<第21回> <第22回> <第23回> <第24回> <第25回>
<第26回> <第27回> <第28回> <第29回> <第30回>


<第21回>
 夏休みが来週に迫り、青柳先生が林間学校の話を持ちだす。吉見と和子だけがまだ出欠の返事を出していない。
 吉見は丈太郎に、強くなる方法を教えてほしい、と手紙を書く。吉見がイジメにあっている、とピンときた丈太郎は、謙一に電話をかけ、父親として何とかするよう叱りとばす。
 まもなく、丈太郎から吉見に手紙が届く。“強い心”を見つけに、岩手に来いと……。
 楠田と関係を持った美保は、自分が女であることを深く感じる。二人の関係に気づいた香は、楠田は情事の相手にはいいが、恋の相手にはならない、と美保に忠告。
 美保は傷つく。

<第22回>
終業式。岩手の丈太郎の所へ行く決心をした吉見は、林間学校不参加の返事を青柳先生に出す。明日から夏休みでしばらく学校へ来なくてもいいと思うと、吉見は心からほっとする。
 謙一と千加は、岩手に行って環境が変われば、何かイジメの解決策が見つかるかもしれない、と期待を持つ。
 吉見から岩手行きの連絡を受けた直後、美保は楠田に呼び出される。明日からの金沢での取材に同行してほしいという。
 公私混同の嫌いな美保はきっぱりと断る。かわりに香が同行することに。
 翌日、吉見は岩手へ出発する。たまたま浩介も一緒に行くことになり、二人で丈太郎の住む寺に到着。

<第23回>
 吉見の岩手での生活が始まる。丈太郎は山奥で子どもたちのために寺小屋を開くのが理想だった。目下の生徒は、吉見と同じ年の正一、一人きりだ。朝五時起床。寺の掃除をして、丈太郎に剣道を教えてもらって、やっと朝食だ。
 が、体を動かした後の朝ご飯はとてもおいしい。
 一方、浩介は東京に帰りたいが、旅費がなかった。
 楠田の取材に同行した香が帰ってくる。思わせぶりな香の態度に、嫉妬がわいてくる美保。
 その夜、楠田が美保のマンションに訪ねてくるが、楠田を信用できない美保は追い返す。 その時、浩介からの手紙で、美保は吉見のイジメを知る。

<第24回>
 吉見がイジメを受けていたのを知った美保は、岩手に駆けつける。
 美保は丈太郎に、母親として吉見の心を何も察してやれなかった自分が恥ずかしい、と語る。丈太郎は、吉見が子ども本来の生命力をとり戻すのを信じていると。
 吉見は強くなるために、剣道の練習に打ち込む。そんな姿を頼もしそうに見守る美保。
 楠田から美保に、早く東京に帰ってくるよう電話がかかってくる。美保はとりつく島もなく電話をきるが、心が揺れる。
 丈太郎から、吉見は大丈夫だ、といわれた美保は、東京へ帰ることにする。寺近くの駅のホームで、楠田が待っていた。

<第25回>  岩手まで美保を追いかけてきた楠田は、悪びれた様子もなく美保に告白。楠田と恋に落ちることをこわがっていた美保だが、ついに覚悟を決めて、楠田の胸にとびこむ。
 吉見から謙一に、元気にやっているという手紙が届く。同封されていた写真には、丈太郎の世話をしているトシもうつっていて、信子は気にする。
 千加は吉見のために、こっそりお百度を踏む。
 岩手から戻った美保に、香が楠田と一緒だったのだろうと疑惑の目を向ける。以前楠田に本気で惚れて、自殺未遂をはかった女性がいる、と美保を脅す香。
 強くなりたい一心で剣道に励む吉見が、初めて正一にも、浩介にも勝った。

<第26回>
 夏休みも終わりに近づき、岩手から吉見が帰ってくる。丈太郎の剣道で鍛えられた吉見は、前より少し「強い心」の人間になれたような気がしていた。
 そして、いよいよ二学期が始まった。
 吉見は相変わらずクラスの皆から無視されるが、落ち込まないで、思いきって和子に話しかける。
 すると、今まで口を閉ざしていた和子が、一言、二言答えてくれる。
 吉見は元気に帰宅。岩手から戻ってぐんと大人びた吉見に、千加はほっとする。
 美保も吉見のことを気にかけながらも、土曜日に一緒に過ごす約束が、なかなか守れなかった。実は、楠田が美保のマンションに引っ越してきたのだ。

<第27回>
 ある夜、楠田が行き先も告げずに外出したまま、朝帰りする。どうやら香と飲んでいたらしいが、美保は詮索しない。伍郎は、美保が楠田にとってただの都合のいい女にならなければいいが、と心配する。
 吉見のクラスでは、いじめが町子に移る。町子は今までクラスの人気者だったが、夏休みにハワイへ行ったことを自慢したために、皆の反感をかったらしい。
 吉見は町子をかばってやりたいが、和子のときのようにまたひどいいじめが自分に向ってくるのではないかと思い、勇気が出ない。
 そんなとき、町子の母親が、町子がいじめられるのは吉見のせいだ、と大庭家に文句を言いにくる。吉見は誤解だと反論したいが…

<第28回>
 いじめにあった町子が、学校に来なくなる。
 青柳先生は授業を変更して、いじめの問題についてクラスで話し合う。いじめなどしていない、と主張する子どもたち。
 話は一学期の吉見に対するゴキブリ事件にも及ぶが、クラスのほとんどはイタズラだという。
 そんな中、和子だけははっきりといじめだと主張する。
 美保は、ほとんど半同棲状態の楠田との生活に溺れていた。楠田は相変わらず自己中心的で、気まぐれで、今も仕事が完了した三日前から、ふらりと出かけたまま帰ってこない。
 その楠田が、若い女の子連れでグアムへ行っていることがわかる。

<第29回>
 丈太郎が突然、岩手からやってくる。親友の小松原の見舞いにきたといい、老人ホームに入りたくない小松原を岩手へ連れていくかもしれないと。
 一年ぶりに会った丈太郎と信子は、どことなく他人行儀だった。信子は気になっていたトシのことを聞いてみたりする。
 千加が丈太郎に初対面の挨拶をする。ショートパンツとTシャツ姿の千加に、目を丸くする丈太郎。妻としての慎みがない、と謙一に苦言を呈する。
 その夜、大阪から康二もやってきて、久しぶりに父子で酒を酌み交す。信子に遠慮して、謙一たちの住む離れで寝るという丈太郎を、康二は信子のいる母屋へ引っぱっていく。

<第30回>
 丈太郎は一晩泊まっただけで、岩手へ帰っていく。信子はがっかりするが、表情には出さない。
 美保は浩介に頼まれて、モデルの仕事を紹介する。
 が、男性関係の派手な編集長・スミ子が浩介を気にいった様子なので、少し心配だ。
 楠田がグアムから帰ってくる。美保は別れようとするが、楠田に口説かれると、つい許してしまう。
 土曜日の夜、吉見が美保のマンションに泊まりにくる。
 美保は、まもなく訪ねてきた楠田を「仲良し」として吉見に紹介。不愉快になった吉見は、勝手に帰ってきてしまう。
 吉見は美保の恋人のことを謙一に話す。


戻る


[第1-10回] [第11-20回] [第21-30回] [第31-40回] [第41-50回] [第51-60回] [第61-64回]