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<第41回> <第42回> <第43回> <第44回> <第45回> <第46回> <第47回> <第48回> <第49回> <第50回><第41回> 「窮地に立つ女将」
店の再建に頭を悩ませる瑠璃子に、むら枝がある実業家への身売りの話を持ってくる。思い余った瑠璃子は兄の光一に相談するが、光一にも金の工面はできなかった。
そんなとき、直也が店にやってくる。間一髪、登美子と顔を合わせずにすむが、瑠璃子は、もう店に来ないでほしい、と冷たく直也を追い返す。直也は突然の瑠璃子の態度の変化に戸惑う。
美奈子が瑠璃子の身売りの話を直也に知らせる。直也は瑠璃子がそんな話に乗るとは信じられないが、不安になる。
むら枝が身売りの話を具体的に決めてくる。廓の娼婦として付き合うことが条件で、瑠璃子は決断を迫られる。<第42回> 「苦渋の決断・・・」
身売りの話を知った直也は、手持ちの金をかき集めて、瑠璃子を助けようとする。
が、登美子に妨害され、失敗に終わる。
瑠璃子は実業家・宮畑への身売りの話を承知する。登美子を苦しめている自分を罰するためにも、また直也との絆を断ち切るためにそうしたほうがいいと決意したのだ。
その頃、直也ははま子から金を用立ててもらう話をつけていた。
翌日、むら枝が宮畑を連れて、瑠璃子の店にやってくる。瑠璃子は希望どおり娼婦の格好をして宮畑の前に現れる。
が、そんな瑠璃子を見て、宮畑は以外な感想を洩らした。<第43回> 「侵しがたい気品」
瑠璃子は宮畑に身を任せる決意をするが、いざとなると、体が激しく拒否反応を起こす。瑠璃子は過去の辛い恋の思い出を打ち明ける。不憫に思った宮畑は、瑠璃子を自分のものにするのをあきらめる。
そこへ、金の工面ができた直也が飛び込んでくる。瑠璃子は宮畑と関係を持った芝居をして、直也に妻のもとに戻るようつれなくする。
直也は衝撃を受けて帰っていく。
その姿を見た登美子は、もう娼婦をやめよう、とにんまりする。
宮畑は、瑠璃子の直也への強い愛に心を打たれる。これからも瑠璃子には指一本触れないが、ときどき会いにきたいと申し出る。<第44回> 「復讐は終わらない」
娼婦をやめる決意をした登美子は、精算のため店へ行く。
瑠璃子は宮畑の相手をしているところだった。その座敷の前を通りかかった登美子は、二人の会話を聞いてしまう。瑠璃子がまだ純潔なのを知り、愕然とする登美子。
宮畑を送り出し、瑠璃子が事務所へ行くと、登美子が待ちかまえていた。直也の妻であることを打ち明けた登美子は、オメガの時計を奪い、店をやめないことを宣言する。
それからまもなく、直也のもとに、瑠璃子の名前で相次いで郵便物が届く。最初に届いた封筒の中にはオメガの時計が、次の封筒の中には真珠の首飾りが入っていた。<第45回> 「美奈子の懺悔」
真珠の首飾りがなくなっているのに気付いた瑠璃子は、登美子を追及する。登美子は白を切り、瑠璃子を揶揄するような態度をとる。
一方、首飾りを送り返された直也は、瑠璃子の真意を確かめにいく。瑠璃子は直也を傷つけるような言葉を浴びせかけ、冷淡に追い返す。
その様子を見ていた美奈子は良心の呵責を感じ、直也に、四年前の瑠璃子の事故は自分が仕組んだものだと告白する。
そして、二人の愛を貫いてほしい、と訴える。
そんなとき、登美子は直也を誘って、レストランへいく。
そこで、偶然、店での馴染み客・中溝に声をかけられる。<第46回> 「狡猾な脅迫者」
直也と入ったレストランで、登美子は偶然、中溝と顔を合わせる。「リリー」と声をかけられ、登美子は逃げるようにレストランを出る。
翌日、直也の会社に中溝が訪ねてくる。中溝はライバルの造船会社の資材部長で、直也の会社が手がけているタンカーの仕事を譲ってほしいときりだす。
直也が相手にしないと、中溝は、大変なスキャンダルに巻き込まれることになる、と脅迫めいた言葉を残していく。
その夜、瑠璃子の店に中溝がやってくる。登美子は断りきれなくて中溝と部屋に入るが、暴力をふるわれる。そこへ、登美子の馴染み客が駆けつけ、中溝に襲いかかる。<第47回> 「おぞましい真実」
登美子をめぐって、中溝と別の客が暴力事件を起こす。瑠璃子は登美子を辞めさせようとするが、登美子は拒否する。
翌日、直也の会社に再び、中溝が訪ねてくる。全治二週間の顔の怪我を見せつけた中溝は、怪我は登美子に責任があると主張。登美子が娼婦をしていることを暴露する。
直也は信じられなかった。
が、登美子に問いただす勇気はない。美奈子に聞くが、教えてくれなかった。
次の日の夜、直也は登美子を尾行。瑠璃子の店へ入っていくのを目撃して、衝撃を受ける。
直也は店に入り、登美子を連れ帰ろうとする。登美子は錯乱して、激しく抵抗する。<第48回> 「痛ましい結末」
直也は瑠璃子の店から登美子を連れ帰る。登美子は殺してほしい、と嗚咽。瑠璃子が今でも純潔であることを語る。
翌日、登美子のことが心配な瑠璃子は、直也の家を訪ねる。登美子は実家へ帰ると言いだし、「瑠璃子よりもずっと直也のことを愛していた」と泣きながら出て行く。
直也はタンカーの仕事を中溝の会社に譲る。直輔からどんな弱みを握られているのか追及されるが、口を閉ざす。
不吉な思いに襲われた直也は、登美子の実家に連絡する。登美子はまだ帰っていないという。
その頃、登美子は瑠璃子の店へ行き、毒を飲んで自殺を図る。<第49回> 「別れの決意」
登美子が毒を飲んで、自殺。瑠璃子も直也も打ちのめされる。
葬儀の日、瑠璃子は焼香に行く。
が、直輔から、登美子の自殺の原因とののしられ、けんもほろろに追い返される。
そんなとき、登美子のスキャンダル記事が週刊誌に掲載される。直輔は苦りきった顔で、直也に謹慎を言い渡す。
直也は浴びるように酒を呑み、様子を見に来た美奈子にからむ。その痛ましい姿に、美奈子は泣きじゃくる。
瑠璃子は今度こそきっぱりと別れを告げるために、直也に会いにいく。直也も自分の気持ちにけりをつける。<第50回> 「芽生えたいのち」
登美子の死をきっかけに、瑠璃子と直也はきっぱりと別れる。
一ヵ月後、平穏な暮らしが戻ってきた瑠璃子に、衝撃的な事件が起きる。夕子が妊娠。父親は直也だという。
瑠璃子は夕子を自宅で静養させ、今後のことを考える。
直也は謹慎が解け、仕事に復帰。直輔は人事部の殿岡を直也の監視役につける。
瑠璃子は久しぶりにはま子の店へ行く。すると、直也が社員を連れてやってくる。瑠璃子は気づかれないように店を出るが、中から聞こえてくる直也の懐かしい声に、胸が熱くなる。
瑠璃子は夕子に子どもを産んでほしいといい、一緒に育てようと励ます。