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<第51回>
 吉見の悲しみを知った謙一は、その日、急きょ休みを取って、千加とクリスマスプレゼントを買いに行こうとする。
 が、千加は謙一を避けるようにバイトに出かけていく。
 千加は美保を呼び出し、クリスマス・イブは吉見と過ごしてほしいと頼む。とまどいながらも、うなずく美保。
 12月24日、千加はバイト先のパーティーに出かけていく。
 吉見はどうしても美保に会いにいく決心がつかなくて、家で淋しく過ごす。
 謙一は千加を迎えにいく。 すると、パーティーの終わった喫茶店の中で、千加がスタッフの崚也の胸に抱かれていた・・・。

<第52回>
 千加が若い男の胸に抱かれているのを見た謙一は、憮然として家に帰る。千加は事情を説明しようとするが、謙一はとりつく島がない。
 翌日、崚也が謙一に謝りにくる。謙一は、謝ってもらうようなことは無いはずだが、と平然とした態度。千加は怒らない謙一が悲しかった。
 夜、大庭家で、クリスマス・パーティーが開かれる。謙一と千加の仲がうまくいっていないことを、敏感に感じとる吉見。信子もそれに気がつき、心配する。 断筆宣言をした楠田は収入がまったく無く、美保のマンションに閉じこもりっきりだった。美保は、楠田がいつか消えてしまうのではないかと不安を感じる。

<第53回>
 青年編集者・塚本が楠田を訪ねてくる。楠田のファンだという塚本は、楠田にもう一度小説を書いてほしいと、新しい小説の資料をさしだす。 が、楠田は、小説を書く気はないとつっぱねる。
 千加のバイト先で、大晦日の夜から登山をする「初日の出ツアー」が計画される。興味を持った千加は、謙一と吉見を誘う。
 大晦日まで仕事がある謙一だが、参加してもよいと返事。千加は喜ぶ。
 塚本が再び小説の資料を持って、楠田のもとに押しかけてくる。楠田はにべもなく塚本を追い返すが、美保は深夜、楠田が塚本の置いていった資料を真剣な顔で読んでいるのを見てしまう。

<第54回>
 楠田は塚本の持ってきた小説の資料に興味を持ち、自分でも図書館へ行って調べてくる。美保は、楠田に小説を書かせてあげたい気持ちと書いてほしくない持ちが交錯して、悩む。
 千加が初日の出ツアーの申込みをすませ、準備にはりきる。
 丈太郎から、大晦日に来るという知らせが届く。千加はツアー中止の決心をするが、信子の計らいで行けるようになる。
 十二月三十日の夜、美保が十二指腸潰瘍で緊急入院。二週間の安静が必要だという。
 美保からは止められるが、楠田は翌日、謙一に連絡。千加は初日の出ツアーをやめて、謙一と吉見に見舞いに行くようすすめる。

<第55回>
 大晦日の朝、美保の緊急入院を知った謙一は、吉見と見舞いに駆けつける。
 楠田は吉見に、今まで通り美保と会うように話をし、二人が会うときは自分は消えると約束する。
 千加は、初日の出ツアーに行けなくなったことを峻也に伝えにいく。涙を浮かべる千加を見て、思わずキスしてしまう峻也。
 夜、岩手から丈太郎と小松原が上京して、大庭家は久しぶりに賑やかになる。夕食の支度をする信子は、なんとなく嬉しそうだ。
 謙一と吉見が早ばやと寝てしまい、千加は除夜の鐘を聞きながら、一人寂しく年越しそばを食べる。
 美保は病院のベッドの中で、楠田とともに除夜の鐘を聞いていた。

<第56回>
 新しい年が明けた。康二、ガールフレンドを連れた浩介が年始の挨拶にやってきて、大庭家はますます明るい雰囲気に包まれる。謙一は人前ではとりつくろっていたが、千加に対してはどうしても優しくなれない。
 美保の見舞いにいったとき、謙一は、美保を強い女だと思い、離婚の選択をしたことを謝った。
 が、美保は、「後悔していない。私には離婚が必要だった」と。
 初日の出ツアーから戻った峻也が、千加に山頂の神社のお守りを渡し、突然キスした事を、何度もごめんなと謝る。千加はぎこちなく、気にしていないと答える。
 丈太郎と小松原が岩手へ帰っていく。淋しく見送る信子。

<第57回>
 三学期が始まる。吉見のクラスでは、今までいじめっ子だった水野が、仲間の緑川と永瀬にいじめられるようになる。
 楠田が、塚本の持ってきた資料をもとにもう一度小説を書いてみたいと言いだす。今の穏やかな生活を守りたい美保は反対する。
 峻也から、今夜から山に登るという電話が千加に入る。千加は急いでお守りを手に入れ、峻也に届ける。
 それを知った謙一は憮然。千加のことを愛しているかどうかわからない、と信子にもらす。
 小説を書くのを美保に反対された楠田は、それから二日間、病院に来なかった。
 美保は病院を抜け出し、小説を書くよう楠田に言いにいく。

<第58回>
 楠田は小説を書きあげ、塚本に提出する。塚本は歯に衣を着せぬ言い方で、陳腐すぎると批評し、もう一度書き直してほしいという。楠田は打ちのめされるが、美保の前では、塚本にほめられたと虚勢を張る。
 峻也が遭難。現地に向かったマスターにかわって、千加が店の留守番をつとめ、そのままそこに泊まってしまう。
 翌日も千加は一旦家に戻ってから、すぐにまた店に出かけていく。謙一と千加の間はますますとげとげしくなり、結婚したのは間違いだったのかとののしり合う。
 まもなく、峻也が無事戻ってくる。泣きそうな笑顔で喜ぶ千加に、峻也は結婚を申し込む。

<第59回>
 美保が退院。小説のことで頭がいっぱいの楠田は、迎えにいくのも忘れていた。
 楠田の原稿用紙が白紙なのを見た美保は、塚本に会い、楠田の作品の本当の評価を知る。
 美保は一週間の取材旅行に出かけていく。その留守中、歌子がやってきて、楠田の好きなリンゴと見舞金を置いていく。
 吉見は放課後、水野が緑川らにいじめられているのを見つけ、助けようとする。
 が、逆に痛めつけられ、助けを求めて叫んでしまう。腕を脱臼、女子に助けられた吉見は、全然強くなっていない自分が情けなかった。
 美保が取材旅行から戻る。
 楠田がホテルにこもって小説を書きたいというので、美保は承知する。

<第60回>
 吉見がスーパーで万引きをしてつかまる。店長から保護者の連絡先を聞かれ、吉見は思わず、美保の電話番号を言ってしまう。
 たまたま美保のマンションにいた楠田が店長からの電話を受け、吉見を引き取りにいく。吉見を殴りつけた楠田は、万引きのことは二人だけの秘密にしておくという。
 翌日、吉見は美保にだけは万引きのことを打ち明けようと会いにいく。 が、とうとう言いだせなかった。
 その夜、店長が大庭家にやってきて、万引きのことが謙一夫婦にわかってしまう。ショックを受けた謙一は美保に、吉見は美保と暮らしたほうがいいのかもしれないときりだす。


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