海猿
#1 運命の幕開け
仙崎大輔(伊藤英明)は海上保安庁、第七管区・福岡海上保安部に所属する経験1年の新米潜水士。健康食品会社の営業マンから転職したが、まだ一度も人命救助の経験は無く、地味な仕事の毎日だ。そんなある日、大輔は辞令を言い渡される。第三管区・横浜海上保安部への異動だった。大輔はすぐに伊沢環菜(加藤あい)に携帯電話をかける。環菜は、潜水士訓練生の時に知り合った、大輔にとっては“恋人”だ。
しかし、新米服飾デザイナーの環菜は大輔が横浜に異動すると聞いて驚く。ちょうど環菜の引っ越しを手伝いに来ていた友人の光森千佳(佐藤仁美)が問いただすと、「友達が横浜に来るんです…」と、困っている様子だ。
横浜に赴任した大輔が配属されたのは巡視船『ながれ』。第七管区時代より、はるかに古く小さい船に、ややがっかりの大輔を、船上で掃除をしていた軽いノリの主計士・吉岡哲也(佐藤隆太)が出迎える。早速、船長の勝田孝太郎(夏八木勲)が大輔を乗組員に紹介。勝田は『ながれ』を分身と言うほど、筋金の入った保安官だった。また、大輔には池澤真樹(仲村トオル)がバディと紹介される。池澤は極めて無口で、取り付く島も無い男だった。
保安官行きつけのダイニングバー『オーシャンズ』で大輔の歓迎会が開かれた。帰国子女のウエイトレス・星野怜(臼田あさ美)が人気。そんな中、大輔の恋人の話になり、大輔は得意げに環菜というステディな恋人がいると自慢する。するとあたたかい雰囲気の歓迎会は即終了し、女性に縁がない乗組員から手荒い歓迎の「懸垂」をやらされてしまう。
まったく同じ時、環菜は千佳に大輔のことを説明していた。実は、この1年間に1度しか顔を見ない程度の大輔の存在は、環菜にとって“メル友”関係というのが本当のところ。そんなことを言っている環菜の横に怜が現れる……つまり、そこは『オーシャンズ』だった! マスターの肥後大作(伊武雅刀)が目で指し示した先を見ると、そこには店内で懸垂をさせられている大輔が! 大輔は、環菜を見つけると大喜びで仲間に自慢気に紹介する。大輔の一方的な想いに、ほうほうの体で店を出る環菜。そして、外の階段を昇って…実は、環菜が引っ越した自宅は海保の溜まり場である『オーシャンズ』の上階だったのだ。
大輔が『ながれ』に戻ると、池澤が黙々とトレーニングしていた。うるさく喋りかける大輔に機嫌を損ねた池澤は、大輔にバディとしての握手を求められると「俺がお前に助けられることは無い」と苦笑して去る。吉岡によると、池澤は特救隊員で特修科期間だけ『ながれ』にいるのだった。
その夜、天候が荒れ、遭難が発生した。三浦半島沖でタンカー“エイジアントリップ号”の座礁による転覆である。『ながれ』に緊急出航命令が発せられた。現場に到着すると、タンカーはすでに沈没、乗組員2人が行方不明。池澤と大輔は、船内の調査救助に当たることになった。緊張で呼吸の荒くなる大輔。落ち着きはらい、的確に準備を整える池澤。二人は暗闇の海に飛び込んで…。
しかし、新米服飾デザイナーの環菜は大輔が横浜に異動すると聞いて驚く。ちょうど環菜の引っ越しを手伝いに来ていた友人の光森千佳(佐藤仁美)が問いただすと、「友達が横浜に来るんです…」と、困っている様子だ。
横浜に赴任した大輔が配属されたのは巡視船『ながれ』。第七管区時代より、はるかに古く小さい船に、ややがっかりの大輔を、船上で掃除をしていた軽いノリの主計士・吉岡哲也(佐藤隆太)が出迎える。早速、船長の勝田孝太郎(夏八木勲)が大輔を乗組員に紹介。勝田は『ながれ』を分身と言うほど、筋金の入った保安官だった。また、大輔には池澤真樹(仲村トオル)がバディと紹介される。池澤は極めて無口で、取り付く島も無い男だった。
保安官行きつけのダイニングバー『オーシャンズ』で大輔の歓迎会が開かれた。帰国子女のウエイトレス・星野怜(臼田あさ美)が人気。そんな中、大輔の恋人の話になり、大輔は得意げに環菜というステディな恋人がいると自慢する。するとあたたかい雰囲気の歓迎会は即終了し、女性に縁がない乗組員から手荒い歓迎の「懸垂」をやらされてしまう。
まったく同じ時、環菜は千佳に大輔のことを説明していた。実は、この1年間に1度しか顔を見ない程度の大輔の存在は、環菜にとって“メル友”関係というのが本当のところ。そんなことを言っている環菜の横に怜が現れる……つまり、そこは『オーシャンズ』だった! マスターの肥後大作(伊武雅刀)が目で指し示した先を見ると、そこには店内で懸垂をさせられている大輔が! 大輔は、環菜を見つけると大喜びで仲間に自慢気に紹介する。大輔の一方的な想いに、ほうほうの体で店を出る環菜。そして、外の階段を昇って…実は、環菜が引っ越した自宅は海保の溜まり場である『オーシャンズ』の上階だったのだ。
大輔が『ながれ』に戻ると、池澤が黙々とトレーニングしていた。うるさく喋りかける大輔に機嫌を損ねた池澤は、大輔にバディとしての握手を求められると「俺がお前に助けられることは無い」と苦笑して去る。吉岡によると、池澤は特救隊員で特修科期間だけ『ながれ』にいるのだった。
その夜、天候が荒れ、遭難が発生した。三浦半島沖でタンカー“エイジアントリップ号”の座礁による転覆である。『ながれ』に緊急出航命令が発せられた。現場に到着すると、タンカーはすでに沈没、乗組員2人が行方不明。池澤と大輔は、船内の調査救助に当たることになった。緊張で呼吸の荒くなる大輔。落ち着きはらい、的確に準備を整える池澤。二人は暗闇の海に飛び込んで…。