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<第21回> 「病院からの脱走」
 直也との恋に破れた玲子が自殺。玲子と最後に会った瑠璃子は、衝撃におののく。
 一方、直也も玲子の死に良心の呵責を感じる。
 が、瑠璃子への思いは断ち切れず、シンガポールへ連れていきたいと思いつめる。
 夜、葉山は荒れ狂う嵐になり、別荘は停電する。心細い思いで荘田の帰りを待つ瑠璃子に、美奈子から電話がかかる。種彦が病院から脱走して行方不明だと。
 まもなく、勝平が帰宅。瑠璃子はほっとするが、寝室では今までどおり勝平を寄せつけない。
 その頃、種彦が荘田家に舞い戻り、入院させられた恨みから、家を破壊し始める。

<第22回> 「嵐の夜の惨劇」
 種彦が別荘に乗り込んできて、勝平を日本刀で刺す。種彦に罪を着せたくない勝平は、自分で刺したことにしてほしい、と瑠璃子に言い残して、息を引きとる。 刑事が事情聴取に来る。瑠璃子は種彦をかばうが、居たたまれなくなった種彦は、自白する。
 勝平の葬儀が済み、むら枝が瑠璃子を荘田家から追い出そうとする。美奈子と親子水入らずで暮らすつもりだったが、美奈子は嫌がり、瑠璃子を引きとめる。瑠璃子も子どもたちへの責任を感じて、今後のことを思案する。
 そんなとき、直也から瑠璃子に電話がかかってくる。直也は一刻も早く瑠璃子に会いたいと思うが、瑠璃子は自重して電話に出ない。

<第23回> 「人生のリセット」
 勝平の葬儀から数日後、瑠璃子が実家へ行くと、直也が訪ねてくる。シンガポール行きが迫った直也は、瑠璃子を一緒に連れて行こうとするが、種彦の裁判のことが気にかかる瑠璃子は二の足を踏む。
 瑠璃子はまた、美奈子から、ずっと一緒に暮らしてほしい、と涙ながらに訴えられる。
 初七日の法要を終え、気持ちが落ち着いてきた瑠璃子は、直也とシンガポールへ行く決心をする。四日後、思い出の伊豆の旅館で、直也と落ち合う約束をする。
 当日、徳光に見送られて家を出た瑠璃子は、直也のことを思いながら、車に乗る。
 が、突然、思いもよらない出来事が・・・。

<第24回> 「運命変えた出来事」
 直也と待ち合わせの場所へ行く途中、瑠璃子は交通事故に遭い、病院へ運ばれる。約束をすっぽかされたと思った直也は一人でシンガポールへ旅立つ。
 四年後、直也が帰国。父の勧めで平凡な女性・登美子と結婚し、幸せな家庭を築いていた。
 直也は瑠璃子が今でも荘田家にいることを耳にしていたが、彼女のことは心の奥深くに封印していた。
 ある日、直也は登美子と温泉旅行へ行く。選んだ場所は思い出の修善寺の旅館で、登美子が一足先に出発する。
 夕方、直也はタクシーで旅館に向かう。青木という大学院生と相乗りになるが、途中でタクシーが激しくスリップする。

<第25回> 「偶然の出会い」
 直也の乗ったタクシーが事故を起こし、同乗していた青木という若者が息を引きとる。青木は亡くなる前に、持っていたノートの処分と、ルリコという女性に腕時計を返してほしいことを直也に言い残す。
 軽傷ですんだ直也は登美子の待つ旅館へ着く。泊まった部屋は以前瑠璃子と落ち合った部屋で、直也は辛い過去のことが脳裏によみがえってくる。
 翌朝、新聞に青木の死亡記事が載る。青木は紡績会社の御曹司だった。
 その夜、直也は青木のノートを読む。そこには、ルリコという女性への激しい愛と憎しみが綴られていた。
 旅行から帰った直也は、青木の葬儀に行く。そこで偶然、瑠璃子と再会する。

<第26回> 「振鈴館という店」
 青木の葬儀で、直也は瑠璃子と再会。瑠璃子から「振鈴館」の名刺を差し出される。
 瑠璃子は荘田家で美奈子と暮らしていた。美奈子は新人女優。瑠璃子は四年前の交通事故は美奈子が仕組んだものではないかと疑っていた。
 翌日、直也は青木の遺言をはたすために、「振鈴館」へ行く。吉原にあるその店は娼館で、直也は驚く。
 瑠璃子は店の経営者で、店のサロンには、瑠璃子を崇拝する大学教授や芸術家たちがたむろしていた。青木もその一人だった。
 やがて、瑠璃子が皆の前に現れる。青木の死を深刻に受けとめていない瑠璃子に、直也は青木のノートを手渡す。

<第27回> 「退廃的な生活」
 青木のノートを読みかけた瑠璃子は、不快感を示して直也に突き返す。直也は青木の心を弄んだ瑠璃子を非難。
 が、瑠璃子は平然としていて、取り巻きの男たちも瑠璃子をかばう。かっとなった直也は、青木から預かった腕時計を床に叩きつける。
 帰り道、直也は背広のポケットに青木の時計があるのに気付き、はっとする。間違えて、登美子から貰ったオメガの腕時計を叩き返したのだ。
 直也に軽蔑されても、美奈子や服役中の種彦を育てるために、瑠璃子は遊郭をやめるわけにはいかなかった。この商売を選んだことで、徳光からも勘当されていた。

<第28回> 「最大の親不孝」
 瑠璃子の店に、十七歳の娘が女衒に連れられて来る。源氏名を「夕子」に決めた瑠璃子は、その不幸な境遇の娘にできるだけやさしく接する。
 徳光が心筋梗塞の発作を起こし、危険な状態になる。瑠璃子は実家に駆けつけるが、徳光は勘当を許してくれず、冷たく追い返される。
 直也は登美子からオメガの腕時計のことを聞かれ、会社においてある、とごまかす。青木の腕時計はこっそり寝室の戸棚に隠すが、それを登美子に見つけられる。
 直也はオメガの腕時計を取り戻そうと、再び瑠璃子を訪ねる。
 が、瑠璃子は返したくないという。

<第29回> 「箪笥の奥の秘密」
 瑠璃子は直也に、シンガポールへ行けなかった交通事故のことを打ち明ける。
 そして、今の自分は穢れた世界に住み、すっかり変わってしまったことを伝える。
 直也は瑠璃子を恨んでいたことを後悔し、青木の時計をそのまま持って帰る。
 そんなある日、直也が帰宅すると、登美子が部屋中を引っかきまわして、直也の隠し事を探ろうとしていた。直也は思わず、登美子を殴りつけるが、登美子はますます夫に女性の影を感じる。
 夕子の兄が金の無心に来る。瑠璃子は黙って用立ててやる。心苦しく思った夕子は、自分もそろそろ客を取らせてほしいと瑠璃子にきりだす。

<第30回> 「特別なお願い」
 瑠璃子は夕子の水揚げの相手に直也を選び、夕子と直也を引き合わせる。瑠璃子の気持ちが理解できない直也は、憤然として帰っていく。
 夕子も瑠璃子と直也の関係を察して、困惑する。瑠璃子は、自分の身代わりに直也と結ばれてほしい、と夕子に訴える。
 直也が箪笥の奥に隠していた秘密の小箱を、登美子が見つける。中には瑠璃子の写真や手紙が入っていた。動かぬ証拠品を手に入れた登美子は、直也の前ではそ知らぬ顔をする。
 登美子は直輔に瑠璃子のことを聞く。直輔はあくまでもとぼける。
 瑠璃子が直也の会社に訪ねてくる。水揚げの件で、改めて頼みに来たという。


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