2003年7月3日(木)放送 みどころ

#13 “時計”で読み解く、アダム・スミスの「国富論」

産業革命を目前に控えた18世紀イギリス、経済ビックバンに向けたお膳立てが揃いながらも、その心構えを見つけられないでいた政治家や経営者に、一筋の光明が差し込んだ。それが自由主義経済のあり方を提示した書、アダム・スミス「国富論」である。今日の高度経済社会を導き、我々の生活を裕福にした本書を貧困な発想(産業革命=歯車がグルグル回る+見えざる手=腕時計)で読み解く今回。「国富論」の解説は当然ながら、番組を覆う異常な緊張感(借用した腕時計にキズ一つでスタッフが数ヶ月タダ働き)をお楽しみください。

<豆知識>
●スミスの言葉として「神の見えざる手」が有名だが、スミスの言葉に「神の」はない。また、スミスは道徳感情論という著作もある倫理感の強い人物で、自由主義経済とイコールで考えられがちな弱肉強食の世界に対して批判的だった。
●「経済学の父」アダム・スミス以前には、経済学の元となる家政術(オイコノミクス)という学問があったらしい。もしスミスがいなければ、現在、全国各地にある「〇〇経済大学」という学校は、「〇〇家政大学」となっていたハズで、MBA取得よりも料理研究家を目指す学生が増えていたかも知れない。

スタッフ

構成:山名宏和
ディレクター:三木康一郎

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