笑顔ひろがる社会のために

2023年8月21日更新

あなせん

親を頼れない子どもたちの現状を伝える「コエール」を今年もサポート

認定NPO法人ブリッジフォースマイル(B4S)主催のスピーチイベント「コエール」が、今年も開催されました。「親を頼れない子どもたちを社会全体で支えていきたい」という思いに賛同し、フジテレビは2012年からこの活動をサポートしています。
「コエール」は、社会的養護を必要とする子どもたちが「自身の体験」を語ることで現状をもっと知ってもらおうというイベントで、スピーチをより伝わりやすくするためにフジテレビの現役アナウンサーが声の出し方や滑舌法、効果的な伝え方を指導しています。

2023年も、イベント本番にむけ、6月11日に奥寺健アナ梅津弥英子アナ大川立樹アナが、スピーチをするイルミネーター(=社会を照らす人という意)「チャンプ(26歳)」と「しろ(25歳)」とオンラインで初対面。2人とも児童養護施設で暮らしていた経験があります。


イルミネーターとボランティアの皆さん、ブリッジフォースマイルのスタッフ、アナウンサーたち

それぞれのスピーチを聞いた上で、疑問点をぶつけあいながら、約2時間半にわたりマンツーマンで具体的なアドバイスをしました。本番の成功を願いつつ、最後にみんなで笑顔で集合写真を撮って終了しました。


そして、迎えた本番。緊張した面持ちで登場したふたりでしたが、これまでで最高のスピーチを披露。

チャンプ:今は夢だった世界的なフィットネスクラブでトレーナーとして働いているチャンプ。
小学校1年生の時、両親が離婚。父親と4年間車上生活を送る中、小学4年生の時に父親が脳梗塞で倒れてしまい、それから児童養護施設で暮らしはじめます。まっすぐに前を見つめ、「居所不明児童」だった自身の経験を熱く語りました。

しま:しまは、幼いころ「しつけ」と称して当時の母親のパートナーから兄と共に暴力を受けていたことを告白。母親を想い、シングルマザーの現状を自分の経験とともに発信しました。現在は看護師の傍ら、シングルマザー・貧困家庭・DV家庭の子ども預かる託児施設でボランティア活動に携わっています。


【奥寺健アナウンサーからのメッセージ】

今年もコエールが近づいたな…。いつも楽しみな気持ちになりこの日を迎えます。イルミネーターの「チャンプ」は2015年にも参加してくれていましたね。素晴らしい社会人になられましたね。

今回は、スピーチの内容が濃く、より具体的で、ハードルが高いものに挑戦していると感じました。社会問題提起として伝わるように構成した内容を、聴き手が理解できるように伝えるのは、自分がアナウンサーの仕事をする際いつも四苦八苦していることです。我が事のように感じながら、アドバイスをさせて頂きました。20代半ばのチャンプとしまは、きっと使命感と責任を感じつつ頑張っているのだろうな…と思いました。
2人の声がひとりでも多くの人の心の奥にとどきますように。そして、ひとり一人の行動に結びつくことを願っています。

文:奥寺健(フジテレビ アナウンサー)

【梅津弥英子アナウンサーからのメッセージ】

10年以上この活動に参加していますが、毎回ハッとさせられます。
スピーチの中で語られる壮絶な体験そのものはもちろん、その時見聞きしたこと、心の中で思っていたこと、それでも親を思う気持ちなど、想像するだけでは知り得ないことを伝えてくれるからです。

今回も、しまやチャンプのスピーチを聞いて、小さい頃のそれぞれの姿が目の前に迫ってくるようで、胸が詰まりました。大勢の視線を一身に浴びながらたったひとりでスピーチをすることは、決して簡単なことではありません。そして、迎えた本番、オンラインで拝見しましたが、堂々とした佇まい、視線の送り方、声の力強さ。本当に素晴らしいスピーチでした。私だけじゃなく、聞いている人は心を揺さぶられたと思います。どうぞ、自信を持って。そして、自分を愛してあげてくださいね。
またお目にかかれるのを楽しみにしています。

文:梅津弥英子(フジテレビ アナウンサー)

【大川立樹アナウンサーからのメッセージ】

「コエール」の活動に初めて参加しました。2人のスピーチは、心からの思いやメッセージが込められていました。ひとつひとつ、丁寧に、自分自身と向き合いながら紡いだ言葉に、様々な感情を乗せて伝える姿に心を打たれました。印象的だったシーンがありました。グループワークでのひとコマです。イルミネーターのスピーチについて、参加者の皆さんがアドバイスをする中で、様々な意見や助言が出ました。エンパワーメンバーの皆さんに温かく見守られ、大切に思われているんだなと、さらに、それらを真っ直ぐに受け止めるチャンプとしまの人柄の良さを感じました。素敵な雰囲気の中で行われたグループワークでした。

そして、本番。チャンプの本気のスピーチに、胸が熱くなりました。しまさん、優しいトーンで訴えかけるスピーチでした。人柄が声に乗っていて、聞いていた人にも真っ直ぐに届いたと思います。

文:大川立樹(フジテレビ アナウンサー)

こうして、今年も無事終了した「コエール2023」
この活動を通じて、ひとりでも多くの人に「親を頼れない子どもの現状」を知ってもらうことが大切だと改めて感じました。

カテゴリー別記事一覧へ

活動カテゴリー

活動リポート一覧

笑顔ひろがる社会のために

地球環境のために

番組・コンテンツをつうじて

働きやすさ・マネジメント