2003年6月5日(木)放送 みどころ

#9 ソシュール「一般言語学講義」

対象同士を比較検証して、より良い結果を求めようという考え方、「それってマーケティングでしょ?」と現代に生きる社会人なら即答するかもしれませんが、そんなマーケティング理論の源となったのが構造主義という思想。20世紀後半から21世紀の現在まで思想界の王座に君臨しつづけるチャンピオンであり、実は密かに我々の行動や生活にも影響を及ぼしている思想なのである。
その始祖とされているのがスイスの言語学者ソシュール「一般言語学講義」という書物。内容の難解さに加え、言語の成立を研究したこの本が構造主義に到達したことを説明するのは長い長い旅行に出るようなもの。さぁ、我々と共に旅に出ようではありませんか、駅弁を携えて!
※おことわり…本文章の後半、雰囲気と勢いだけでまとめられていますが、これはテキスト担当者の理解力不足に起因するものであり、番組ではテーマ本を駅弁に喩え、わかりやすく説明する構成になっております。

<豆知識>
●ソシュールは自らの言語学を本にすることを拒んでいた。が、ソシュール死後、熱心な(もしくは師匠の教えを守らない)弟子達が講義録をまとめ「一般言語学講義」が出来上がった。内容のチェックを誰がやったのか、ということよりも印税は誰が受け取ったのか、の方が気になる。
●言語学界では若くして天才として一目置かれていたソシュールだが、言語研究にのめりこみ過ぎて、晩年は火星人の言葉まで研究していた。天才のやることはわからない。

キャスト

本の案内人:白井晃
「ドドメ色トメ子」でなくてホッとする男:石井正則
「秋山実希」と名乗る女:秋山実希
ナレーター:服部潤

スタッフ

構成:山名宏和
ディレクター:三木康一郎

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