2003年6月26日(木)放送 みどころ

#12 “ペット”で読み解く、ヘーゲルの「精神現象学」

世界史を揺るがす大事件から犬も食わない痴話喧嘩まで、さらには多くの人命を奪う大惨事から足の小指を打つ程度の間抜けな失敗まで、とにかく世の中のありとあらゆる現象はテーゼ、アンチテーゼ、ジンテーゼの3つの要素の数珠つなぎで説明できると言い放った19世紀ドイツの哲学者ヘーゲル。彼の唱えた物事の捉え方「弁証法」は後の思想家たちに多大な影響を与え、時代を動かす原動力となったと言えるだろう。その弁証法を、如何に喩えるか、テーゼ(コレで喩えられるよね)→アンチテーゼ(でも、ちょっと違うんじゃないの)→ジンテーゼ(やっぱりアレで喩えようか)→テーゼ・・・と弁証法100%(堂々巡り?)な打合せを重ねた結果、ペット(犬)で喩えることになりました。

<豆知識>
●あらゆるものの説明に対応できる、トランプでいうところのジョーカーのような考え方・弁証法を唱えたおかげでヘーゲルは19世紀哲学界のチャンピオンとして君臨した。が、20世紀前半に、その王座はニーチェら実存主義者に奪われ、今は、それほど馴染みがない。
●普段はギスギスした人でもペット(ぬいぐるみやAIBOでも)の前では本当に笑顔になる。どなたか「このペットを出せば、ここまで怒らせても、瞬時に和ませることができる」というペットの怒り収拾効果を検証してみては、どうだろう?

キャスト

本の案内人:白井晃
読書界の寅さん:石井正則
今週のマドンナ:芦名星
ナレーター:服部潤

スタッフ

構成:山名宏和
ディレクター:沼尾純也

バックナンバー