第10回 2008年3月20日(木)放送 あらすじ

二つのキス~冒険の終わりが恋の始まり

 小川孝信(玉木宏)は、堀田イト(多部未華子)から受け取った“目”=銅鏡を、平城宮跡の朱雀門近くの草の上にそっと置く。それを、藤原道子(綾瀬はるか)、鹿、鼠が見守る。最後まで私欲をむき出しにした小治田史明(児玉清)は、離れた場所で放心したように座っている。

 そして「さあ、儀式を始めよう」という鹿の呼びかけで、いよいよ儀式が始まる—。

 草の上に置かれた銅鏡に堀田が大仏池で汲んできた水を注ぐと、水面の中央に映った満月が小さな点となり光を反射させる。それを鹿が舐めると、水が満月に吸い寄せられるように集まり、やがて光る球形となっていく…。想像もしていなかった神秘的な儀式を、小川たちは息を殺すようにして見守る。さらに、鹿から、鹿、狐、鼠と卑弥呼との関係を聞き、いっそう神々しい気持ちになる。やがて、鯰(ナマズ)を鎮めるためのすべての儀式が無事に終わる。

 翌日、盗難疑惑は解けたものの、やはり学校にいられなくなった小川は退職することに。藤原は教師たちに反発するが、小川は疑惑が解けただけで十分だとすっきりとした表情を見せる。そして、その後、鹿に会いに行くと、約束どおり自分と堀田の顔を元に戻してくれと頼む。ところが、鹿は叶えられる望みはひとつだけ、つまり、小川か堀田のどちらかの顔しか元には戻せないと言うのだ。それを聞いた小川は激高する。

 小川が下宿に戻ると、テレビのニュースが昨夜から地震が起きていないことを伝えていた。福原重久(佐々木蔵之介)は、このニュースに明るい声を出すが、小川も、そして藤原も表情は沈んでいる。

 翌日、小川が職員室にいると、突然、堀田がやってきて小川を廊下へ連れ出す。踊り場に来たふたりが壁に貼られた鏡の前に立ち並ぶと、そこには、人間の顔をした堀田と、鹿顔のままの小川が立っている。そこへ来た藤原がふたりの様子をうかがうように見る。鹿から事情を聞いた堀田だが、自分だけが元に戻るのは納得がいかないと言う。しかし小川は、堀田が鹿顔になった原因は自分にあるのだから当然だと言い、さらに、学校を辞めて東京へ戻ることを告げる。無言で小川をにらみつける堀田の目には、うっすらと涙が浮かび、小川はやりきれない表情で立ち尽くす。そんなふたりを見ていた藤原は…。

キャスト

小川孝信 … 玉木 宏

藤原道子 … 綾瀬はるか

堀田イト … 多部未華子

長岡美栄 … 柴本 幸


溝口昭夫 … 篠井英介
前村さおり … キムラ緑子
名取良一 … 酒井敏也
福原房江 … 鷲尾真知子
大津 守 … 田山涼成

原 和歌子 … 川辺菜月
佐倉雅代 … 藤井美菜
吉野 綾 … 東 亜優
西尾京子 … 江頭由衣

鹿 … 山寺宏一

福原重久 … 佐々木蔵之介

小治田史明 … 児玉 清

スタッフ

■原作
 万城目 学「鹿男あをによし」(幻冬舎刊)

■脚本
 相沢友子

■演出
 鈴木雅之

■音楽
 佐橋俊彦

■制作
 フジテレビ
 共同テレビ

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