<第61回> <第62回> <第63回> <第64回>


<第61回>
 美保は吉見を引き取ってもいいと思うが、吉見本人や千加の気持ちを確かめるよう謙一に忠告する。
 千加は吉見の万引き事件に責任を感じて、喫茶店のバイトを辞めることにする。
 そして、美保にも母親としていたらなかったことを詫びる。
 美保は吉見を引き取る話について、千加に意見を聞く。謙一から何も聞かされていなかった千加は、血相をかえて家に帰り、いきなり、謙一の頬を打つ。
 そして、「私は絶対反対だから」と憤慨する。
 信子も、吉見を手放すのは反対だった。
 その夜、千加は吉見の部屋で寝る。吉見は眠ったふりをしていたが、千加が泣いているのを知っていた。

<第62回>
 丈太郎から、小松原が亡くなった、という連絡が入る。信子は急ぎ岩手に駆けつけるが、小松原の家族は誰も来なかった。信子は、小松原の葬式がすんだら東京に帰ってきてほしい、と丈太郎に頼む。
 吉見が、「今はママとは暮らせない」と美保に言いにくる。美保には楠田と幸せになってもらいたいし、謙一と千加にも仲良くしてもらいたいと。
 ホテルにこもって執筆していた楠田の小説ができあがる。美保は緊張しながら原稿に目を通すが、それは楠田が二度と書かないと言っていた官能小説だった。お互いに住む世界が違っているのを実感した二人は、新しい出発の気持ちで、明るく別れる。

<第63回>
 信子が岩手から戻ってくる。吉見が今まで通り大庭家で暮らすことになり、ほっとする。
 千加はバイトを辞めたものの、気になって店に出かけていく。峻也は再び千加にプロポーズ。もしOKなら一緒に山へ行こうと誘い、明日、新宿駅に来てほしいと伝える。
 千加は謙一に、峻也から誘われたことを打ち明ける。行きたければ行けばいい、とそっけない謙一。
 翌日、千加は山へ行くと言って出かけていく。
 謙一は街で偶然美保に会い、楠田と別れたことを知らされる。
 そして、その後、千加の残していった離婚届けを見つける。謙一は新宿駅に駆けつけるが……。

<第64回>
 謙一は山へ行く千加を引き止めようと新宿駅に駆けつけるが、列車は出た後だった。
 千加の離婚の決意を知った吉見は、謙一をなじり、家を飛び出す。謙一は吉見を探しに喫茶店に行く。
 すると、峻也が現れ、千加は来なかったことを告げる。
 謙一は千加の実家を訪ねる。果して、千加は来ていて、吉見もいた。謙一は二度と離すまいと千加を強く抱きしめる。
 吉見の卒業式の日、遅まきながら、謙一と千加の結婚式が行われる。丈太郎も信子のもとに戻る。
 一人で生きることに決めた美保は、吉見の成長を見守りながら、前向きに仕事に打ち込む……。(終)


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