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<第11回>
 翌年四月。吉見は小学六年生。最近、千加が新しいママとして、大庭家にやってきた。自分のママは美保しかいないと思う吉見は、謙一からいくら注意されても、千加を“チカちゃん”としか呼ばない。
 吉見はクラスメートの加納にだけ、両親の離婚のことを話していた。
 吉見のクラスに、転入生和子が来る。和子は丈太郎のいる岩手県から引っ越してきた。丈太郎は元気そうで、吉見を励ます便りが岩手から届く。
 美保は離婚をバネにして、仕事に生きようと必死だった。同僚の香は美保に恋愛を勧め、恋愛小説家の楠田の取材をお膳立てする。
 取材先のホテルで、楠田はバスローブ姿で現れる。

<第12回>
 吉見の授業参観日。千加は張り切って出席するが、吉見は両親の離婚をクラスメートたちに知られ、恥ずかしくてたまらない。
 ホテルの部屋で楠田の取材をした美保は、香から楠田に口説かれなかったかと聞かれる。香は初対面で楠田に誘惑され、関係を持ったというので、美保は驚く。
 美保はもう一度、ホテルで楠田の取材をする。土曜日に会いたい、と楠田から誘われたので、美保は土曜日は予定があるといって断る。毎週土曜日は、吉見が美保のマンションに泊まりにくる予定になっていた。
 その日、吉見から和子が方言のことでいじめられていると聞かされた美保は、和子の味方になってあげるようたしなめる。

<第13回>
 美保のマンションに楠田から、今夜食事につきあってほしい、というファックスが届く。
 美保は迷うが、夜、街で偶然ダンス教室帰りの信子と会う。美保は信子をマンションに案内し、一緒に夕食をとる。信子は千加に対する不満をこぼす。
 信子が帰った後、楠田から電話がかかってくる。どうしても会いたいと迫られるが、美保はきっぱりと断る。
 翌日の夜も、楠田から美保に誘いの電話がかかってくる。美保はやはり相手にしない。
 吉見のクラスで、和子へのいじめが始まる。吉見は美保に言われたとおり和子をかばうが、友達に変な目で見られる。

<第14回>
 楠田の妻・歌子が、突然美保の会社にやってくる。香は歌子と顔なじみだったが、美保は初対面。楠田が原稿が書けなくて困っているから会ってやってほしい、と美保は歌子に頼まれる。
 その夜、美保はホテルに楠田を訪ねる。美保と本物の恋がしたい、と訴える楠田。美保はちょっぴり優越感を感じながらも、楠田の恋の相手にはなれない、とはっきり答える。
 和子をかばった吉見が、クラスメートたちから無視される。毎年招待されていた町子の誕生会にも呼ばれないし、いつも一緒に帰っていた加納からも冷たくされる。
 落ちこんだ吉見は、早く美保に会いたい、と土曜日を待つ。

<第15回>
 土曜日、美保は楠田から再び夕食に誘われる。その日は吉見がマンションに泊まりにくる日だったが、ふっと母親であることから一時逃れたいと思った美保は、楠田の誘いを受け入れる。
 吉見には、仕事で会えないと連絡する。
 吉見は公園で、和子が妹たちと別人のような笑顔で遊んでいるのを見かける。吉見は声をかけるが、和子は無言で逃げていく。
 無性に美保に会いたくなった吉見は、美保のマンションへ行き、ドアの前で帰りを待つ。
 が、待ちくたびれて、自分が来た目印のガムをドアのすきまにはさんで帰る。
 美保が楠田を連れて部屋に帰ってくる。ガムを見つけた美保は…。

<第16回>
 土曜日の夜、楠田と会っていて帰宅が遅くなった美保は、留守に吉見が来ていたのを知り、後ろめたい気持ちで大庭家へ電話をする。
 すると、吉見はまだ帰っていないという。
 美保は心配で夜も眠れなかったが、翌朝、謙一から今、吉見が帰ってきたという知らせが届く。美保に会えなかった吉見は、浩介に誘われるまま、浩介の知り合いの家に泊まったという。
 翌日、浩介が吉見の様子を見にくる。土曜日、吉見が家で泣いていたことを浩介から聞かされた信子は、心配して美保に知らせる。美保は、吉見を引きとろうか・・・、と思い悩む。
 そんな折、楠田から美保に、吉見を連れて海水浴に来ないかと誘いがかかる。

<第17回>
朝、千加がよく寝坊をするので、吉見は一人で簡単な朝ごはんを食べることが多かった。 それを知った信子は、美保に報告。
 そして、千加に母親としての自覚が足りない、と説教する。
 謙一は千加をかばう。怒った信子は、吉見を母屋に引きとると言いだす。
 吉見は母屋には行かないという。信子は腹の虫がおさまらない。
 美保は謙一に、吉見を引きとりたいときりだす。 が、謙一はきっぱりと断る。
 土曜日、美保は吉見を連れて、樟田の自宅のある葉山の海へ行く。楠田が強引に美保にキスするのを、吉見が目撃する。

<第18回>
吉見は相変わらずクラスのみんなから無視され、学校へ行くのが憂うつだった。
 そんなある夜、吉見が熱を出す。信子は吉見の体調の変化に気づかなかった千加を責め、医者だ、薬だ、と大騒ぎする。 吉見は風邪で学校を休むが、このまま学校へ行きたくなくて、薬を飲まなかったり、わざと体温計の熱を上げたりする。 吉見はまた、美保と楠田の関係が気になり、気分が落ち込む。 美保の事務所に、楠田が突然やってくる。香にふりまわされている美保を、スタッフの伍郎は心配する。 その夜、バーにいる楠田から、美保に誘いの電話がかかってくる。どうやら香と一緒らしい。

<第19回>
 風邪で一週間学校を休んで、吉見は登校する。もともと苦手な算数はますますわからなくなるし、体操服は隠されるし、散ざんな一日だった。
 翌日、吉見が教室に入ると、椅子の上に、ゴキブリの死骸をびっしり貼った厚紙が置いてあった。パニックになった吉見は、千加に助けを求める電話をかける。 千加は教室に乗り込み、担当の青柳にいじめを指摘。ゴキブリを置いた犯人をつきとめる。 が、それ以後も吉見へのいじめはエスカレートする。 待ちに待った土曜日、吉見は美保にはいじめのことなどは一切言わない。美保に楠田から電話がかかってきたので、吉見は気にかかる。

<第20回>
 信子は春江、妙と一緒にダンスに熱中していた。春江は、ダンス仲間の横山が信子に好意を持っているといい、再婚をすすめる。
 信子はその気になるが、実は横山は妙にプロポーズしていた。傷つく信子・・・。
 美保は街で偶然、謙一の弟・康二と会う。大阪で中学教師をしている康二は、美保が離婚後、見違えるほどきれいになっていたので驚く。
 その夜、楠田が美保のマンションに原稿を届けにくる。本気で恋をしている、と楠田に抱きしめられ、応じてしまう美保。
 美保は吉見に、明日の土曜日は仕事で会えない、と電話する。吉見は直感で、美保は楠田と会っているのだと感じる。


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