大奥~華の乱~

第9回 2005年12月15日(木)放送 あらすじ

遺言

 柳沢(北村一輝)の邸で、世継ぎの吉里が柳沢と同じ左利きであることを見た桂昌院(江波杏子)は昏倒した。その騒ぎの中、柳沢は安子(内山理名)を別室に招じ入れた。そこには死罪となったはずの安子の夫・成住(田辺誠一)が幽閉されていた。思いがけない再会に涙する安子に、成住は「恨みは何も生まぬ。それよりも上様がよりよく生きられるよう、お導き申すのじゃ」と語る。成住を打ち首から救ったのは柳沢だったが、それは自らの野望を遂げるのに妨げとなりかねない安子に、あらぬ行動を取らせぬようにするための人質であった。柳沢は、安子に、成住の命が大切なら「あなた様のなすべきことと、なさざるべきことは、自ずからおわかりでしょうな」と脅すのであった。
 そんなある日、桂昌院を信子(藤原紀香)が見舞う。桂昌院は「すべては上様のため。許してくだされ」と謝るが、信子は「そのお言葉で何もかもが許されるとお思いか」と突っぱねる。さらに「若君はまことに上さんの御子でしょうか」と煽ったうえで、激怒する桂昌院に追い討ちをかけた。「所詮は町家育ち、お末上がりの浅ましさ」と侮蔑し、桂昌院が大奥下働きであったころの名「お玉」と呼び捨てにし、「染子と柳沢の仲はまだ続いておりまする」と微笑みながら言い放ったのだ。病床の桂昌院は怒りに震え息を荒くするのであった。
 染子(貫地谷しほり)は、世継ぎの母を演じる重圧に耐えられなくなってきていた。安子が、染子の部屋を訪ねると、染子は「吉里は上様の御子ではございませぬ」と告白する。そのやりとりを隣室で聞いていた音羽(余貴美子)と右衛門佐(高岡早紀)が踏み込み、桂昌院の前でそう証言するよう申し渡す。しかし、いざ桂昌院の前に出た染子は葛藤の末、「吉里は、上様の御子」と断言する。いらぬ憶測を避けるため、吉里の後見人から柳沢を退かせようとする桂昌院に、それだけはどうか考え直してほしいと染子は必死に訴えたのだった。
 一方、柳沢は酒を持って成住を訪ねた。お互い「同じ主君に仕え、宮仕えの辛さを味おうた同じ穴の狢」と言って成住に酒を勧める。柳沢は「拙者も若い時上様におなごを寝取られました。しかし、そのおなごはその後、死に申した」と。興味を持つ成住。「拙者は出世の階を上り詰めたその先を考えるようになりました。頂点に立てば上様をも見下ろせるやもしれぬと」と柳沢は本音を漏らす。「頂点まであと一息。邪魔者は斬って捨て、進まねばなりませぬ。おなごでも容赦は致しませぬぞ。無論、貴殿の奥方でも」と。
 見舞いに訪れた安子に、染子の言っていたことは嘘でしょうと桂昌院は言い出す。驚く安子に桂昌院は「だが今のままでよい。上様はさらなるお悲しみに耐えるお力はありますまい。わたくし亡き後はそなたが庇うて差し上げてくだされ」と安子の手を握り締めるのであった。
 もはや最期かと、綱吉(谷原章介)たちが桂昌院の周りに集まった。桂昌院は最後の力で「仏法に則り精進節制を」など綱吉を諌める遺言を申し渡す。そして綱吉を呼び寄せ抱きしめた。綱吉もすがりつく。しかし臨終の瞬間、桂昌院が発した言葉は「春日局様…お出迎え恐れ入りまする。将軍家の御血筋の橋渡し、力の及ぶ限り勤めましてございます」と、生涯追い求めた権力の幻影を見ながら桂昌院は息を引き取った。
 染子が倒れたとの知らせが届き、柳沢が染子を見舞った。染子に強烈な覚悟がみなぎっている。染子は「いつかこの重荷に耐えられなくなり、我知らず、言うてはならぬことをもらしてしまうのが、恐ろしいのです。その前に私の命を、殿の手で絶って下さいませ」と懇願する。「死んで身の潔白を証する」という遺書まで用意してある。柳沢は躊躇するが苦渋の決断で刀を手にする。染子は最後の願いとして「名前をお呼び下さいませ。染子と…」と柳沢に頼む。柳沢は望みどおり名前を呼びながら染子の胸に刃を突き立てた。声を殺して泣く柳沢。だが、襖を開け「染子様が御自害なされた」と告げた時には既に冷徹な官吏の顔に戻っていたのだった。
 そのころ安子は綱吉のもとを訪ね、覚悟を決め切り出した。「吉里君は上様の御子ではございません」。綱吉は表情を緩め、「わしが気付かなんだと思うか。初めから察しておった。世継ぎに立てたのは母上のためじゃ」と答えたのだ。安子は桂昌院も綱吉のために黙っていたと打ち明けた。感じ入る綱吉に安子は続けた。「お墨付きの取り下げ、柳沢様にご処分を」。その時、染子自害の報が飛び込んできた……。

キャスト

内山理名
谷原章介
小池栄子
高岡早紀
北村一輝
中山 忍
貫地谷しほり
  ・
田辺誠一
  ・
余 貴美子
  ・
江波杏子
  ・
藤原紀香

スタッフ

■脚本
 浅野妙子

■演出
 林 徹

■音楽
 石田勝範

■企画
 保原賢一郎

■プロデュース
 林 徹
 手塚 治
 樋口 徹
 金丸哲也

■製作
 フジテレビ
 東映

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