第8回 2003年7月22日(火)放送 あらすじ

第8話 束の間の夫婦忍び寄る別離のとき

 如是寺境内で気を失った瀧山(浅野ゆう子)を、僧の柳丈(北村一輝)が看病する。やがて目をさました瀧山は、寺に小さな子供が何人もいることに気づく。親が打ち首や島流しにあった罪人の子だ。「仏の慈悲ですか」と聞くと柳丈は、「私も罪人だから」と答えた。
 開国で西洋の文化が入り、江戸城内でも写真撮影が行われる。和宮(安達祐実)もまる(池脇千鶴)も初めての記念撮影をした。その一方で、開国に反対する勢力も力を増し、朝廷と攘夷派は将軍家茂(葛山信吾)に京に上ることを要求した。
 実成院(野際陽子)は、将軍が朝廷にひれ伏すのは我慢できなかった。家茂の体が弱いこともあって猛反対する。瀧山は、上洛は家茂の意向でもあり、京都に幕府の権威を確立させるためにも行くべきだと言う。
 和宮が子供を生めない体だと知った実成院は、何人かの側室を決めた。家茂は母の顔を立てて寝所には行くが、女には手を触れない。和宮への遠慮が理由だと考えた実成院は、家茂に側室を勧めるよう和宮に言った。
 和宮はそれに従い、「気遣いなく側室のところへ」と言うが、家茂は、「政治のことで手一杯だ」と取り合わない。和宮は、「上様の心の中は政治だけか」と聞くが、家茂はそれには答えずに、「私は、仲の良い夫婦というのを見たことがない。男は女を不幸にするものだ。ならば手を触れぬ方が罪が少ない」と言う。初めて聞く家茂の心のうちだった。和宮は、「あなたには望みをかけたけれど」と言う。家茂は苦しげに黙っていた。
 家茂は和宮の写真を持って京に行った。京で家茂は、将軍の権威が失墜していることを痛感した。
 真之介(岡田義徳)は下町の診療所で働いていた。薬種問屋の越中屋から薬を届けに来たまるの母きく(紅萬子)が、真之介を見て驚き家に呼ぶ。まるの実家で真之介は、まるが小さい時にはいていた下駄をみつけ、それを懐に入れて帰った。
 心労が続く瀧山は、看病の礼に再び如是寺を訪ねた。「ご自分を罪人と呼ぶのはなぜ」と聞くと柳丈は答えた。僧になる前は人形師だったが、人妻に恋をした。寝間にいるところを夫に襲われ、暗闇で斬りあううちに誤って女を殺してしまった。女は自分の子供を身ごもっていた。その罪滅ぼしで不幸な子供を育てている。
 瀧山は、「私も人を殺したことがある」と言った。二人は抱き合い、瀧山から柳丈の唇を求めた。
 家茂が京都で体調を崩し、顔面蒼白になって江戸に戻った。和宮の写真を肌身離さず持っていたと侍医が言う。家茂は江戸城内で療養する。体調は回復し、しばらく和宮と静かな時を過ごす。家茂は和宮の寝所に通うようになる。和宮を「御台」と呼ぶ家茂に和宮は、「親子(ちかこ)と呼んで」と言う。ようやく夫婦らしい時間が流れるようになった。
 だがそれもつかの間だった。倒幕勢力と戦うために、家茂は病身に鞭打って長州征伐のために再び江戸を立つことになる。
 まるは久々の里帰りで、越中屋を訪ねていた真之介に会う。まるを見た真之介は店の外にまるを連れ出す。「西洋医学を学ぶために横浜に行くので、挨拶に来た」という真之介の言葉を信じて別れたまるだが、実家に戻りきくから、真之介は幕府軍の軍医として長州征伐の戦場に向かうと聞かされた。あわてて後を追ったがすでに姿は見えなかった。

キャスト

瀧山   … 浅野ゆう子
まる   … 池脇千鶴
和宮   … 安達祐実
徳川家茂 … 葛山信吾
今岡慎之介… 岡田義徳

葛岡   … 鷲尾真知子
吉野   … 山口香緒里
浦尾   … 久保田磨希
藤波   … 小松みゆき
雲井   … 片桐華子
喜兵衛  … 青野敏行
きく   … 紅 萬子
堀田良庵 … 山田明郷
松江   … 栗田よう子

柳丈   … 北村一輝

実成院  … 野際陽子

スタッフ

■プロデュース
  保原賢一郎(フジテレビ)
  手塚 治(東映)
■脚 本
  浅野妙子
■演 出
  長岡鉦司
■音 楽
  石田勝範
  オリジナルサウンドトラック(SME Records)
■製作協力
  東 映
■制 作
  フジテレビ制作センター

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