<第61回> <第62回>

<第61回>「生と死のはざまで」
 直也が多摩川の土手に自ら車をぶつけて自殺をはかる。
 麻美が病院へ駆けつけると、直也は危険な状態で、今晩一晩が山だという。麻美は直也の気持ちに何も気付かなかった自分を悔やむ。竜也も悲しみに打ちひしがれ、病院からふっといなくなる。
 冬樹は竜也を探して、直也のオフィスへ行く。すると、竜也は直也が最後に描いたデザイン画を参考に、型紙を起こしていた。竜也の辛い気持ちを察した冬樹は、自分も一緒にドレス作りを手伝う。そして、竜也の素晴らしい腕前に、思わず見入ってしまう。
 竜也はミシンをかけながら、自分が若かった頃の思い出を語る。

<第62回>「可能性を信じて」
 病院へ運ばれた翌朝、直也がうっすらと目を開く。麻美が声をかけると、直也は、「と・・・・・・べ・・・・・・」と言い残して息を引きとる。そこへ、竜也と冬樹が駆けつけてきて、徹夜して完成させた直也デザインのドレスを亡骸に見せる。
 直也の初七日が終わった日、麻美は直也デザインのドレスを着て、竜也とともに冬樹を訪ねる。直也の死をきっかけに、竜也と冬樹は和解する。冬樹は三年間パリへ行くことを告げる。
 それからまもなく、麻美は「飛ぶ」ために、自分のアトリエを開く。ブランドネームは「レッド」。「お互いに自分の力を信じて生きていけば、いつかまた巡り会える」と、冬樹は麻美と微笑みあう。(終)


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