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2021年4月26日更新

コラム

第32回ヤングシナリオ大賞受賞作品「サロガシー」を放送

フジテレビ(関東ローカル) 
2021年3月24日(水) 24:55~25:55 放送


荒井俊雄 プロデューサー コラム

創設1987年からドラマ制作における新たな才能を発掘し続けた「ヤングシナリオ大賞」。 まさに「サスティナブル」な取り組みであり、SDGs関連番組として第32回の本企画を担当出来ることを嬉しく思うと同時に、不安な気持ちにもなりました。

大賞受賞作品タイトル「サロガシー」という言葉を投げかけられた時に「サロガシーってなんだ?」と戸惑いました。無知を曝け出すのは少々恥ずかしいのですが、周りの人たちもほとんど知らず、少し安心したのが正直なところです。

遠藤社長と的場友見さん

的場友見さんの大賞受賞脚本はとても魅力的で、思わずその世界に引き込まれたのですが、その理由が最初は明確にはわかりませんでした。それは自分が体験していないことに対して本当の意味で共感することは難しい、と心の底で思ってしまっていたからです。


  • 突然、娘から兄の子を身籠ったと告白され驚愕する両親

  • 代理母出産をする兄妹を受け入れられない母親

しかし、本作品と向き合っていく中で、自分の中で作ってしまっていた「境界線」を越えていく実感がありました。それは「同性愛者の兄のために、そのパートナーとの子供を代理母出産する女性」の何かを理解したというよりも、受け入れられたという感覚的なものです。

脚本・キャスト・スタッフ全員の力が結集された時に、作品を通じて“体験を越えた想像”をするきっかけを世の中に届けることが、ドラマに出来る最大の魅力の一つだと改めて痛感致しました。


  • 代理母出産に向き合うセンシティブな主人公を熱演した
    堀田真由さん

  • 実の妹に代理出産を託す同性愛者役の細田善彦さんと
    そのパートナー役の猪塚健太さん

社会をより良いものに変えていくために、私たちが気付かないうちに作ってしまっている自分自身や社会の中にある「境界線」を越えて多様性を認め、相手の痛みや喜びを想像し、様々な問題の解決の糸口に繋げていく。長い歴史を紡いできたヤングシナリオ大賞のドラマ作品を通じて、SDGsに向き合っていくことが出来るのではないかと、強く思いました。

文:荒井俊雄(フジテレビ 第一制作部)

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