第9回 2005年8月30日(火)放送 あらすじ

失われた夏を求めて

 海賊の銃弾に倒れた池澤真樹(仲村トオル)が、息を引き取る。池澤を撃った犯人も含め、海賊たちは人質を装って海に飛び込み潜水士たちに救助された。だが、仙崎大輔(伊藤英明)は人命救助作業を放棄してしまう。また、下川いわお(時任三郎)もやり場のない憤りを抱え、救出した海賊たちに掴みかかった。だが、それも悲しみを増すだけであった。
 そして、無事女児を産んだばかりの妻・尚子(芳本美代子)の病院に、海保の幹部たちと共に津田晋平(益岡徹)が現れる。付き添う伊沢環菜(加藤あい)が「もうすぐパパが帰ってくるよ」と話した直後に、幹部から池澤の殉職が伝えられる。
 池澤の遺体を乗せて「ながれ」が帰港。その足で大輔は尚子の病院に向かった。大輔は悲しみを堪え、池澤から預かっていた子供の名前を書いたメモを尚子に渡す。池澤は、自分と尚子の字を取って、生まれてくる子が女の子なら『真子』と命名していた。大輔も環菜も涙で声が出ない。だが、真子を抱きしめる尚子は、涙を堪えながら母親の強さを滲ませるのだった。
 大輔は、バディを失った上に海賊たちの人命救助を放棄したため、潜水士としての自信を失っていた。下川は、この状態では現場に戻せないと勝田船長(夏八木勲)に進言。勝田はそれを受け、大輔に呉の海保大学校で潜水研修の助手を命じる。
 大輔は環菜に呉へ行くことを伝える。環菜は、「吉岡をしごいちゃえ」と明るく振る舞うが、大輔の落ち込みは解消されない。そんな様子を冬柴康介(鈴木一真)が見ていた。
 呉に来た大輔を吉岡哲也(佐藤隆太)が歓迎する。だが、大輔に再会を喜ぶ余裕はなかった。訓練生の記念写真に工藤や池澤の姿を見つけるとますます辛くなる。「もう潜れねえよ、俺…」。そんな大輔のことを想う環菜も、仕事に身が入らず、大きな失敗をしてしまう。冬柴からも「つまらない恋愛はするな」と厳しい指摘をされてしまった。
 大輔から潜水士としてのモチベーションが消えていることは、「ながれ」にも伝えられた。下川には大輔のモチベーション回復に希望を見出せない。すると勝田は、矢吹真一(布施博)が復帰を目指し最終日のテストを受けるために呉に行き、大輔と顔を合わせるだろうと語った。矢吹は下川の元バディで、活動中の事故により陸上勤務になっている。下川は、その事故に責任を感じ、一時は海保を辞めようとした。しかし、矢吹が潜水士復帰に向けて努力していることを知り、それが実現するまでは…と、下川は現役を続けているのだった。勝田は、矢吹の強い意志と頑張る姿を大輔に見せようとしているのだ。
 他の訓練生よりはるか年長の矢吹は、ブランクを感じさせない技術を持っているが、事故の大けがの影響は隠せるものではない。大輔は、下川に電話で矢吹のことを聞く。下川は、躊躇いながらも事故の話を伝える。この話に大輔は、ショックを感じた。
 大輔は、矢吹にどうして潜水士に戻りたいのかと直接尋ねた。すると、矢吹に「バディを失って辛いのは分かる。だが、覚悟してなったはずだ。リングを降りる奴に答えたくない」と言われてしまう。
 そんなころ、環菜は、尚子に大輔の話をした。尚子は驚きの事実を語り始めた。尚子によると、池澤は目の病気で特救隊には戻れなくなっていたが、仙崎を育てるために潜水士を続けていたと言うのだ。環菜は、この話を大輔に伝えようと呉へ向かう。
 大輔は、突然現れた環菜に驚く。そして環菜の話から池澤の深い想いを知り、再び大きく動揺してしまう。そうして、訓練最終日のテストがやってきた。最後の力を振り絞って頑張る矢吹。必死な吉岡。その姿を見つめる大輔は…。

キャスト

仙崎大輔(26) … 伊藤英明
伊沢環菜(25) … 加藤あい
下川いわお(42) … 時任三郎
池澤真樹(38) … 仲村トオル
勝田孝太郎(55) … 夏八木勲(特別出演)
吉岡哲也(23) … 佐藤隆太

肥後大作(50) … 伊武雅刀
光森千佳(27) … 佐藤仁美
津田晋平(44) … 益岡 徹
池澤尚子(32) … 芳本美代子
大野里江子(38) … 奥貫 薫
冬柴康介(32) … 鈴木一真

三宅弘城、平山祐介、坂本真、坂本あきら、飯田基祐、臼田あさ美、一木有海 ほか

スタッフ

■原作
 「海猿」(小学館・ヤングサンデーコミックス)
 佐藤秀峰 ※原案・取材 小森陽一

■脚本
 福田 靖

■演出
 羽住英一郎(ROBOT)
 小林義則(共同テレビ)

■音楽
 佐藤直紀

■制作
 フジテレビ
 共同テレビ

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