第36回 2010年1月8日(金)放送 あらすじ

 人気の浅見光彦シリーズの第36弾。

 ルポライターの浅見光彦(中村俊介)は浅見家代々の菩提寺である聖林寺の住職(大門伍朗)に相談を受ける。お寺の釣り鐘に血の跡がついていて、きれいにふき取ったが、何かの事件と関係していたらと不安に駆られた住職が、光彦に助けを求めてきたのだ。
 鐘楼の撞木を受ける撞き座のハスの花弁から血が垂れていたという。花弁紋様のくぼみに赤黒いものがわずかに残っている。浅見は鐘に残っている血痕の採取を所轄署に要請した。
 一週間後、墨田川上流の岩淵水門で男の変死体が見つかった。弓岡正(笠兼三)という男の変死体の顔面には、変色痕があった。聖林寺の鐘に残っている血痕の血液型と一致した。
 香川県高松の琴平電鉄の乗車切符が被害者の弓岡の上着の胸ポケットに入っていたが、未使用だった。弓岡が高松に向かったのは十日前の三日で、栗林公園駅で切符を購入したのはその翌日の四日だった。弓岡は府中で居酒屋を経営しているが、妻の清恵(佐藤智美)にも行き先を告げなかったようだ。清恵が「今度はどこへ?」と聞くと「カネのことで」と一言残して出ていったという。
 浅見は四国・高松へ。弓岡が宿泊した琴平町の琴参閣で、弓岡は所持品を残していったが、半月前の週刊誌があった。松川義雄(草野徹)という男が自殺しようとしたのを助けようとした畑谷昇(青山勝)が殴られ、全治二週間のけがをしたという記事だった。この記事の自殺場所は高松港から船で向かう蔦島という小島だった。
 刑事の調査で、聖林寺とそっくりの鐘が高松の正善寺というお寺にあることがわかった。正善寺で鐘を見ると、聖林寺の鐘とうり二つだった。
 聖林寺で住職から、釣り鐘が富山県の高岡で作られたことを聞く。墨田川上流の岩淵水門で水死体で浮かんでいた弓岡正も、香川県の蔦島で投身自殺した松川義雄も富山県の高岡に在住していた。浅見は高岡へ。兄の自殺に疑いを持っている妹の慧美(高野志穂)と「鐘」をめぐる連続殺人事件の真相に近づいていく。

キャスト

スタッフ

■原作
 内田康夫

■企画
 成河弘明

■プロデューサー
 金丸哲也(東映)
 小林俊一(彩の会)

■脚本
 峯尾基三

■音楽
 渡辺俊幸

■演出
 金 佑彦

■制作
 フジテレビ
 東映

バックナンバー