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<第31回> 「登美子の妄想」
 瑠璃子は夕子の水揚げをもう一度直也に懇願するが、直也は困惑するばかりだ。
 会社で瑠璃子の姿を見かけた直輔は、登美子に瑠璃子のことを感づかれているのではないか、と直也に忠白する。
 その頃、登美子ははま子に瑠璃子のことを尋ねていた。はま子は白を切るが、登美子の執拗さに閉口する。
 その夜、登美子が瑠璃子の話題を持ち出したので、直也は過去のことだと一蹴する。
 が、登美子は納得せず、妄想をふくらませる。
 翌日、むら枝が相場氏の山岸を瑠璃子の店に連れてくる。夕子のことが気にいった山岸は、破格の高値で水揚げしたい、と持ちかける。

<第32回> 「夕子の水揚げ」
 むら枝に押し切られて、瑠璃子は夕子の水揚げの相手を山岸に決める。
 はま子の店で、登美子は瑠璃子の話をしている美奈子に会う。瑠璃子のことを教えてほしいと頼むと、瑠璃子の兄の経営する喫茶バーへ案内され、瑠璃子と直也の激しい恋のいきさつを知らされる。
 心をかき乱された登美子は、直也との間がますますぎくしゃくする。
 まもなく、夕子の水揚げの日がくる。宴会が始まり、固めの杯も済ませた頃、水揚げの決心をした直也が駆けつけてくる。
 瑠璃子は山岸に水揚げの中止を頼み。
 むら枝は怒り、支度金の四十万を払った山岸も承知しない。

<第33回> 「お気に入りの着物」
 夕子を水揚げするために、直也は山岸よりも高額の六十万を支払うと申し出る。山岸は鼻白んで帰っていく。
 それからまもなく、改めて夕子の水揚げの日がくる。瑠璃子は、昔、直也とデートしたときによく着た着物を夕子に着せる。
 直也は出張だと登美子に嘘をついて、瑠璃子の店に向かう。美奈子がその後をつけていて、登美子に報告する。
 その夜、固めの杯も済ませ、瑠璃子は直也と夕子を二人きりにする。直也は夕子の着ている着物のことを覚えていて、夕子に瑠璃子との思い出を語る。
 そして、夕子を抱き寄せるが、その胸元を見て、どきっとする。あの真珠の首飾りが・・・・・・。

<第34回> 「身代わりの一夜」
 瑠璃子の着物と首飾りを身につけた夕子と話しているうちに、直也の中で、夕子と瑠璃子のイメージが重なる。直也は瑠璃子の名を呼びながら、夕子と結ばれる。
 一方、瑠璃子も不思議な幸福感に包まれる。
 翌日、直也が出勤すると、登美子が待ちかまえていて、狂乱したように泣き出す。
 憮然として、登美子を追い返す直也。
 登美子は瑠璃子への復讐について、美奈子に相談する。美奈子は登美子が直也と結婚したのが間違いだといい、離婚を勧める。
 数日後、登美子は素性を隠して瑠璃子に会い、店で働かせてほしい、と頼む。
 瑠璃子は自由契約で雇い入れることにする。

<第35回> 「人妻リリー」
 瑠璃子の店で働くことが決まった登美子は、直也に知人のところで働きたいときりだす。登美子がいつになく楽しそうなので、息抜きにもなると思い、直也は快く承知する。
 二日後、登美子はリリーという名前で店に出る。瑠璃子の取り巻きの一人、権藤がリリーを指名したがるが、瑠璃子は無視する。
 直也から、水揚げのときの小切手について、瑠璃子に電話がかかる。小切手は燃やした、と答える瑠璃子。夕子は水揚げ以来一度も顔を出さない直也に、会いたい、と訴える。
 山岸が瑠璃子の店に現れる。そして、登美子を指名する。
 登美子は復讐のために、山岸に身を任せる。

<第36回> 「会いたくて・・・」
 種彦が四年の刑期を終えて出所してくる。刑務所で覚えた技術をいかして、家具職人になりたい、と顔を輝かせる。
 登美子が瑠璃子の店で働き始めて十日が過ぎ、初めての給料が支払われる。その金額の多さに、小躍りする登美子。瑠璃子は、無理をせずにもっと客を選んだほうがいい、と忠告するが、登美子は仕事が楽しいと答える。
 登美子は自分が直也にプレゼントしたオメガの時計を瑠璃子が持っていることを知る。
 直也は夕子の水揚げ以来、一度も瑠璃子の店には立ち寄らなかった。瑠璃子は罪の意識を感じながらも、直也に会いたいという思いを抑えることができない。

<第37回> 「愛情の行方」
 瑠璃子に会うのがためらわれる直也は、水揚げの支度金、六十万を美奈子に託す。
 それを瑠璃子の店に届けに行った美奈子は、思いもよらない登美子の姿を見かけ、唖然とする。
 その日、登美子は瑠璃子の取り巻きたちから、直也が夕子を水揚げしたことを知らされる。嫉妬のあまり、登美子は夕子につかみかかる。
 翌日、美奈子は直也を訪ね、登美子の仕事のことをそれとなく話題にする。何も気づいていない直也に、美奈子は面白いことがあるから瑠璃子の店へ行くようそそのかす。
 その夜、キクから切迫した声で瑠璃子に電話がかかる。

<第38回> 「魂の底からの愛」
 徳光の容体が悪い、と連絡を受けた瑠璃子は、病院へ駆けつける。そして、看病を申し出るが、拒否される。
 翌日、瑠璃子は種彦を連れて直也の会社を訪ねる。別の女性と結婚した直也を泣きながら責める種彦。直也は今でも瑠璃子を愛していることを告白する。
 その夜、直也は登美子から瑠璃子のことで問い詰められる。直也は瑠璃子とは二度と会わないと約束するが・・・・・・。
 二日後、キクに説得されて、徳光が荘田家にやってくる。瑠璃子は自分が純潔のままであることを打ち明ける。
 瑠璃子を不憫に思った徳光は、直也にそのことを伝えに行く。

<第39回> 「父の最期の言葉」
 徳光が息を引きとる。瑠璃子に、「万難を排して直也と愛し合うんだ!」と言い残して。
 直也は徳光の葬儀に列席する。瑠璃子は会いたい気持ちを直也に伝え、吉原の店に来てほしい、と懇願する。
 それからまもなく、直也が瑠璃子の店にやってくる。夕子を指名するが関係は持たずに、瑠璃子と話をして帰る。
 その直也の姿を見かけた登美子は驚愕し、ますます自暴自棄になる。
 帰宅した登美子は直也をたたき起こし、血走った目で瑠璃子との関係を追及する。直也は体の関係を否定、魂の愛を主張するが、かえってそれが、登美子を逆上させる。

<第40回> 「リリーの正体」
 店の経営が行き詰まり、瑠璃子は窮地に立たされる。その打開策として、むら枝はとんでもないことを言い出す。瑠璃子に躰を売れという。
 そんなとき、瑠璃子は美奈子からリリーの正体を知らされ、愕然とする。登美子の気持ちが理解できないが、直也にはもらさないよう、美奈子に厳しく口止めする。
 登美子が仲間の娼婦・めぐみの客を奪い、大喧嘩になる。素人の登美子が自堕落になっていくのを心配した瑠璃子は、しばらく店を休んだらどうか、と忠告する。
 登美子は聞き入れず、瑠璃子のプライベートな問題について、しつこく聞いてくる。


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