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2024年8月30日更新

特別番組

「地球環境大賞2024」祭典直前パリ発!人生を豊かにするエコ暮らし

フジテレビ(関東ローカル) 
2024年6月22日(土) 13:30~14:30
BSフジ(全国放送) 
2024年6月30日(日) 17:00~18:00

吉田匠 ディレクタースペシャルコラム

2024年の地球環境を考える上で、まず頭に浮かんだのは4年に一度のスポーツの祭典・オリンピックでした。開催の度に地球環境への影響が取り沙汰されていますが、今回のパリ大会は「カーボンニュートラル」を掲げ、史上最も環境に配慮した大会を目指すとうたっています。

「そんな大会が行われるパリという街で、人々は一体どれほど地球環境に配慮した生活を送っているのだろうか?」そんな疑問が浮かびました。そこで、開幕一ヶ月前のパリに赴き、市内で行われている地球環境に配慮した活動、いわゆる“エコ活”を取材することに決めました。

まずフランスの玄関口、シャルル・ド・ゴール空港に着いて驚いたのは…なんだか暗い!空港内では、電気が付いていない所が多くありました。コーティネーターに聞いたところ、環境に配慮した節電とのこと。これは街中での“エコ活”にも期待が高まります!

まずは街ゆく人々に、自分の実践している“エコ活”を聞いてみました。すると、「マイボトルを持ち歩いている」、「中古の製品を購入するようにしている」、「自家用車ではなく公共交通機関で移動している」など、様々な“エコ活”を語ってくれました。驚いたのは、20人ほどに話を聞いた中で、「特に何もしていない」と答える人が一人もいなかったことです。自分の地球環境に関する取り組みを、特に誇らしげに語るでもなく、普通のことのように話してくれました。そのときは、パリ市民の地球環境への意識はとても高いんだなと思っていましたが、彼らの“エコ活”への感覚はそのようなシンプルなモノではありませんでした。

今回パリ取材でのナビゲーターをお願いしたのは、25年にわたりパリで暮らす元フジテレビアナウンサーの中村江里子さん。パリで長年生活していないとわからない、体に染みついた“エコ活”を紹介してもらいました。

特に印象深かったのは、中村さん行きつけのマルシェの取材でした。番組でも紹介しましたが、中村さんはソース用に少し傷んで柔らかくなったトマトを購入していたのです。日本では、並んでいる商品の賞味期限を確認して新しいモノを選んで買うし、食材は新鮮であればあるほどいい…なんて人もいるかと思いますが、それとは正反対の買い方でした。他にも、バナナを房から必要な分だけをちぎって購入したり、ほんの数グラムにチーズを切って購入したり、無駄のない買い物を楽しんでいました。「買い物に行く頻度は多くなるけれど、食材を無駄に腐らせたりすることはない。」と中村さんは語っていました。

ロケの後にフランス人のクルーやドライバーに、こういう買い方は普通なのかと聞くと、古い食材は割引で買えるし、必要な分の料金だけでいいのでお得だと笑っていました。必要な食材を必要に応じて購入する。基本的なことですが、大量消費の現代社会ではおろそかにしてしまいがちな事を、当たり前のように実践するパリ市民の姿を垣間見ることができました。しかし、そこに地球環境への配慮という意識は、不思議とあまり感じられませんでした。

今回の取材で私は、パリの人たちの“エコ活”は「地球環境を改善するための活動」ではなく、昔から続けている「人々を笑顔にさせる行動の先にある副産物」なのだと感じました。マルシェでは売れ残りそうな食材を安く購入できて笑顔に。古くなった洋服を捨てずに寄付することで笑顔に。コンポストで人々の憩いの森を育てて笑顔に。それぞれの笑顔への行いがフードロスの縮小や、廃棄物焼却での二酸化炭素排出削減などへ結果的に繋がっているのです。

番組の最後に中村さんは「楽しく、長く続けていけるというのをフランス人はよく知っている」と話していました。“エコ活”を行うには、生活スタイルを変えなければいけないことも多々あります。目に見えにくい地球環境の為だけに行動するというのは、腰が重い人もいるかも知れません。しかし、フランス人の“エコ活”への姿勢に倣って、もっと気楽に、何かのついでにやるくらいでも十分ステキだし、地球環境改善への効果はあると私は考えます。持続可能な“エコ活”へのヒントを視聴者の方々に番組が示せていれば、この上なく嬉しいです。

文:吉田匠(フジテレビ 情報企画開発部)

地球環境大賞公式サイト:地球環境大賞 (https://sankei-award.jp/eco/)

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