初の「ネット選挙」への評価とこれから
《参考情報》
第23回参議院選挙の投開票が21日行われました。
政党、候補者の選挙運動にインターネットの利用が認められた
初の選挙ということが話題となっていましたが、全国の投票率は、
総務省の調査で、52.61%と3年前に行われた前回の参院選よりも、
5.31ポイント低下したと発表されています。
20日時点おける警視庁の発表によると、「ネット選挙」における、
なりすましやホームページの改ざんの摘発は0件、警告は23件と
発表されています。この内訳は、ホームページやブログへの書き込みが10件、
ツイッターなどソーシャル・ネットワーキング・サービスへの書き込みが5件、
候補者以外の人物によるメール送信が8件とされています。
FNN(フジニュースネットワーク)と産経新聞社が13、14両日に
実施した合同世論調査では、参院選の投票でネット上の情報を「参考にする」
との回答が31.0%、一方、「参考にしない」は65.1%という結果となっているほか、
共同通信社による出口調査でも、「参考にした」が10.2%、「参考にしなかった」が
86.1%という結果となっています。
「ネット選挙」によって投票率が上昇することもなく、ネット上の情報が
投票行動に大きな影響を与えたとは言えないようです。
一方、誹謗中傷やデマ、なりすまし等も散見され、投票に影響を与えた
とする報道も一部で伝えられています。
今回の「ネット選挙」をどう捉えるか?そして、今後の可能性について、
どうかご意見をお寄せいただけますようお願い申し上げます。
※コンパスで掲載された全ての意見・回答は各氏個人の意見であり、各氏所属の団体・組織の意見・方針ではありません。
Q1:今回の参院選における「ネット選挙」の解禁で、ネットは選挙におけるメディアとして有効に活用されたと思いますか?
Q2:問1の回答理由をお聞かせください。
従来のメディアと比較した「ネット選挙」の評価も合わせてお聞かせください。
Q3:「ネット選挙」の課題とこれからの活用について、ご意見をお聞かせください。
( 17件 )
1. 有効に活用されたと思う
Q2. 「1 - 有効に活用されたと思う」の回答理由
今回の選挙の特徴などから投票行動への影響は限定されたが、情報量の増大や情報の質の変化など、有効とされる傾向もみられた。
まず効果という場合は、投票行動に影響を与えることばかりが議論されるが、それだけではなく単に情報量が増加してことも効果として認識されるべきである。したがって、情報量が増加したという点で、今回のネット選挙運動の解禁は評価されるべきものである。
2つ目の効果は、従来メディアからの情報は、政党や候補者の生の情報ではない。メディアが編集したものであるので、言い過ぎかもしれないがバイアスやンメディアの評価が含まれている。ネット選挙運動では、正当や候補者の生の情報が有権者に直接伝えられるので、情報の質という観点でも今までの選挙情報とは異なることが予想される。
また、ネット利用者にとっては上記のような理由から、政治がより身近なものに感じられるという効果もしょうs字ていることが予想される。
上記のような観点から、私はネット選挙運動の解禁を高く評価するものである。
投票行動への影響については、周知期間の短さなどから政党や候補者が戦略を練る時間がなかったし、有権者もネット選挙運動を利用する方法に対する「覚悟」を決める時間も足りなかったと思う。また、選挙戦自体が、与野党の対立争点が明確になれば、ネット上で議論が巻き起こるなどのネット討論が生じたと思われるが、今回の選挙に関してはそうしたこともなく、選挙の状況による影響もあったと思われる。
今後、選挙運動が定着していくにつれて、若者への影響や投票行動への影響が期待できると思われる。
Q3. コメントする
今後は、政治活動への利用も増えるようになり、政治情報伝達ツールとしてタイ着してくることが期待される。送る側は一括送信などの従来の者より容易に発信できるし、受け取る側も時間と場所を選ばずに入手できるという利点がある。何よりも、今まではミニ集会などのようなフェイス ツ フェイスでしか有権者の意見を聴取できず、あるいは政治家の生の声を聴くことができなかった状況が一挙に改善される。
このような双方向通信を含めた政治情報の伝達と政治に対する理解が深まることが期待される。
もちろん利用が定着することを通じて、一方では成りすましや誹謗中傷も増加するであろうが、これは政治のコストとしてその都度対処すべきもので、ネット選挙運動の規制を促すものではないと思う。
Q2. 「1 - 有効に活用されたと思う」の回答理由
各政党や候補者の発信した情報というより、ツイッターやフェイスブック等のSNSを通じて流れた、大手メディアでは取り上げにくい情報が大変有用だった。古来より大手メディアは為政者やスポンサーとなる経済界の意向に沿う情報発信が常。その意味で情報源の多様性が確保できる時代となったことは喜ばしい。
各政党や候補者の発信した情報というより、ツイッターやフェイスブック等のSNSを通じて流れた、大手メディアでは取り上げにくい情報が大変有用だった。古来より大手メディアは為政者やスポンサーとなる経済界の意向に沿う情報発信が常。その意味で情報源の多様性が確保できる時代となったことは喜ばしい。
Q3. コメントする
ネット選挙の課題、それは第一に国民のメディアリテラシーがどれだけ高まるかという問題がある。ある統計によると日本人の70%は大手メディアを信じる傾向があり、これが英国では15%、独・仏等でも30%台と聞く。どれだけ情報が豊かになっても、それを咀嚼して自分のものにする能力が不可欠。初等教育から情報の吟味の仕方等の教育が必要な時代だ。
第二には、政治資金の大小によって、情報発信能力に差が出る恐れだ。しかしSNSの発達で金の多寡にかかわらず情報発信が可能となったことは幸いである。
Q2. 「1 - 有効に活用されたと思う」の回答理由
初めてのネット選挙としてはそれなりの成果を納め、無事に終了した
候補者のなかには、タブレット、スマートフォンをフルに活用している候補者がいた。ツイッター、フェースブックなどを活用して、移動する車のなかから有権者に自分の考えを発信していた。迅速に生の声を有権者に発信することができたのである。有権者の意識が変わりやすいという現代社会の特徴を考えると、「迅速に」「直接的に」有権者に語りかけるというネット選挙は、間違っていないと思う。自分自身も候補者の政策や、候補者の演説日程などをインターネットで確認することができた。今後の課題はたくさんあるが、ネット選挙元年としては、まあまあの成果があったのではないか。
Q3. コメントする
予想したよりは、ネット選挙に絡む犯罪は少なかった。なりすましやホームページの改ざんの摘発は0件、警告は23件だったそうだ。ホームページやブログへの書き込みが10件、ツイッターなどソーシャル・ネットワーキング・サービスへの書き込みが5件、候補者以外の人物によるメール送信が8件だったということだ。日本社会では、電車のなか、ホームの上、喫茶店、食堂、会議場でたくさんの人々がネットを楽しんでいる。ネットを利用している人々が急速に増えていることを考えると、ネット選挙に絡む違反行為の数は少ないとみるべきだろう。
今後は、ネット選挙に絡む違反は犯罪であることを徹底して、便利な道具を正しく使うことにより、参政権をスムーズに行使できることを広報してゆくことが大切ではないだろうか。現代社会はネットを利用した「なりすまし」や、誹謗中傷の書き込みには弱い。違反行為への対策もしっかりしてゆくことが大事だと思う。
原田曜平
博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー
Q2. 「1 - 有効に活用されたと思う」の回答理由
有効に、と言いますか、正確に言うと、ネット選挙はこれ以上でもこれ以下で
もない、と思っています。
今回の選挙で、多くのメディアや評論家が、ネット選挙にやや過剰に期待を持ち過
ぎていたように思います。
投票率が大幅に上がる、と予言されていた方も多かったように思いますが、結果的
には見ての通りです。
今回の選挙の前に、私はコンパスにおいて、以下のようなコメントをしています。
私が申し上げたいことを要約すると、
1、ソーシャルメディアを最も使っている層は若年層なので、高齢者の人口ボリュー
ムが多い日本においては、ネット選挙を解禁しても、選挙結果の大勢に大きな影響はない。
2、ソーシャルメディアを最も使っている若年層の多くは、ソーシャルメディアに
よって、顔見知りのお友達と常時接続してコミュニケーションしているだけで、
お友達の近況報告しか情報として入ってこないので、
多くの若者に政治情報が入り辛い状況は、ネット選挙が解禁されても、解禁される
前とほぼ変わらないので、
選挙の大勢(例えば投票率など)に影響はない(もちろん、もともと政治に関心が
高い層にとっては、たくさんの
情報源を得られる絶好の機会になったと思いますが、若者の間では決してマジョリ
ティではありません)。
という2点です。
http://www.fujitv.co.jp/compass/view_82.html#Aharada
今回の選挙は、まさにこの予想通りの結果になったと思います。
Q3. コメントする
課題は、「ネット選挙」そのものにあるのではなく、少なくとも、こと「若
者」という観点で言えば、「若者の政治離れ」
そのものにあると思います。繰り返しになりますが、もともと政治に関心の高かっ
た若者にとっては、より深く政治情報を
得られる絶好の機会になったと思いますが、若者のマジョリティにとっては、前述
した通り、あまり影響があるわけではありません。
つまり、ネット選挙によって、この課題(若者の政治離れ)を本質的に解決するこ
とができるわけではありません。インターネットとは、
そもそも、自分の知りたい情報のみ入ってくる主体的なメディアなので、その特性
を無視し、過剰に期待し過ぎるのは、
問題の根本的な解決につながり難いと思います。
教育の場において、若者の政治意識を高める施策を取り入れるなど、そもそもの本
質的な問題を本質的な手法で解決した後に、
はじめて、「ネット選挙」は機能していくのだと思います。
南淵明宏
医療法人社団 冠心会 大崎病院 東京ハートセンター 心臓外科医
Q2. 「1 - 有効に活用されたと思う」の回答理由
pervasive ubiquitous comminicationの便利なツールとしてネット端末を便利に活用した人もいるだろうが、ネットは所詮、道具だ。ものごとの本質は変わらない、というか変えられない。
従来のメディアに変わってネットが登場したわけではなく、もともとネットに日常慣れ親しんでいる人に対しても他の数多あるバナー広告同様に当然の情報として選挙情報が入り込んできただけで、そういう「空気」というか「大気」が漂ったのでたまたまそこにいた人たちが「呼吸した」という現象に過ぎない。選挙におけるネット、に新たな役割を見出そうとするメディアや新しいコンテンツ・ビジネスを発掘しようとする狡猾な人々にとっては、今後も飯の種にはなり得ないだろう。
テレビでは徳島の民主の候補や広島の維新の候補さんのネットを活用した善戦ぶりが紹介されていた。そういう流れからすると「山本太郎さんが今回当選したのはネット選挙のお蔭だ」という分析をメディアや飼い犬コメンテーターはでっち上げて賞味期限三日間のネタにしたいのだろうが、本質はそんなものではない。便利なツールであろうとは思うが、それ以上の何物でもない。
Q3. コメントする
ネットも何も、野党が選挙後に醜態を衆目に顕にし消滅の危機に瀕している。巨人だけでプロ野球が成立しないのと同様、国会自体もその存在価値を失いつつある。一党独裁の新局面だ。メディアのネタもなくなり、政治部は記者クラブのただの使い走りに身をやつすしなかない。遺されたメディアのネタは「お笑い」と「誰やそいつ!?」的な「C級芸能人スキャンダル」しかなくなるだろう。
2. 有効に活用されたと思わない
中津孝司
大阪商業大学総合経営学部教授,国際問題評論家
Q2. 「2 - 有効に活用されたと思わない」の回答理由
今後、何度か試みを重ねていくうちにネット選挙が洗練されていくのではないか。
初めての取り組みであっただけに発信者、受信者双方に戸惑いがあったことは事実だろう。しかし、今回の結果だけでネット選挙の有効性を診断するのは尚早ではないか。今後、回数を重ねていくことで使い方が洗練されていくと思う。
Q3. コメントする
国政選挙よりもむしろ地方選挙でネット選挙の長所が発揮されていくと思う。まずは送信者が創意工夫することが大切だろう。
Q2. 「2 - 有効に活用されたと思わない」の回答理由
そもそも争点が明確でなく、自民圧勝の流れもはっきりしていたので、ネットを駆使しても、ムーブメントを起こしにくい状況があった。ここ数回の、ドラスティックな変化があった衆院選だったら、もう少しは影響力を発揮したかもしれない。いずれにせよ、政党・候補者や有権者にとって、まだまだ試行錯誤段階だったといえよう。
Q3. コメントする
選挙は商品購入と同じとはいえないけど、商品の情報を知るだけでなく、そこですぐに購入できる便利さが魅力なわけで、やはり、ネットによる投票が可能になれば、その役割・影響力は大きく変わってくるだろう。
今までは、ネット=若者メディアということで、自民党や基礎票の固い公明党や共産党が抵抗してきたかもしないが、今回の選挙で、必ずしも、その図式が当てはまらないことが証明され、全党で検討できる可能性が生まれてきたはずである。
村沢義久
合同会社Xパワー代表/
環境経営コンサルタント
Q2. 「2 - 有効に活用されたと思わない」の回答理由
ネットは万能ではなく、情報発信・情報交換の手段でしかない。「ネット選挙」でメリットを得るためには、有権者の共感を得る内容のある情報を発信する必要がある。今回は、多くの候補者が「ただネットを使った」というだけだったのではないか。
「ネット選挙」を候補者のメリットに結びつけるには3つのステップがある。1.ネットで対話、2.共感、3.投票。
始まったばかりの今回は、多くの候補者がまだ、1.のステップにいたのではないか。次のステップは2.共感を得る、だが、そのためには、結局は、発信する内容だと思う。
意味のない空虚な情報を発信して、落選したからと言って、ネットに責任ではない。
Q3. コメントする
今後とも続けていけば、政治活動における重要なキャンペーン手段になると思う。ただし、演説や対話など、「顔を見せる」行動の重要さは減らない。
Q2. 「2 - 有効に活用されたと思わない」の回答理由
多くの候補者が、TwitterやFacebookを利用した選挙活動を展開したが、与野党問わず、実質的にネットを有効活用した候補者は少ない。多くが、街頭演説の予定その他を告知するだけの「ネット選挙」に終始した。ネットの特性を生かした発信や、ネット上での政策論争も、ほとんど見られなかった。
Q3. コメントする
先ずは、候補者本人が、ネット環境に習熟すべき。パソコンすら使えない政治家が、ネット上での発信を秘書などに丸投げしている。「ブログ更新しました」といった、訴求力に乏しいtweetやFB投稿も多い。こうした現状が続くなら、ネット選挙の未来はない。
伊東乾
作曲家・指揮者 ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督
Q2. 「2 - 有効に活用されたと思わない」の回答理由
インターネットが旧来のメディアともっとも際立って持つ筈の特長は「双方向性」のコミュニケーションだが、それが生かされた選挙とはまったくいいがたい今回の参院選であったと思う。
インターネットが旧来のメディアともっとも際立って持つ筈の特長は「双方向性」のコミュニケーションだが、それが生かされた選挙とはまったくいいがたい今回の参院選であったと思う。
Q3. コメントする
インターネットの特長を生かした民主的な政治のあり方の根本から問うのが本来あるべきアプローチ。その中から自然に選挙時のネット活用の可能性が開かれてくるのに他ならない。
Q2. 「2 - 有効に活用されたと思わない」の回答理由
初めての「ネット選挙」で、政党・候補者の側も、有権者の側も、ネット活用の「ハウ・ツー」が明らかに未成熟だった。合わせて政権与党が争点を経済(アベノミクス、とかいうもの)に絞り、政党間・候補者間の論争が全く盛り上がらなかった。というより、民主党を筆頭とする野党の埋没によって自民党の圧倒的優位がメディアにあふれる中、自民は悩ましい、国論を二分するかも知れない、原発や憲法、東アジア外交などの争点を意図的に避けた。これではネット選挙解禁となったとは言え、盛り上がるはずがない。
ネットは従来のメディアと比較し評価するには、あまりにも歴史が違いすぎるが、少なくとも、今回の選挙は、重要争点が排除されたまま展開され、投票率も上がらず、予想通りの選挙結果を見ると、ネットがあったならではの、成果は基本的に見当たらない。
Q3. コメントする
アメリカでは、2大政党対立の中で、大統領選挙は言うに及ばず、どんな地方選挙でも「舌戦」を戦わして、ネット選挙が国民的行事のように盛り上がる。その点、日本はというと、巨大政権党が1つだけあって、後は小さな政党がパラパラと点在していて、ムード先行で与党支持者が増えて、それでいて重要課題に関する論争は一切、無いままに分かり切った状況(選挙結果)が続くだろう(とりあえずは、この後3年、自民党に何をされても有権者は反論出来ない)ネット選挙の課題云々以前に、日本の民主主義そのものの課題を議論しなければならないのではないだろうか。
二大政党の体制があり、最重要課題を恐れず有耶無耶にせず、真っ向から戦わす政治家がいて、従来のメディアは、国民の立場で報じ、国民を育てる文化があってはじめて、その相乗効果の中で質の良いネット選挙含むネット文化が育つのであって、そうでない限り、ただの質の悪いメディアが一つ世の中に加わるに過ぎない。
合せて、どこの立場でネット選挙の有効性かを明確にする必要がある。政治家の立場から仮に「有効活用」出来たという答えが聞こえたにしても、そこには質の良い民意が反映されていない限り、ネットも言わずして政治家に悪用されているということを見逃してはならない。
3. どちらでもない
Q2. 「3 - どちらでもない」の回答理由
今回が最初なので、こんなものではないかというのが、率直な感想である。私の論点は3つである。
1.ネット選挙は、マストである
講演の開催予定、政治家の人柄・政策を見えやすくすること、批判やデマに対する反論できる環境づくり、候補者と有権者の距離を短くすることなどの観点で、ネット選挙はマストである。それを実行したという意義は大きい。
2.ネットの「活用」はまだまだこれからである
どの候補者も様子見だったというのが率直なところだ。一部、ニコ生やUST、YouTubeを有効活用したり、毎日Twitterで想いを伝えた者もいたが、こんなものである。せいぜい、演説の告知程度だった(全部をウォッチできていなかったのでわからない)。
3.ネット選挙が、日本の政治、というか選挙の問題を可視化させたことは大きい
結局のところ、選挙区なども含めた制度、支持母体、党内の権力、空気などで決まるということを再確認。
政策の違いは以前よりわかりやすくなったが、そもそも違いがあったのか、いつまでそう主張するのかなど疑問点をあぶりだした意義は大きい。
楽しいゲームもどきや、ゆるキャラの登場などもあり、それはどうなのかという話になったが、もともとの選挙が所詮、政策の違いではなく、人柄だったり、前述したようなことで決まるのだから、しょうがない。
ネット選挙を支援するための比較サイトなどもまだまだ未成熟だったと思う。
最初なのだから、しょうがないといえば、しょうがない。そもそも、ネットで何か言えるのが大きな前進。むしろ、日本の政治の問題点を再確認できた点は評価するべき。
Q3. コメントする
まずは、今回の選挙についての客観的な振り返りをするべきだろう。ネット選挙で世界が変わるなんて煽っていた外野の人ほど(私も含め)、徹底的に振り返りをするべし。期待ほどじゃなかったにしろ、前進はあるはずである。関係者には使えるレポートの作成を期待したい。
政治家は、ややせこいようだが、ネット選挙での勝ち方を徹底的に研究してほしい。これにより、有権者の実態や期待がより分かるはずである。
そもそもの選挙制度なども見直しこそ行うべきである。
Q2. 「3 - どちらでもない」の回答理由
まだまだ黎明期である。何が良く何がいけないのかが今一つ一般的にわかりにくかったと思う。
もう少しクリアにすべきであろう。
Q3. コメントする
今回はネット広報選挙のスタートで、ネットで投票できる選挙ではない。投票率をあげるためには、特に若い人の投票率を上げるためには、今後、投票案内用紙にパスワードとIDを掲載するなど、ネットで投票できる仕組みを考えていくべきであろう。
浜辺陽一郎
青山学院大学大学院法務研究科(法科大学院) 教授,弁護士
Q2. 「3 - どちらでもない」の回答理由
世論調査の結果は、きわめて健全な反応であると評価でき、選挙におけるメディアとしては、とりあえずは、こんなもの。
まだまだ試行錯誤の段階。
選挙期間中に、インターネットによる発信・議論ができるようになったこと自体は良い。それを一部参考にすることもありえよう。
しかし、他方においてわかりにくい規制もあり、自由に議論できるという感じでもない。
他方において、怪しげなメールも飛び交うことから、元々ネット社会そのものの不透明さから、ネット情報に依存することは危険である。
その意味で、世論調査の結果は、きわめて健全な反応であると評価でき、選挙におけるメディアとしては、とりあえずは、こんなものだといえよう。
Q3. コメントする
情報であふれているなかで、どれを、どう選択するのかが、市民にはわかりにくくなっている。
大手メディアのような権威もなければ、編集者がいるとも限らないし、整理されてもいないネット情報は、それを読む側からすると、どのように選択してよいのかが分かりにくい。
結局、読み手が積極的に関心のあるテーマを探して、読みたいものを見つけるという形にならざるをえないので、一般市民のネット社会におけるリテラシーと利用の仕方次第だということになるのではないか。
また、メディアがいくら素晴らしくても、政治的な議論そのものがつまらないものであるとか、議論のレベルが低いということでは、本末転倒である。
本来は、密度の濃い情報を安価に広く共有できるメリットを活かすには、根本的な政治そのものの議論の質を高め、国民の関心を高めることこそが本質的な課題なのではないか。
ただ、現行の規制の分かりにくさは、少しでもわかりやすく納得のいくものにしていく必要があり、選挙運動のあり方全体の中で再検討すべきだろう。
Q2. 「3 - どちらでもない」の回答理由
一部有効利活用した候補や政党があったが、限定的であった。
初めてのネット選挙に戸惑い、手探り状態で終始してしまった。
ネット選挙の規制範囲及び許容範囲等の周知不足も要因の一つ。
今回は初回でもあり、有効に活用した一部政党や候補者もいたが、それも限定的であった。候補者および有権者はそれぞれが何をどこまでやっていいのか、言っていいのか、反発やネガティブへの警戒もあり、手探りのネット選挙に終始した。とくにSNSによる拡散の規制・許容範囲が周知浸透されていなかったことにより、拡散すると選挙違反に問われるのではないかと思っていた人も多く、盛り上がりに欠けた。利用の仕方によっては良くも悪くも将来は強力な選挙ツールになることは間違いない。
Q3. コメントする
候補者や政党は公示から投票日前日までの短期間でネットを利活用するのではなく、日ごろのネット利活用が大切である。当選した神奈川選挙区の松沢成文候補は自分が進めたい政策をメールやホームページで丁寧に、そしてまじめに繰り返し説明していて好感を持たれていた。ネット選挙は短期間で名前を連呼したり美辞麗句を並べ投票を依頼するツールというより、政策や課題別に自分の考えを丁寧に説明するために力を発揮するメディアである。もうすでに次の選挙に向けてネット選挙は始まっている。
4. その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)
Q2. 「4 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
それなりに。解禁が中途半端。ネット選挙運動解禁だ。
ビラ、はがきなどをなくせば、いよいよネット選挙運動の解禁だ。
全国区で7万枚のポスターを張るってどういうこと。
ポスターの代わりにネットでチラシを送るということで、ネット使用が充実する。
ネットで投票ができれば、もっと投票率もいいはず。
Q3. コメントする
10年後15年後はネット選挙が中心になるのではないか。
若い世代は現在テレビを見るようにネットが当たり前。少しずつ移行するだろう。
今回は行政も試験的な解禁だったように思う。
Q2. 「4 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
ネットの選挙運動が当初目指した効果、例えば、若い人が政治や選挙に関心をもつなど、については大したことはなかったと思います。
政治や選挙のうねりは、なんといっても、魅力的な政治家が出現するか、政治が大きく変わってほしいといった有権者の切実な願いからもたらされるものだからです。今回は、与党が圧勝するであろうという予測があったし、人々は選挙でガラッと変わることを求めず、安定を欲したのだと思います。
しかし、では、ネットの選挙運動が新しい形の選挙に貢献しなかったかといえば、それは違うかもしれません。政党や、ある種の政治家にとっては、大変有用なツールだったのではないかと考えます。
ブログやツイッタ―から、演説に集まった有権者の期待や不満を読みとり、それを分析して力を入れる政策に生かしたり、また、優秀なボランティアを集め、その組織化に使ったり、といったことに、ネットの選挙運動は役に立ったと言えるのかもしれません。それは、つまるところ、資金とネットのノウハウを持つ政党なり、候補者が優位に立てたということでしょう。
かつての選挙では、「ぶれない」でマニュフェストに忠実なことが大事だったのが、今回は、揺れ動く聴衆のニーズに合わせて、演説なり政策なりを微調整していく、そんな臨機応変な選挙に、ネット選挙運動の威力が発揮されたように感じます。私には、それがいいことかどうかはわかりませんが。
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