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<第31回> <第32回> <第33回> <第34回> <第35回> <第36回> <第37回> <第38回> <第39回> <第40回><第31回>「失った大切なもの」
芹川家に乗り込んできた冬樹は、麻美に会わせてほしい、と直也に頼む。直也は拒否。あきらめきれない冬樹は、「今夜八時に『リコッタ』で待っている」と麻美への伝言を頼む。が、直也はそれを伝えなかった。
その夜、冬樹は『リコッタ』で、何時間も麻美を待ち続ける。そこへ、直也が現れ、麻美は絶対に来ないことを断言する。
直也は麻美に、冬樹と会ったことを告げる。冬樹の名前を聞いただけで麻美は動揺して、すぐに話題を変える。
直也は、冬樹の所へ戻りたいのなら、そうしてもいい、と言って、麻美を抱きしめる。<第32回>「愛は戻ってこない」
芹川家で暮らすことになった麻美は、つとめて明るくふるまうが、折につけ冬樹のことを思い出し、胸が苦しくなる。
一方、冬樹は製作発表が迫っているのに仕事に集中できず、静音から発破をかけられる。
麻美は雪の店を訪ねる。雪は、冬樹のことを許してほしい、と謝り、これからも顔を見せてほしい、と淋しがる。
その後、麻美は直也のオフィスを訪ねる。ちょうど新作のサンプルができあがったところで、麻美はスタッフに頼まれ、そのドレスを身につける。仕事の熱気に包まれ、生き生きとしてくる麻美。
その夜も、冬樹は「リコッタ」で麻美を待っていた。<第33回>「栄光目前の落とし穴」
ある日、新聞に、冬樹と静音のスキャンダル記事が載る。静音は自分の身を守るために、冬樹との仕事をキャンセルして、別のデザイナーに乗り換える。
その記事を書いたのは、成子だった。
が、自分の愚かさを思い知らされた冬樹には、恨む気力もない。
その頃、麻美もスキャンダル記事を読み、冬樹のことを心配していた。
直也は、麻美が退院した翌日、冬樹が芹川家に来たことを麻美に告げ、伝言を隠していたことを打ち明ける。
そして、今夜も麻美を待っているだろう冬樹のもとへ行くよう、麻美を促す。
麻美は「リコッタ」へ駆け出す。<第34回>「彼女のことは忘れる」
冬樹に会うために、麻美は『リコッタ』へ駆けつけるが、冬樹は一足違いで帰ったあとだった。
麻美は冬樹のアトリエへ向かう。すると、冬樹と成子の話し声が聞こえてきて、冬樹が、麻美のことは忘れる、と言って、成子を抱きしめるのを見てしまう。冬樹は麻美の姿に気づくが、わざともう一度、成子を抱きしめ、去っていく麻美を止めなかった。
麻美は直也のもとに戻る。そして、直也と一緒にデザインの世界で働きたい、と申し出る。
直也は麻美に、自分の作品のモデルになってほしい、と頼み、麻美と結婚したいと思っていることを告白する。<第35回>「モデル・麻美の誕生」
麻美は直也専属のモデルとして、ファッション界に華々しくデビューする。麻美の赤い髪は皆の注目を浴び、大きな反響を呼ぶ。ファッション雑誌の表紙を飾る麻美の写真を見て、実家のミチも大喜び。光彦は相変わらず、怠惰な生活を送っていた。
一方、冬樹は自分の仕事に疑問を持ち始め、壁に突き当たる。
直也は麻美にプロポーズしたことを竜也に打ち明ける。憮然とする竜也。千賀子も怒って、麻美に家庭環境などを聞き、身分違いを自覚させる。
そんなとき、直也のオフィスに突然、光彦が訪ねてくる。元商社マンらしく、背広にネクタイをきちんと締めて・・・・・・。<第36回>「招かれざる父親」
光彦が突然、麻美に会いに来る。麻美は脅えるが、果たして、光彦は麻美の過去を脅迫材料にして、百万円要求してくる。
その二人の会話を偶然、冬樹が聞いていた。冬樹は麻美のために、こっそり光彦に金を渡す。
その夜、麻美は直也の家を出ていこうとする。が、直也に見つかり、過去の暴行事件などすべてを打ち明ける。
直也は光彦に会い、脅迫など怖くない、と毅然とした態度をとる。直也は麻美のためならすべてを捨てる覚悟ができていた。
麻美はモデルの契約料から、冬樹に金を返す。
光彦の娘に対する仕打ちを知ったミチは、激昴のあまり、その場にくずれ折れる。<第37回>「最愛の祖母の死」
ミチが倒れる。医者から末期の肺癌だと知らされ、愕然とする光彦。
自分の死期を悟ったのか、ミチは麻美に会いたがる。光彦は冬樹に連絡を取り、麻美に帰郷するよう頼んでもらう。
麻美は急ぎ、ミチのもとに駆けつける。麻美の顔を見て安心したのか、その夜、ミチは息を引き取る。
ミチの葬儀がすみ、東京へ戻ろうとする麻美に、光彦が赤いルビーの指輪をさしだす。麻美の母親が大事にしていた指輪だという。麻美は嬉しくて、涙があふれだす。
芹川家に戻った麻美は自分が辛いとき、いつも傍にいてくれる直也の存在を強く感じ、プロポーズを受け入れる。<第38回>「結婚のための条件」
麻美は冬樹に、直也と結婚することを打ち明ける。心の痛みを隠して、祝福の言葉をかける冬樹。
一方、直也は竜也の承諾を得られなくても、麻美と結婚することを宣言。竜也はついに、二人の結婚を許すが、条件として、冬樹を式に呼ぶようきりだす。
デザイナーとして迷いを感じていた冬樹は、麻美の励ましで、再び服を作る意欲を取り戻す。麻美は万感の思いを込めて、結婚式の招待状を冬樹にさしだす。
数週間後、麻美と直也の結婚式が行われる。出席者の中には、冬樹の姿も・・・・・・。千賀子はまだ不本意な顔でいる。
その夜、直也は麻美をベッドに残して、仕事を始める。<第39回>「苦悩する新婚夫婦」
結婚して一ヶ月。直也の仕事は好調で、麻美もモデルとして評価を得ていた。
麻美は幸せだったが、ただ一つ、気になることがあった。直也とまだ一度も夫婦の契りを交わしていなかったのだ。
ある夜、麻美は直也の仕事上の重要なパートナー・実業家の仁科を接待する。仁科は麻美の赤い髪を魅力的だと賞賛し、直也も今の成功は麻美のおかげだと、手放しでのろける。
楽しいひと時を過ごし、互いの愛を深めた麻美と直也だったが、その夜も直也は麻美を抱いてくれなかった。
切なくなった麻美は、自分がレイプされたから抱けないのか、と直也に詰め寄る。<第40回>「見せかけの夫婦」
「なぜ私を抱けないの?」という麻美の問いに、直也は苦しそうに、原因は自分にある、と答えるだけだった。
それからまもなく、モデルとしての麻美に目をつけた仁科が、自分の傘下の旅行代理店のポスターに麻美を起用したいと言ってくる。
麻美は直也のプラスになると思って承諾するが、直也は怒り、理想的な夫婦を演じることに耐えられないのだろう、と麻美を傷つける。
その夜、直也はモデルたちと飲みに出かけ、大騒ぎする。偶然居合わせた冬樹は直也をたしなめるが、反抗的な直也の目に涙が光っているのを見て、驚く。
直也は結婚して初めての外泊をする。