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<第51回>
 黒岩支配人が悦美を騙したあげく、支払いのために金庫に用意してあった五百万円を持ち逃げする。清子が女将の株を抵当に銀行から融資を受け、その場を切り抜けるが、従業員たちの間に不安が広がる。
 悦美は黒岩の子を産むかどうか、迷っていた。はるは産んでほしいと願うが、大輔は反対。赤ん坊は不幸になるために生まれてくるようなものだと。
 旅人は嫌いな黒岩がいなくなり喜んでいた。そして、弟が欲しいから絶対に子どもを産んでほしい、と悦美に訴える。
 悦美は子どもを産む決心をする。
 が、そんなやさき、悦美は階段から落ちて流産してしまう。

<第52回>
 流産した悦美は、しばらく静養する。
 今まで社長派だった従業員たちは、清子の動向が気になるが、清子は過去のことにはこだわらず、今まで以上に頑張ってほしい、とみんなを励ます。
 天涯孤独で、人間不信だった大輔が、はるに愛を告白。はるも大輔を好きだったが、恋愛の対象としてではなく、弟のような存在だった。
 失望した大輔は、自分の可能性を試すため、前田のマグロ船に乗る決心をする。
 そして、大輔が少年院に入る原因となった「レイプ事件」の真相もわかる。大輔ははるの信じたとおり、素敵な心の持ち主だった。 まもなく、大輔は大海原へと旅立っていく。

<第53回>
 現金を持ち逃げした黒岩の在職中の悪事が明るみに出る。手形がらみの詐欺で旅館に百五十万円の損失を与える。清子は常吉に力を貸してもらって、苦境を乗り切る。
 休養していた悦美が、辞表を出す。一から勉強しなおすため、知り合いのいるカナダに渡り、現地のホテルで働くという。
 旅人はカナダ行きを嫌がる。はるや友達と別れたくなかった。
 はるは旅人を励まし、再会を約束する指切りをする。
 まもなく、悦美と旅人は土肥を去っていく。
はると清子は寂しさをこらえて、気持ちも新たに仕事に取り組む。引退した常吉が、支配人にカムバックする。

<第54回>
 悦美と旅人が去り、はるはなんだか気が抜けたようで、仕事でもつまらないミスをおかす。
 定子が仲居頭をはるに譲りたいと提案する。
が、このまま土肥に落ちつく決心がつかないはるは辞退する。そんなはるに、同僚のルミ子がスカウトの話を持ってくる。
 はるがみさき亭をやめるという噂が広がる。清子ははるに、ずっと自分の傍にいてほしいと訴える。
 そんなとき、山中で一緒に働いていたサクラが、突然、訪ねてくる。サクラは吾朗と結婚。二人で蕎麦屋をきりもりしていた。仲居たちはサクラが何をしにきたのか、興味津津。
 その夜、サクラがみさき亭で働きたいと言いだす。

<第55回>
 サクラは店の借金のために出稼ぎに出たことを打ち明ける。はるは清子に頼んで、サクラをみさき亭で雇ってもらう。
 そこへ、吾朗からはるに電話がかかってくる。サクラが家出した、と電話の向こうで泣き始める。
 はるは嘘をついたサクラを咎め、山中へ帰るよう説得する。
堂ケ島のホテルの支配人秋山がみさき亭に乗り込んでくる。はるをスカウトしたい秋山は、清子に堂々とその旨を宣言。はるは皆から冷やかな目で見られる。
 吾朗がサクラを迎えにくる。はるは二人に仲直りの話し合いをさせる。

<第56回>
 仲直りしたと思ったサクラと吾朗が、再び激しい夫婦喧嘩を始める。サクラに追い出されて、吾朗は別の旅館に泊まる。
 翌日、サクラを連れ帰るのを諦めた吾朗は、山中へ帰る。サクラは平気を装っていたが、夜、男性客たちと飲みにでかけ、酔っぱらったあげくトラブルを起こす。そこへ、吾朗が飛び込んでくる。サクラのことが気になって戻ってきた吾朗はサクラのために男たちと戦い、袋叩きにされる。感激したサクラは、吾朗とともに山中へ帰る。
 清子ははるに、山中へ帰りたいのではないかと聞く。はるは、今はみさき亭で働くことしか考えていないと明るく答える。

<第57回>
 がむしゃらに働いてきた清子が、突然無気力になり、自分の人生について悩みだす。更年期障害だと指摘する人もいたが、清子は服も着替えず、仕事も手につかない状態なので、はるは心配する。
 清子を元気づけるため、はるはあれこれ智恵をしぼる。サイクリングに連れ出したり、旅館のスタッフたちにエアロビクスダンスを踊ってもらったりするが、効果がない。
 そんな時、海洋生物を研究している山室が、みさき亭に泊まりに来る。駿河湾の調査にきた山室は、駿河湾で捕った熱帯魚の水槽を部屋に持ち込む。その熱帯魚を初めて見た清子は、かわいらしさに目を奪われる。

<第58回>
 山室が部屋に持ち込んだ熱帯魚を見ているうちに、清子は明るさをとり戻す。はるは、清子と山室の間に恋が芽生えてくれればいいのにと期待する。
 土肥にしばらく腰を落ちつけるつもりの山室は、水槽のほかにいろいろな研究用品を部屋に運び込み、まるで研究室のように模様替えしてしまう。
 仕事を始める気になった清子が、立ちくらみを起こす。漢方を勉強したことのある山室は、過労と心労の重なる清子のために、秘伝の煎じ薬を作って飲ませる。
 山室が一年前に離婚したのを知ったはるは、清子のことをどう思うか聞く。九十点だ、と答える山室に、脈がある・・・とにんまりするはる。

<第59回>
山室の煎じ薬が効いたのか、翌朝、清子は見違えるほど元気になる。はるは清子と山室を結びつけようと張りきる。
 そんな時、仲居の典子と板前のケンが、結婚を前提に付き合っていることを発表。二人の仲をとりもったのは、はるだった。
 山室が「キャビン」の夕子の運転する車で沼津へ出かける。二人がなかなか帰ってこないのでやきもきするはる。
 まもなく、帰ってきた夕子は、山室からのプレゼントだといって、外国製のスカーフを見せびらかす。はるは山室に、夕子とどうなっているのか、ズバリ聞く。夕子と話して楽しかった、と答える山室。その会話を清子が耳にして・・・。

<第60回>
 清子に夕子との仲を誤解された山室は、うろたえる。実は、沼津へ行ったのは清子に贈るスカーフを買うためで、夕子に品選びのアドバイスをしてもらったのだ。山室は、清子に本気で恋をしている、とはるに打ち明ける。
 黒岩が詐欺横領罪で逮捕される。
 そんな折、リゾートチェーンの後藤常務が、みさき亭との業務提携の件で来訪する。黒岩と契約を交わし手付金三千万円を支払ったという。清子は追いつめられるが、常吉がその契約書が偽物であることを突き止める。
 はるの後押しによって、山室がついに、清子に愛を告白。清子も同じ気持ちだった。


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