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<第51回>「ふがいない後継者」
 竜也が進めていたレジャー投資が失敗し、十億の損失が出る。その危機を乗り切るため、竜也は直也と社長を交替することで、銀行と話し合う。が、銀行側は直也をあまり評価しておらず、担保として、将来性のある冬樹と提携することを条件に出す。
 そんなとき、麻美は冬樹に呼び出され、自分の店を手伝ってくれないかと誘われる。デザイナーとして冬樹の所で働くことはやりがいがあったが、芹川家の今の状況を考えると、実現できそうもなかった。そんな二人の姿を、竜也が目撃。麻美が不倫していると思い込み、激しく非難する。麻美は直也のためを思い、一言も弁解しなかった。

<第52回>「僕は女性を愛せない」
 麻美が冬樹と不倫していると誤解した竜也は、麻美にすぐ出ていくよう言い渡す。千賀子は夫婦で話し合ってから結論を出すべきだ、と麻美を引き止める。
 翌日、いつものように仁科のホテルから出勤した直也は、竜也がプレスの佐藤と、銀行の担保の条件について話し合っているのを聞いてしまう。冬樹が評価され、自分が認められなかったことに、衝撃を受ける直也。その夜、芹川家では仁科を食事に招くことになっていた。自暴自棄になった直也が酔って現れ、竜也と激しく口論。ついに、仁科が自分の恋人であることを告白する。
 そこへ、仁科がやってくる。

<第53回>「嘘で塗り固めた生活」
 直也が仁科との関係を竜也に告白した夜、仁科が芹川家に訪ねてくる。直也は人目もはばからずに仁科に取りすがり、竜也らを唖然とさせる。困惑した仁科は直也をたしなめ、逃げるように帰っていく。
 竜也は、直也を勘当すると口走る。麻美は直也を庇い、彼を追いつめた竜也を非難する。
 翌日、竜也は冬樹に連絡をとり、一緒に仕事をしてほしいと申し出る。竜也の力など借りたくない、と冬樹はきっぱりと断る。
 冬樹は直也のことを心配して、早く立ち直るよう励ます。
 一方、直也から署名捺印済みの離婚届を渡された麻美は、どうしたらよいのか考えあぐねていた。

<第54回>「破り捨てた離婚届」
 直也との関係を世間に知られたくない仁科は、直也としばらく距離を置くことにする。直也は落胆するが、耐えるしかない。
 直也が竜也から独立する決心をする。麻美は離婚届を破り、直也の再出発に協力することに。
 そんなとき、竜也が突然、直也のブランドを撤退させる、とスタッフたちに発表する。直也を見捨てた竜也に、麻美は怒りがこみあげてくる。
 冬樹が大賞をとったコンクールの主催者の記念パーティが開かれる。その挨拶の席上で、竜也が、冬樹が息子であることを公表。思い入れたっぷりに冬樹をほめたたえる。
 直也は衝撃を受け、会場から飛び出す。

<第55回>「ある愛の終わり・・・」
 竜也が冬樹を息子と認め、その才能を絶賛する。が、今までの冷たい仕打ちを思うと、冬樹は竜也を許せない。
 また、傷ついた直也のことを思うと、胸が痛む。
 竜也に見捨てられ、絶望した直也は、仁科に泣きつく。仁科は、直也が本当に求めているのは麻美だ、と指摘。全てを捨てて自分と生きていく覚悟があるのか、と直也に問いただす。
 返事ができない直也。失望した仁科は、直也との関係を終わりにする。
 憔悴して帰宅した直也は、麻美に苦しい胸のうちを打ち明ける。自分には直也が必要だ・・・・・・、と抱きつく麻美。直也は、たった今、仁科と別れてきたことを告げる。

<第56回>「異母兄弟の絆」
 パーティの翌日、直也は偶然、冬樹と会う。竜也を父親だとは思わないが、直也とは兄弟だと思っていたい、という冬樹の言葉に、暖かいものを感じる直也。笑顔を取り戻した直也は、麻美と独立する話を進める。
 竜也は冬樹の力がどうしてもほしくて、アトリエに直談判に行く。言葉巧みに誘ってみるが、直也を犠牲にしてまで話に乗る気はない、ときっぱりと断られる。
 竜也は銀行側に、冬樹との交渉が失敗に終わったことを告げ、融資の話はなかったことにしてほしい、と一方的に話し合いを打ち切る。

<第57回>「ブランドへの執着」
 竜也が仁科に、十億円の融資を頼みこむ。自分のグループの傘下に入ることを、仁科は条件として出すが、竜也は拒否。セリカワのブランドを守るため、土下座までする。
 仁科は融資を約束。そんな父の姿を見た直也は居たたまれなくなる。
 直也と麻美は、独立するための店探しを始める。いい物件が見つかり、やる気が出てきた直也は、竜也に独立を宣言する。
 すると、竜也は、「独立するのは勝手だが、ナオヤ・セリカワの名前を使うことは許さない」という。
 直也はショックで一睡もできない。
 あまりにもひどい仕打ちに、千賀子が竜也にある告白をする。

<第58回>「夢のような再会」
 直也が興信所に頼んで、麻美の母・洋子を探し出す。麻美は思いきって、二歳のときに別れた母に会いに行く。
 洋子は再婚して、夫の太田と都内で蕎麦屋を営んでいた。麻美を見た洋子は涙を浮かべ、家を出た事情を話す。そして、麻美の父親は光彦に間違いない、ときっぱりと答える。麻美は結婚して幸せなことを告げる。
 その頃、直也は冬樹に会い、麻美を冬樹に返したい、と告げていた。自分は一人でゼロからやり直すと。冬樹はその言葉の真意をはかりかねていた。
 その夜、洋子から麻美に電話があり、光彦ともう一度話し合いたいから、一緒に長野へ行ってほしい、と頼まれる。

<第59回>「二十年ぶりの和解」
 麻美は洋子とともに、実家へ帰る。光彦も克彦も洋子を見て、激しく動揺。拒絶の反応を見せる。洋子は、麻美の今後の人生のために、麻美の出生について決着をつけにきたといい、当時、自殺して身の潔白を証明しようとしたことを訴える。泣き伏す母の姿にたまらなくなった克彦は、洋子を信じきれなかった光彦を責める。
 まもなく、実家を後にした麻美らを克彦と明代が追いかけてくる。克彦は大学を再受験して、東京へ出るという。洋子は克彦と再会を約束する。
 続いて、光彦もやってくる。役所の仕事をしているという光彦は、洋子に今幸せかを聞き、麻美にもやさしい言葉をかける。

<第60回>「別れを告げる電話」
 長野から戻った麻美は、洋子を自分の仕事場に案内し、直也に紹介する。また、雪や冬樹にも紹介する。麻美はいい人たちと出会えて幸せだ、と涙ぐむ洋子。
 その夜、麻美は洋子を芹川家に泊め、親子水入らずで、過ごす。直也はオフィスでの徹夜仕事で帰らなかった。
 翌朝、麻美が出勤すると、直也の姿はなく、麻美をモデルにしたデザイン画と、麻美宛の手紙が置いてあった。手紙を読んだ麻美は蒼白になる。それは遺書だった。竜也は警察に届け、直也の行きそうな場所を探す。
 その夜、直也から麻美に、別れを告げる電話がかかってくる。


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