大奥
第4話 将軍死す!牢獄の女たち決断の時
大奥の火事。燃え盛る炎の中で、篤子(菅野美穂)と東郷克顕(原田龍二)が向かい会った。普請を担当している薩摩藩士による放火だと東郷は言う。その混乱に乗じて篤子を救い出そうという狙いだが、尊王攘夷の志士を弾圧する幕府への抗議の焼き討ちの意味もあった。
それを聞いた篤子は、自分が政治に利用された気がした。また、女ばかりの場所に火を放ったこともおかしいと思った。それを言うと克顕は、「おはんを救うためじゃ。こげな牢屋で朽ちさせられない」と言った。しかし篤子は素直に克顕について行けない。何かが篤子の中で変わっていた。幕府の警備の武士が駆けつけてきた。「また助けに来る」と言って克顕は去った。
混乱の中で、将軍・家定(北村一輝)が倒れた。前から胃に腫瘍があり、それが悪化して回復は見込めない。そう瀧山(浅野ゆう子)は言う。篤子は何も聞かされていなかった。
焼け出された女中たちは西の丸の広い座敷に移る。いつもは会うことのない江戸城詰めの侍もいて、女中たちは興奮気味だ。火傷した女中を真之介(岡田義徳)が治療した。真之介はまる(池脇千鶴)に、「物騒な大奥にいつまでもいることはない」と言う。まるは、「御台所付きとなれば簡単には出られない」と答える。真之介は、「俺が嫁に貰ってやれば出られる」と言った。真之介の本心なのだが、まるは冗談と受け止めた。まるの中でも、何かが変わっていた。
篤子がまるに、二、三日里帰りをするように言う。そして、克顕当ての手紙を託した。実家に帰ったまるを見て、両親は喜んだ。真之介との祝言の日取りの話も出る。まるにうれしい気持ちはあるが、大奥を出る気はない。
薩摩藩江戸屋敷で篤子の手紙を見た克顕の顔色が変わった。「二度と焼き討ちはしないように。私のことは放っておいて」と書かれていた。それは篤子からの別れの言葉でもあった。屋敷を出るまるを、初島(木村多江)が放った密偵が見守っていた。すぐに瀧山に報告された。
家定が危篤になった。見舞う篤子に家定は、「人には運命がある。闇のように暗い運命でも、生き抜く腹がすわれば楽になる」と苦しい息の下から言った。篤子と瀧山の徹夜の看病が続く。瀧山が座をはずした時に家定は、「瀧山のことは許せ。わしは死ぬが、お前は好きに生き直せ」と言った。
大奥に出入りする呉服屋の女将が、克顕からの手紙をまるに渡す。それを篤子が見る。大奥の見取り図に脱出の経路、そして克顕が来る時刻が書かれていた。変わらぬ克顕の気持ちを知って篤子の心は動揺した。
篤子の手を握りながら家定は死んだ。大奥が急にあわただしくなる。その騒ぎの中で、篤子は江戸城内の駕籠の置き場に行く。駕籠の中から克顕が現れ、篤子を連れて行こうとするが、篤子はきっぱりと、「行きません。嫁いだ日から逃げたいとばかり思っていたが、上様が亡くなり、教えられた。ここに残って自分の生きる道を照らす」と言う。
そこに瀧山が来た。全てを聞いていたようだ。だが瀧山は騒いで追手を集めようとはしない。篤子を見る目には、同志愛のようなものまでにじんでいた。安政五年、篤子は髪を切って天璋院になった。まるは、そんな篤子の側にいる道を選んだ。
それを聞いた篤子は、自分が政治に利用された気がした。また、女ばかりの場所に火を放ったこともおかしいと思った。それを言うと克顕は、「おはんを救うためじゃ。こげな牢屋で朽ちさせられない」と言った。しかし篤子は素直に克顕について行けない。何かが篤子の中で変わっていた。幕府の警備の武士が駆けつけてきた。「また助けに来る」と言って克顕は去った。
混乱の中で、将軍・家定(北村一輝)が倒れた。前から胃に腫瘍があり、それが悪化して回復は見込めない。そう瀧山(浅野ゆう子)は言う。篤子は何も聞かされていなかった。
焼け出された女中たちは西の丸の広い座敷に移る。いつもは会うことのない江戸城詰めの侍もいて、女中たちは興奮気味だ。火傷した女中を真之介(岡田義徳)が治療した。真之介はまる(池脇千鶴)に、「物騒な大奥にいつまでもいることはない」と言う。まるは、「御台所付きとなれば簡単には出られない」と答える。真之介は、「俺が嫁に貰ってやれば出られる」と言った。真之介の本心なのだが、まるは冗談と受け止めた。まるの中でも、何かが変わっていた。
篤子がまるに、二、三日里帰りをするように言う。そして、克顕当ての手紙を託した。実家に帰ったまるを見て、両親は喜んだ。真之介との祝言の日取りの話も出る。まるにうれしい気持ちはあるが、大奥を出る気はない。
薩摩藩江戸屋敷で篤子の手紙を見た克顕の顔色が変わった。「二度と焼き討ちはしないように。私のことは放っておいて」と書かれていた。それは篤子からの別れの言葉でもあった。屋敷を出るまるを、初島(木村多江)が放った密偵が見守っていた。すぐに瀧山に報告された。
家定が危篤になった。見舞う篤子に家定は、「人には運命がある。闇のように暗い運命でも、生き抜く腹がすわれば楽になる」と苦しい息の下から言った。篤子と瀧山の徹夜の看病が続く。瀧山が座をはずした時に家定は、「瀧山のことは許せ。わしは死ぬが、お前は好きに生き直せ」と言った。
大奥に出入りする呉服屋の女将が、克顕からの手紙をまるに渡す。それを篤子が見る。大奥の見取り図に脱出の経路、そして克顕が来る時刻が書かれていた。変わらぬ克顕の気持ちを知って篤子の心は動揺した。
篤子の手を握りながら家定は死んだ。大奥が急にあわただしくなる。その騒ぎの中で、篤子は江戸城内の駕籠の置き場に行く。駕籠の中から克顕が現れ、篤子を連れて行こうとするが、篤子はきっぱりと、「行きません。嫁いだ日から逃げたいとばかり思っていたが、上様が亡くなり、教えられた。ここに残って自分の生きる道を照らす」と言う。
そこに瀧山が来た。全てを聞いていたようだ。だが瀧山は騒いで追手を集めようとはしない。篤子を見る目には、同志愛のようなものまでにじんでいた。安政五年、篤子は髪を切って天璋院になった。まるは、そんな篤子の側にいる道を選んだ。