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<第31回>
 美保が楠田とつき合っているのを知った謙一は、美保に会い、しばらく吉見をマンションへは行かせないほうがいいときりだす。母親失格を自覚した美保は、反論できない。
吉見は美保のことがよくわからなくなり、苛立つ。クラスでは、いじめにあった町子が、一週間ぶりに登校。吉見は町子を無視するのをやめるよう加納に忠告するが、みんなに笑われる。
楠田の妻・歌子が突然、美保のマンションに訪ねてくる。面倒なことに巻き込まれたくない楠田は、はやばやと逃げ出す。
自分の人生の全てを楠田の才能に賭けているという歌子は、楠田の派手な女性関係も単なる悪い病気にすぎないと平然としていた。

<第32回>
 歌子の襲撃に逃げ出した楠田は、深夜、酔って帰ってくる。歌子の望むような一流の作家になりたくてもなれない葛藤を、楠田は美保にぶつける。
大庭家に、美保宛の同窓会の案内ハガキが届く。千加は郵送しようとするが、謙一は直接手渡すというので、千加は面白くない。吉見は、美保にいつまで会えないのか、と謙一に聞く。
美保に同窓会通知を渡した謙一は、吉見が学芸会のカエル役に張り切っていることを告げ、大人の都合で吉見を傷つけている痛みを語る。
美保は同窓会には欠席するつもりだった。楠田は、同窓会に行って、小説のネタになるようなアバンチュールを楽しめとそそのかす。

<第33回>
 美保は同窓会に出かけていく。出版社の部長・同級生の福田が、美保に目をつけ、二人で抜け出さないかと誘いかけてくる。
美保は断るが、あとでその話を聞いた楠田は、最後までつき合ってやればよかったのに、と興味津々の顔をする。
翌日、福田は仕事を口実に美保を食事に誘い、再び大人の関係を迫ってくる。
美保は福田をマンションに連れて帰り、楠田を紹介する。楠田と顔見知りの福田は、あわてふためいて帰っていく。
吉見のクラスでは、学芸会の練習が始まる。町子はお姫様役に選ばれるが、全然いい役ではなかった。吉見は町子の衣裳が派手すぎるのが気になる。

<第34回>
 教室の壁に貼ってあった町子の描いた絵が、半分引きちぎられるという事件が起きる。そして、その残りの半分がいつのまにか吉見の机の中に…。
青柳先生は絵をはがした生徒を追及。吉見は、自分がやった、と言ってしまう。
翌日の放課後、緊急父母会が開かれる。町子がいじめられるのは、吉見が町子のことを好きだからだと主張する町子の母。千加は反論。他の母親から、町子は目立ちすぎるという意見が出る。
そんな中、学芸会はあっけなく終わる。
楠田と同人雑誌で一緒だった男が、純文学の賞の候補にあがる。楠田は部屋を滅茶苦茶にして、マンションからいなくなる。

<第35回>
 千加の高校時代の親友・未知が、大庭家に泊まりにくる。千加は高校生に戻ったように未知とはしゃぎ、謙一が帰宅しても、風呂の準備は忘れるし、食事も店屋物ですませる。
そのうえ、その夜は二人でヒデオに笑いころげ、眠れない謙一は、信子のいる母屋へ避難する。
信子から説教された謙一は、家庭に他人がいると疲れる、とはっきり千加にいう。
未知は大庭家を出ていく。千加は未知の抱えている辛い問題を謙一に打ち明け、抗議する。
楠田は純文学一筋に生きてきたかつての同人誌仲間への嫉妬を押えることができなかった。しばらく旅に出る、と美保のもとを去る。

<第36回>
 楠田がぶらりと旅に出る。空虚な気持ちを味わう美保のもとに、歌子から宅配便が届く。中には、楠田の衣類や歌子の手作りの食品が入っていた。
 謙一と千加が喧嘩。千加が家を出ていってしまう。謙一は食事ものどを通らない。吉見もいつも一緒にいる人がいなくなって寂しい。
 信子は、千加は母親失格だと憮然。謙一は千加に甘すぎると不満をもらす。
 まもなく、千加が帰ってくる。謙一は千加と仲直りするが、千加に対する責任の重さを感じ、複雑な心境だ。
 楠田が旅から戻ってくる。
 美保は雑誌に掲載された楠田のエッセイを見つけ、楠田の自分への深い愛情を知る。

<第37回>
 丈太郎が突然、岩手から上京してくる。小松原を岩手に引き取るために、トシの運転する車で迎えにきたという。
 信子は丈太郎に頼まれてトシを母屋に泊めるが、丈太郎とトシのことが気になる。
 翌日、退院の手続きをすませた小松原とともに、丈太郎は岩手へ帰っていく。信子は複雑な表情で、三人を見送る。
 老人問題を扱った雑誌連載のシリーズで、美保が担当した本が、今年のドキュメント大賞に選ばれる。美保は楠田になんとなく言いだしにくい。
 編集者から美保の受賞を知らされた楠田は、美保を祝福する。
 が、内心では……。

<第38回>
 美保のドキュメント大賞の記事が新聞に載り、それを見つけた千加がみんなに知らせて、大騒ぎになる。
 吉見は美保にお祝いの電話をかけるが、美保は不在で、留守電にメッセージを入れておく。
 美保の事務所には祝電や花束が次つぎと届き、マスコミからの取材の申し込みも殺到する。
 信子のもとに、小松原から電話がかかってくる。丈太郎が腹痛で苦しんでいるという。
 信子はあたふたと岩手へ向かう。丈太郎は尿道結石で、偶然石がとれた後は、嘘のようにけろりとしていた。信子はトシから、丈太郎が苦しんでいる最中、信子を呼ぶように言ったことを知らされる。

<第39回>
 丈太郎の病気がたいしたことなくて、信子は一安心。
 丈太郎は小松原が来て生活に励みがでてきたといい、老人の役に立つ人間になりたいと生きがいを語る。信子はそんな丈太郎の生き方が理解できなくて、憮然として東京へ帰る。
 美保の授賞パーティーの前夜祭が開かれる。楠田も出席するが、酔いがまわるにつれて、楠田は美保の本を非難。楠田を軽蔑する若い編集者とつかみ合いの喧嘩になる。
 楠田は美保に嫉妬心を打ち明け、別れようとつぶやく。
 翌日、美保のドキュメント大賞授賞式が行われる。
 夜、美保が帰宅すると、楠田の身のまわりのものが消えていた。

<第40回>
 楠田が美保のマンションを出ていく。美保はホテルにいる楠田を見つけ、戻ってきてほしいと訴える。
 が、楠田はとりつく島もなく美保を追い返す。
 大庭家主催で、美保の受賞を祝う食事会が開かれる。
 吉見は手作りのヒゴ細工の飛行機をプレゼントする。
 その席で、信子が、浩介が母屋に下宿することになったことを発表。浩介の今住んでいる家が売りに出されるのだが、謙一らはびっくりする。
 その夜、母屋に引っ越してきた浩介に、信子は内心ドギマギする。
 美保は意を決して、もう一度ホテルの楠田に会いにいく。
 が、二人の関係が終わったことを知らされる。


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