が多数を占めます。
特に被災地以外の地域での“意識の風化”が懸念されています。
そして未曾有の被害をもたらした東日本大震災について、風化を
防ぐこと、和らげることはテレビの役割との指摘もされています。

こうした状況を鑑み、テレビの現状と役割について、改めて
考えたいと思います。
震災から3年のテレビの役割、さらに今後のテレビの伝え方について、
コンパス・オピニオンリーダーの皆様からご意見をいただけますよう
お願い申し上げます。

オピニオンリーダーへの問いかけ

※コンパスで掲載された全ての意見・回答は各氏個人の意見であり、各氏所属の団体・組織の意見・方針ではありません。
Q1:東日本大震災から3年、テレビでは震災報道や震災特番などが放送されていますが、
どう評価しますか?
Q2:問1の回答理由についてお聞かせください。
“意識の風化”が指摘される中でのテレビの役割と現状を踏まえて
ご意見をお聞かせください。
(コメント欄-文字数に制限はありません。)
Q3:東日本大震災について、これからテレビの伝え方はどうあるべきでしょうか?
風化を防ぐという観点から、どんな情報をどのような番組や形で伝えていくべきか、
ご意見をお聞かせください。

オピニオンリーダーの回答

( 16件 )
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1. 評価する

中津孝司
大阪商業大学総合経営学部教授,国際問題評論家
Q2. 「1 - 評価する 」の回答理由
番組それぞれに特色があり、社会貢献は絶大だったと思う。
やはり映像を伴う番組はリアルで記憶に残る。各局がそれぞれの視点で番組を提示していた。番組それぞれから学ぶべきことが得られた。もちろん、視聴後、感動や感激、それに反省など複雑な心境になった。特集番組は成功だったと思う。
Q3. コメントする
今後は経済的な視点からの番組が欲しい。被災地で成功したビジネス、失敗したビジネスなど、被災地でしかわからない経済番組を希望する。
 
 
武貞秀士
拓殖大学大学院特任教授
Q2. 「1 - 評価する 」の回答理由
テレビは総力をあげて震災復興の現状、問題点、今後の課題を報道し、被災者に対する日本人のおもいやりも伝わってくる報道内容だった。
東日本大震災について、テレビは総力をあげて震災復興の現状、問題点、今後の課題を報道していた。これからは、より継続的、体系的に復興事業を推進してゆくことが重要になっている。どの分野にどんな課題があるか。政府と関連自治体の考えを比較し、被災者の家庭の苦しみをリアルに伝えながら報道していた。
具体的には、これから被災地を支援してゆくとき、民間の力をどう結集してゆくのか。政府がそれをどう整理して復興計画を軌道に乗せるか。新しい事業をどう興すのか。被災地の復興と日本経済の再建をどう両立させるのかを指摘していた。
避難生活者は、26万人を超えるが、被災者らの生活の再建に関しては、子供たちの不登校の問題、完成が遅れている災害公営住宅を指摘していた。住宅の建設は、宮城2パーセント、岩手県が8パーセントという惨状も率直に紹介していた。工場を再建しても商品の販路が確保できていないこともわかった。工場を内陸に移転するにしても、どのような企業をどこに残すのか。工場労働者をどう確保するのか。深刻な人材不足をどうするかという課題もわかった。NPO法人による支援が少しずつ減っているのに、復興事業が本格化しようとしている。社会の関心が低下する傾向にあることがネックになっているのは深刻な問題だということも判明した。
地域の住民らの間のコンセンサスがネックになっているケースがあることも判明した。高さのある防潮堤をつくることを求める人がいれば、海をみながら津波の来襲を確認するのだから、海が見えなくなるような防潮堤建設には反対という立場があることがわかった。
復興大臣と東北3県の知事との話し合いは有意義だった。ほぼすべての論点が提示されていた。土地の権利状況が複雑で土地収用の問題が深刻であることもわかった。海岸地域の用地の権利者が多数にのぼると、再建がうまくいかない。個人の財産権が絡み土地収用がうまくいかないのだ。
 多くの課題があって、復興事業が大変であることがわかった。テレビは多くの難題について、政府、地方自治体、被災者の声を、わかりやすく伝えていた。重要課題のひとつである原発事故対策の問題点もポイントを多角的に報道していた。
 
Q3. コメントする
今回の報道のように、政府と自治体、現地の責任者の声、支援活動をしている方々の声、被災者のナマの声を組み合わせて報道してゆくことで、視聴者にインパクトのある報道内容になると思う。
注文をつけるとすれば、外国は日本の復興事業のありかた、日本人の復興活動をどのように伝えていたかを、日本の視聴者に紹介する番組もあってもよいのではないか。
今回の質問に対する回答ではないが、東日本大震災からの復興の報道ぶりを見ながら、日本人はなんと心のやさしい国民だろうと思った。報道からは被災者らと痛みを分かち合うという日本社会の思いやりが伝わってきた。復興行政の遅れや、記憶から遠ざかることの申し訳ないという思いも、番組のなかににじみ出ていた。
このような、日本での報道ぶりは外国のメディアや、専門家の目にどのように映ったのだろうか。フランスのテレビが3月11日の1分間の黙祷を映していた。韓国と中国では、日本人が災害復興から何を学び、復興の課題をどのように語り合っているかについて、どう紹介されていたのだろうか。2008年、マグニチュード8.0の四川大地震が起きた四川省汶川や2010年にマグニチュード7.1の地震が起きた青海省玉樹の災害復興過程、復興の課題、家族たちの苦しみを紹介した中国のテレビ番組を見たことがない。
3月11日の韓国の新聞記事に、「(震災の)3年後の現在、信頼は懸念に埋もれてしまった。巨大地震後、政治の無気力とその副作用で増幅された日本再生の熱望は、期待とは全く異なる日本をつくり出している。安倍晋三政権の右傾化の暴走は、福島原発事故のいい加減な収拾よりも深刻な北東アジアの脅威として浮上した」とあるのを読んだ。震災後3年が経過し、日本人が被災者と苦しみを分かち合いたいと思い、被災者の家族の苦しみに涙しながら復興の問題点、課題を論じているときに、この文章である。東日本大震災からの復興に関する報道を見ながら、日本と韓国の違いを学ぶことができた。
 
 
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2. ある程度評価する

飯田泰之
明治大学政治経済学部准教授
Q2. 「2 - ある程度評価する 」の回答理由
立ち上がるビジネスと決めるべき難題
東日本大震災からはや三年が経過する中で,その記憶を風化あせないためにメディアが果たす役割は大きい.その意味で,被災地の現状を伝える報道があり続けることは大きな意味がある.

「被災地において必要とされていること」は変化を続けている.

重被災地域においても,順次人々は(元通りにはほど遠い,または以前とは全く異なる)日常の生活に戻りつつある.そのなかで,被災からの復興を目指してビジネスが立ち上がり,その被災地であることによる注目というツールを得て立ち上がり,つづいて「被災地の」という枕詞を外したビジネスとして自立していく...地域によってはこの第三段階に手が届きつつある地域も少なくない.このような東北地区からのビジネスに注目した報道が増えていくことを望む.

その一方で,福島第一原子力発電所周辺の地区では今なお現在進行形での被災が続いている.このような地域に必要とされるのは決断ということになるだろう.広範囲にわたる除染を実施して当該「地域の復活」を中心に住民生活の再建すすむべきか,除染よりも個人保障を重視して直接的な「個人生活の復活」を目指すべきか.地域住民の声なき声を拾うと共に,政策的な議論を行う場がメディアにおいても設定されてしかるべきだろう.
Q3. コメントする
2011.3.11に何が起きたのか.
その被害,受け止め方は千差万別である.

センセーショナルな事例にとらわれることなく,淡々と事実を収集し,それをアーカイブ化していくという地味な作業も必要ではないだろうか.

・地域・年齢・職にわけて広範なアンケートとインタビューの集積し,それを誰もが参照できる形でweb等に集積する
・注目を集めたもの(逆に集めなかったもの)を比較する番組を制作する

といった,地道な作業をすることもいっこうに値すると思われる.
 
 
岸本裕紀子
エッセイスト,政治コラムニスト
Q2. 「2 - ある程度評価する 」の回答理由
よく「震災を忘れないで、被災地のことを忘れないでほしい」といいますが、3年間の震災関連報道を通して、私たちは被災者の方々の現状や悲しみなどについて、ある程度は気持ちを添わせることはできると思います。
他の震災と比べてもそれを扱ったテレビ番組の量は多いですし、個々の被災者の事情や、それぞれの被災地の復興の難しさなどを取り上げているものも多いからです。
ただ、3年たつと、復興の格差が生じ、被災者の方の将来像についても考え方の違いがはっきりできてきて、それを私たちは番組で知ることになります。
同じ地域でも、同じ自治体でも、同じ仕事仲間でも、また、たとえ同じ家族の中にあっても、その地域にとどまり以前の生活を取り戻したい方と、一方で新しい生活を作り上げようとする方がいて、それは、年齢や経験、経済力などの条件によって様々ですが、それぞれの立場や気持ちがわかるだけに、番組を観ていてもつらくなるほどです。
だからどうすればいいのかはわかりませんが、個々の立場について、じっくり掘り下げる番組があってもいいかもしれません。
Q3. コメントする
復興は住民の意見を聞きながら行政主導で進められていますが、あまりうまくいっているとは聞きません。今後は、復興の問題点、地域住民の合意形成について、復興をどう新しい地域の活性化につなげていくのか、何故計画が進まないのかなどを個別に取り上げる番組が求められると思います。
また、原発については、3・11直後から今日までの経過をしっかり検証してほしいと思います。
 
 
浜辺陽一郎
青山学院大学大学院法務研究科(法科大学院) 教授,弁護士
Q2. 「2 - ある程度評価する 」の回答理由
防潮堤や除染の問題などにおいて民意がなかなか政治や行政に反映されない深刻な状況が続いていることはよく報道されているが、視聴者の側がやや慣れているのか、やや鈍感になっている。さらに政治や行政もうまく対応していないように見えるのが残念。、
かなり時間もたっているので、比較的落ち着いて現場の声を拾って、いろいろな番組が多角的に問題を報道している印象がある。

被災地の現状、原発問題など、復興が順調に進んでいないどころか、防潮堤や除染、業者にお金をバラまくような形にしか見えないような無駄な公共事業(誰も耕さない農地整備事業)の問題など、本当の民意がなかなか政治や行政に反映されず、利権化しているような深刻な状況が続いていることも、それなりに伝えられている。

しかし、ほとんど問題が解決されず、なかなか事態が改善されていないようである。視聴者の側も慣れているのか、疲れているのか、やや鈍感になっているようであり、さらに政治や行政を動かす力になっていないのは何故なのだろうか。詰めが甘いのか、無難にまとめすぎているのか。もどかしさばかりが募っていく。
Q3. コメントする
「風化」というよりも、食傷気味であるとか、庶民は日々の生活に余裕がなく、疲れていることもあり、とても遠くの震災のことにまで、あまりかまっていられないということもあろう。

あの時の失敗や反省などを忘れて、解決を先送りして、合理的で十分な対策が整備されないままに原発再稼働に突き進み、震災復興は、防潮堤とか除染とか、不合理な事業ばかりがずさんに行われている印象が強く、政治や行政がうまく機能していないのは、震災復興に限った話ではないが、根本的な日本の問題として改革を促すような骨太な番組を期待したい。

本来ならば、これを契機に、過疎の問題をはじめとする日本の将来を考えて、きちんとしたビジョンを明らかにした上で、リーダーシップを発揮していくことを促すような番組があれば、などと思う。
 
 
有馬晴海
政治評論家
Q2. 「2 - ある程度評価する 」の回答理由
進まないで大変だというのを報道しても復興は進まない。
もっとインパクトある動かすものであってほしい。
テレビとしては、節目の報道になってしまうのは当たり前。
視聴者は、それさえも鬱陶しく思う人もいるはず。
つらい被災者の姿を競っても、視聴者は楽しくない。

報道の問題ではなく、
復興が進まないことに政治の不満が募る。なぜ進まないのか。報道で政府の対応を赤裸々に見せてほしい。
政府を動かすという役割が大切だと思う。

阪神淡路が3年でめどが立った。
民間が動いた。
放射能があるから進まないのなら、早く進む状態をつくらないと。

進まないで大変だというのを報道しても復興は進まない。
もっとインパクトある動かすものであってほしい。
Q3. コメントする
ありのままや、状況を伝えるだけではなく、
国民を動かし、復興が進むことへの権力を動かすものであってほしい。
 
 
山口真由
元財務官僚
Q2. 「2 - ある程度評価する 」の回答理由
テレビ報道には一定の評価。しかし「風化を防ぐ」という視点そのものに、日本全体が抱える震災後の課題を「被災地」だけの問題にすり替えているのではないかという懸念を感じる。
「こんなときばかり」という声は容易に想像できるものの、3年目の節目ににわかに増えた東日本大震災の特集番組は、私達に色々なことを考えるきっかけを与えてくれた。「被災者」である羽生選手のソチ五輪での金メダル、「被災地」を拠点とする楽天イーグルスの優勝。震災を切り口にする報道は多く見られ、テレビ番組が観光客の再誘致のきっかけになったという話もある。したがって、被災地への経済効果も含め、テレビ報道の役割については一定の評価ができる。

しかし、未だ復興が進んでいない「被災地」の現状を映し出し、「風化が懸念される」「継続的取り組みが重要」とコメントする紋切り型の報道が多い。私自身は、「被災地の風化を防ぐ」という視点そのものに懸念を感じている。

東日本大震災は、日本のエネルギー政策の見直しを迫り、ソーシャルメディアを含む情報伝達の在り方について問題提起するなど、日本全体の問題だった。それがいつの頃からか、被災地である東北地方の問題にすり替えられているのではないか。「被災地」にいない私達が「被災地」のことを忘れてはならないという内容の、「風化を防ぐ必要がある」という論調を目にする度に、そういう疑問がわいてくるからだ。

東日本大震災を巡る報道の視点そのものに再考の余地があると考える。
Q3. コメントする
東日本大震災に関して、テレビ報道の役割をどう位置付けるのか。正確な情報伝達か、観光客の再誘致を含む経済効果か、いずれにせよ「風化を防ぐ」から一歩掘り下げた視点が必要だと思う。

私自身は、特に、日本の今後の全体像と絡めて、震災後の課題を報じる視点を、テレビ報道に期待する。震災後に日本全体が現に直面しているエネルギー政策の問題、原子力からの脱却を図ってのエネルギー資源の輸入増は、日本の貿易赤字を拡大させ、経済問題に発展しつつある。このように、密接に結びつく日本の課題を分かりやすく描く報道に期待したい。
 
 
クロサカタツヤ
株式会社 企 代表取締役/ 総務省情報通信政策研究所コンサルティングフェロー
Q2. 「2 - ある程度評価する 」の回答理由
「震災を思い出したくない」という気分を超えて、なお訴えかけようとする姿勢には共感します
少なくとも震災当時、東日本で生活をしていた人のほとんどは、たかが3年で震災を忘れることはないと思います。東京圏は幸いにも大した被災をせずに済みましたが、福島第一原発の事故や帰宅難民等、いまだに鮮烈な記憶として残っているでしょう。

それでもなお、意識が風化しているように感じられるのだとしたら、おそらく「思い出したくない、忘れてしまいたい」と考える向きが少なくない、ということではないでしょうか。できることなら、能動的に記憶から消し去ってしまいたい、ということです。

しかし言うまでもなく、それは不可能なことです。そして不可能なだけでなく、震災の衝撃と対峙して、よりよい生活を送るために活かしていかなければならない。それは生き残った人たちの使命や責務でもあります。そうした意識の喚起に挑戦しているのは、テレビの良心と言えるのではないでしょうか。

ただ、それはとても難しいことだし、作り手が試行錯誤していること、そして必ずしもうまくいっていないことは、視聴者の一人としても感じられます。「テレビとて完璧にはできない」というもどかしさも含めて、それを伝えようとしている姿勢には、共感を覚えます。
Q3. コメントする
テレビを「映像によるコミュニケーション」と仮定するのであれば、そこには様々な可能性があると思います。東日本大震災は、有史以来はじめてここまで映像記録が(しかも高品質で)多く残された震災であり、いつ見ても人々に衝撃を与えます。私たち生活者がそこから学べることは、今後も決して色褪せないでしょう。

一方で、「将来の防災・減災のために何ができるか」という視点では、いまの「県単位の放送」という粒度では、生活者のニーズに対応しきれないという厳しい現実が、震災によってテレビ産業に突きつけられたと思います。もっと細かな粒度で、自分たちの暮らすコミュニティに根ざしたコミュニケーションでなければ、生活にとって意味のある情報は、十分には伝達できなさそうです。

こうしたギャップとどう向き合うか。テクノロジーの発達でそうした細かな単位の放送サービスが可能になっており、ニーズとシーズは揃いつつあります。震災以降ずっと提示されているこうした問いかけに、まだ答えを見つけられていないのは、既存の「テレビ産業」の側なのかもしれません。
 
 
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3. あまり評価しない

伊東乾
作曲家・指揮者 ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督
Q2. 「3 - あまり評価しない」の回答理由
情緒に訴え「鑑賞するもの」としてのテレビ番組にはなってしまうと、今後に向けて再発防止など、具体的な知恵や力につながる番組にはならない。
 東日本大震災ー福島第一原発事故に関して本質的に問わねばならない問題は、日本のガバナンス不在、とくに前例尊重と無原則な現場のなし崩し状態と考えている。(ちなみに東京大学ではその観点から3.11シンポジウムを開催する。)

 本来は丁寧に一つ一つ対策を立て、情報を社会に周知してゆくべきもの。そうしたテレビ放送が民放NHK問わずオンエアされるのをほぼまったく見ない。情緒に訴え「鑑賞するもの」としてのテレビ番組にはなってしまうと、今後に向けて再発防止など、具体的な知恵や力につながる番組にはならない。
Q3. コメントする
対岸の出来事的にエピソードとして「記憶」しても、また必ず襲ってくる地震や津波に備える力などになりようがない。こうした観点から見るとき、評価できない番組が結果的に多くなってしまう。社会でマスメディアが果たすべき役割を本質的に再検討すべき問題だと私は考える。
 
 
南淵明宏
医療法人社団 冠心会 大崎病院 東京ハートセンター  心臓外科医
Q2. 「3 - あまり評価しない」の回答理由
本質の問題をひた隠しにて権力者や政権、既得権益保持者や奸僚に迎合する報道しか為されていない体たらくぶりは犯罪的である!
結局強いものには服従、文句を言わず権力者に盲従するだけの衆愚を育成しようとする権力構造に迎合する情けないメディアの「作られた」報道に終止していると思う。メディア人が自認するように、結局映像は作り物でしかない。そこから伝わるメッセージは、伝えようとしたメッセージ、すなわちやらせのドラマに過ぎないのだが、そこにさらに悪辣で幼稚な茶番が加わっていると某国営放送の場合、あえて酷評したい。
佐村河内守氏のドキュメンタリーはその氷山の一角であろう。
そんな茶番で結局のところのバカげた自然破壊堤防建設で既得権益保持者が潤う三文芝居や、これだけ原発事故で被害を受けた人がいて、恨み辛みで充満した日々を送り、今なお不透明な原発事故現場の今後の処理の行方など、あえてメディアによってしっかりと隠蔽されている。
国民をなめるのもいい加減にしろ!と言いたい。
社長率先のペンキを掛け合うパフォーマンスもいいが、自分たちの影響力の大きさを自覚してしっかり報道すべきは報道してほしい。
キノコ、イノシシ、ミルクが高濃度放射能物質の蓄積食材の御三家ということだが、そんな放射能の悪影響が一番顕著なのがメディアだ。
Q3. コメントする
まず風化を防ぐという、前提、固定された条件には震災がまるで静止した物体であるかの決めつけがある。この程度の知能しか持ち備えていない報道機関に我が国の中枢部分の大脳機能活動の稚拙さ、レベルの低さを痛切に感じ、暗澹たる気持ちになってしまう。またそこには衆愚、つまりテレビを見ている国民はすべからくアホで、何も考える力はなく、また記憶力もない、といった決めつけがある。これこそ傲慢メディアの真骨頂とも言えるアホ-マンスだ。メディアは勝手に風化という現象を造り上げ、またそれがあたかも現存し、信仰しているかのような刷り込みをするつもりなのだ。社会はもって動的で蟻、賢明であり、知恵もある。世間一般の我々を勝手に「アホ」と決めつけるメディアにもはや存在価値はない。原発の機器を当初から訴える人達を黙殺してきたのは他ならぬメディアだ。原発もそうだったし、地震もそうだ。第一回祇園祭の年に起こった貞観地震と巨大津波は東北大の今村文彦先生を始め、数多の研究者が警鐘を鳴らしてきた。この私ですらその記事を震災の数年前に週刊現代の連載コラムに載せたのだが、けっこう反響は大きかった。
私のコラムは他愛のないものだったが、思い返せば、「津波は波ではなく、大量の海水の移動、と言う表現で、波打ち際の海水が単振動しているに過ぎない波と混同してしまう日本人(tsunamiの語源の国だから)の不運さ」を指摘した。
prospectiveにもretrospectiveにも震災や原発事故は社会でしっかりと認識されているであって、よしもと芸人が席巻する社屋がすなわち「世界」だと勘違いしている全くの世間知らずの低俗迎合無理解不勉強メディアどもにはもともと社会の本質を予断なく理解して報道する能力などポテンシャルとして一切存在しないと言う事実をこの際しっかり自覚せよ!
 
 
本田宏
医療制度研究会副理事長
Q2. 「3 - あまり評価しない」の回答理由
 先の雪害の最中でさえも、テレビは冬期五輪など華々しい分野を優先して報道。日本がどのようにして大震災の避難民を救うのか、さらに原発事故の収束を計るのか、世界が注目している。国民の命を最優先にすべきという視点がテレビに欠けている。
 先の雪害の最中でさえも、テレビは冬期五輪など華々しい分野を優先して報道。日本がどのようにして大震災の避難民を救うのか、さらに原発事故の収束を計るのか、世界が注目している。国民の命を最優先にすべきという視点がテレビに欠けている。
Q3. コメントする
 何故復旧が進まないのか、何故原発事故が収束しないのか、問題は現場にあるはず。「継続的」な「現場に即した報道」で、行われている政策の問題を明らかにして、建設的対応が可能となる道標を示してほしい。
 
 
潮匡人
国際安全保障学者,拓殖大学客員教授
Q2. 「3 - あまり評価しない」の回答理由
3月11日、民放キー各局は夕方や夜のニュース番組で「震災3年」を特集した一方(BSフジを除き)ゴールデン枠にはバラエティー番組などが並んだ。ゴールデンこそ震災を特集すべきでは? 他方、NHKはプライム枠で特集ドラマを放送。なかで東京消防庁の救助活動を再現したが、画面に自衛隊の姿はなかった。救助総数の約7割が自衛隊による救助数であった以上、公正な姿勢とは評し得ない。他局を含め、自衛隊の活躍を正当に報じた番組は少ない。テレビの中の自衛隊はいまも日陰者なのか・・・。
Q3. コメントする
「あの日」の映像を繰り返した番組も多かったが、そうした報道は、逆に意識の風化を招くのでは? 視聴者の理性や知性ではなく、情緒や感情に訴えかける編集も目立った。道路状況など復旧が進んだ側面と、そうでない側面。あるいは復興が進んだ地域と、まだまだの地域などが、ひと目でわかる映像や番組がもっと、あってもよかったのではないか。来年の3・11はどうなるのか、再来年は?・・・そうしたシミュレーション企画があってもよかったのでは?
 
 
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4. 評価しない

小幡績
慶應義塾大学ビジネススクール准教授
Q2. 「4 - 評価しない 」の回答理由
テレビは報道するべきでない。
所詮、被害にあった人以外は他人事。被災していなくても他人事でない人たちは、テレビなどを見ずとも、震災とそれぞれの範囲で向き合い、かかわっている。

テレビが無理に風化を止めようとするのは意味がなく、逆効果。テレビを見てだけ心を痛める偽善者たちが、それで自己満足するのを助けるだけだ。
Q3. コメントする
情緒的な報道は一切するべきでない。情報や出来事は淡々と伝えればよい。
 
 
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5. その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)

原田曜平
博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー
Q2. 「5 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
問3のみ回答します。
Q3. コメントする
被災地の方のご困難が続く中、報道機関も他地域の人々も、徐々に震災への意識が
薄れてきているように感じています。しかし、この震災の経験は、日本の一地域だけで
済ませるのではなく、世界共有の知の遺産にしていくべきだと思います。
年々、日本に来る外国人居住者や旅行者が増えていますし、東京オリンピックまで更
に増えていくと思います。よって、日本人だけに伝えようとする報道姿勢から、日本
に来る外国人を通して、世界に伝え続けようとする報道姿勢が求められるべきだと思
います。
 
 
坂野尚子
株式会社ノンストレス社長
Q2. 「5 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
明日11日の特番等を見ていないのでその他にしました。
Q3. コメントする
テレビ映像は、皆の「遺構」になるべきです。
あのショッキングな画面は何にも代え難く、津波の恐ろしさを伝承します。

また、現地からの生中継はどこの局でもやるところですが、一人の人や家族にフォーカスする断片的なものを積み重ねて、全体像を浮き彫りに、3年の年月の流れと現在できていること、できていないことを鮮明にしていただきたいです。特に一般にはわからない行政の復興の問題点、復興助成金の法律的問題など焦点をあてていただけたら。その上であるべき道がある程度掘り下げられたらと思います。
 
 
石澤靖治
学習院女子大学長
Q2. 「5 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
 テレビを批評する立場で大変申し訳ないが、テレビを見られなかった。
Q3. コメントする
 私は3月10、11日に出張で神戸、大阪にいた。阪神淡路大震災は19年前に起きたが、いまでは忘れ去られてしまっているという感じを現地で強くもった。しかし神戸で人々が現在の状況を語るときに、いまでも当時の出来事から話が始まることが多い。
 現在は大地震といえば、東日本大震災ということになっている。だがこれから首都直下型地震、東南海沖地震が起きることが予想される中で、この次に大地震あるいは大災害が起きた場合、東日本大震災や被災地、被災者はどのように扱われるようになるのだろうか。今回の報道の各社の努力は評価する。ただそのような気持ちになって仕方なかった。なお、私は関西の出身ではなく東北の出身者である。
 
 
 
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