第3回 2003年7月15日(火)放送 あらすじ

#3 優しい勇気

 小学校移転反対の署名運動はいっこうに盛り上がらない。そこで国光(押尾 学)は生徒会長選挙ではずみをつけようと考えた。すでに、5年1組の五木田守(土肥優真)が立候補している。守は成績優秀、スポーツ万能。加えてルックスも申し分なし。そして、父親はあの五木田市長(斉藤 暁)。
 小百合(吉岡美穂)と共に1組の教室をのぞいた国光はびっくりした。クラス一丸となって守への投票を呼びかけるメールを在校生に送信していた。一糸乱れぬ選挙運動は大人顔負けだ。「お金なんかかけずに幼稚な選挙でもやれとおっしゃるのですか?先生のクラスの候補者は骨のあるヤツにして下さい」。
 余裕たっぷりの守を国光は悔しそうににらみ返した。
 「お前ら、ここまでナメられっ放しで黙ってんのか!」。ところが3組の反国光派の生徒はもちろん、署名運動に協力してくれている浅見(松尾涼太)たちも諦らめ顔の最中、御手洗大(池田 仁)が立候補を表明した。勉強もスポーツもイマイチ。友達も少ないし、どちらかといえばイジメられやすいタイプ。「署名運動が盛り下がるよ」。クラスメートの評判は散々だ。
 国光は御手洗に立候補の理由を問いただした。御手洗は1年生の時から熱心に飼育小屋のチャボを世話していた。移転先の学校では飼育小屋は作らない。チャボは夏休みに処分される。移転を白紙撤回させてチャボを助けるために立候補したのだ。「お前、絶対途中で逃げださないか」「うん」「よし、うちのクラスの代表はお前で決まりだ」。御手洗は汚れた手でうれしそうに国光と握手した。
 国光はたまたま出会った桃絵(横山めぐみ)と舞(山内奈々)親子を坂上家に勝手に連れ帰って一緒に夕食。「きれいだ」。猿渡(マギー)は桃絵に一目ボレ。国光が御手洗の立候補を話すと、坂上(大杉 漣)は晋作(柳楽優弥)に協力を促すが、晋作は「父さんに言われたくないよ」と吐き捨てた。国光が首をかしげていると、晋作の姉、明日香(上原美佐)が教えてくれた。2人の母親は2年前に亡くなったが、坂上は重要な県議会の最中でその最期を看取ることができなかった。その時のわだかまりが晋作の中で消えないのだ。
 守の陣営は父親から出た金をバラまいて着実に票固めを進めていた。かたやこちらはポスター制作すらままならない。国光がいつもの海沿いの店でボヤいていると、見慣れぬ吾妻高明(古田新太)という客から話しかけられた。「どんなにポスターの写真がよくても、そこに真実の説得力がなければ客の心まではつかめん」。さらに吾妻は国光にナゾをかけた。「貼る場所だってそうだ。高速道路の壁に看板がないのはなぜだ?」。一方的にしゃべると呆気にとられる国光を残して、吾妻は店を出ていった。
 ひらめくものを感じた国光は佐和(伊東美咲)に御手洗のポスター撮影を頼んだ。「ありのままを撮るなら、報道やってる佐和ちゃんの出番だろ」。佐和が撮影したチャボの世話をしている御手洗の写真は好評だった。
 手作りポスターが完成したが、校内の目立つ場所にはすでに守のポスターが貼られていた。「目立ちゃいいってもんじゃない」。国光はトイレや洗面所に貼るよう指示した。しかも利用者の目線にあわせた高さに。高速道路に看板がないのは誰も見ている暇がないから。その逆転の発想で貼られた御手洗のポスターは生徒たちの注目を確実に集めだした。チャボを世話する姿からは御手洗の優しい人柄も伝わった。
 御手洗陣営は盛り上がった。そんな矢先、飼育小屋の中でチャボが死んでいた。「まさか登校拒否になったりしないよな」。みんなの不安は的中した。翌朝、御手洗の姿は教室になかった─。

キャスト

武藤国光(24) … 押尾 学
佐和真澄(25) … 伊東美咲
不破俊一(33) … 佐々木蔵之介
吉長小百合(24)… 吉岡美穂
坂上明日香(21)… 上原美佐
由良桃絵(34) … 横山めぐみ
坂上竜馬(50) … 大杉 漣

スタッフ

■原 作
 安童夕馬
■漫 画
 朝基まさし
 講談社「週刊少年マガジン」
 (好評連載中)
 講談社コミック
 (1~13巻 好評発売中)
■脚 本
 大石哲也
■プロデューサー
 重松圭一(関西テレビ)
 和田豊彦(AVEC)
■アソシエイトプロデューサー
 長部聡介(フジテレビ)
■演 出
 赤羽 博(AVEC)
 中島 悟(AVEC)
■制 作
 関西テレビ放送
 AVEC

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