第29回 2008年1月18日(金)放送 あらすじ

熊野古道殺人事件

 ルポライターの浅見光彦(中村俊介)が机でうたた寝をしていると、母の雪江(野際陽子)が「軽井沢のセンセから電話ですよ」と呼ぶ。浅見が電話に出ると、作家の内田康夫先生(伊東四朗)が「軽井沢に来てよ」と言う。
 浅見が軽井沢の内田邸を訪ねると、浅見がルポを書いている「旅と歴史」の藤田編集長(小倉久寛)もいた。内田の相談は「補陀落渡海」についてだった。「補陀落渡海」とは、人間を棺桶の様な小船に乗せて沖合はるかに流し、南紀の熊野那智から海を渡れば、補陀落という理想郷へ行けるという考えだ。内田の親友の大学教授の松岡正史(夏八木勲)は宗教史の専攻で、4年前に東京の東都大学から和歌山の新宮大学に迎えられた。松岡には若い妻・小百合(とよた真帆)がいる。松岡のゼミの学生たちが、その「補陀落渡海」を再現する計画を立てており、内田に中止するよう説得して欲しいと頼んできたのだ。
 内田は新作の脱稿で忙しく、旧知の浅見に学生たちの説得を代わりにやってほしいと言う。藤田編集長も「今、取材を予定している安珍清姫の道成寺も同じ和歌山だから…」と援護射撃をする。
 浅見と藤田編集長は車で和歌山へ。安珍清姫縁起絵巻で有名な道成寺を取材していると、石段で、赤いコートを着た美しい女性とすれ違った。
 舟で瀞峡川下りをする浅見と藤田編集長。すると、川に死体が流れてきた。女性の遺体は「補陀落渡海」再現計画を企てている松岡の研究室助手の岳野春信(塩野谷正幸)の妻・マキ(野村五十鈴)だった。
 「補陀落渡海」再現計画がいよいよ実行に。那智の浜の宮で、渡海上人に扮した岳野が渡海船に乗り込もうとしている。沖合の綱切島まで伴船がえい航して、そこで、引き綱を切る予定だ。引き綱を切った後は、そのまま熊野灘を漂って、海の藻くずだ。
 だが、実は岳野の計画はパフォーマンスで、モーターボートが岳野を救出する予定だったのだ。しかし、救出された岳野はモーターボートから突如、海に落ちた。浅見と藤田藤田編集長が海に潜り、岳野を救出する。だが、浅見らの救助の甲斐なく、岳野は絶命する。
 解剖の結果、岳野から毒物が検出された。毒物は船に用意されていた水から検出された。果たして、岳野春信や妻・マキの死の真相は? 浅見光彦が藤田編集長と事件の謎に迫る。

キャスト

中村俊介
伊東四朗
小倉久寛
榎木孝明
とよた真帆
夏八木 勲
野際陽子

ほか

スタッフ

■原作
 内田康夫

■企画
 金井卓也(フジテレビ)

■プロデューサー
 金丸哲也(東映)
 小林俊一(彩の会)

■脚本
 峯尾基三

■演出
 金 佑彦

■音楽
 渡辺俊幸

■制作
 フジテレビ
 東映

バックナンバー