<第41回> <第42回> <第43回> <第44回> <第45回> <第46回> <第47回> <第48回> <第49回> <第50回>

<第41回> 「信平からの手紙」
 始業式の翌日、光太郎は元気なく学校へ出かけていく。
 その朝、信平から手紙が届く。新しいサッカーチームに入り、友達もできて楽しそうだ。
 授業中、光太郎は長瀬から名前を呼ばれるが、返事をしなかった。まだ新しい名字に慣れていないのだ。
 そのことでクラスメートの中村からからかわれる。
 翌朝、和人が光太郎を誘いにくる。
 が、光太郎は体調が悪くて起きられなかった。
 信平との約束を思い出した光太郎は、元気を出して学校へ出かけていく。中村が再び、光太郎をからかう。
 怒った光太郎は中村に飛びかかり、取っ組み合いの喧嘩になる。

<第42回> 「喧嘩、のち仲直り」
 光太郎が怪我をして帰ってくる。かな子は光太郎が学校でいじめられているのではないかと心配する。
 和人と中村が光太郎を訪ねてくる。中村は取り違えのことで光太郎をからかったことを謝り、二人は仲直りする。
 翌日、かな子はレストランで偶然、大輔と顔を合わせる。信平は淋しそうにしているときもあるが、頑張っているといい、「パパ、ママ」と呼んでくれるようになったと。
 かな子は、光太郎に友達ができたことを語る。
 その夜、かな子は光太郎に大輔に会ったことは話さなかった。里心がつくといけないと思ったのだ。光太郎に早く「お母さん」と呼んでほしいかな子。

<第43回> 「初めて見せた笑顔」
 ある日、光太郎が学校から帰ると、良子が体調を崩して寝込んでいた。信三と信彦は昼食時で店がたてこみ、かな子は学校の用事で外出していた。
 光太郎はいつか、かな子にお粥を作ってもらったことを思い出し、良子のためにお粥を作る。良子は光太郎のやさしさに思わず、ほろりとする。
 良子は光太郎に、今の気持ちを尋ねる。みんな優しいが、なかなか慣れないと答える光太郎。
 夕方、良子の体調は回復する。信三が頭にメガネを引っかけたまま、メガネがないと大騒ぎする。その間の抜けた様子に、一同は大笑い。光太郎も初めて声を出して笑い、子どもらしい笑顔を見せる。

<第44回> 「割れたワイングラス」
 万智の企画で、信三の店が雑誌にとりあげられることになる。家族一同、うきうきした気分で、取材の日を迎える。
 良子は取材のために、大切なワイングラスを出してくる。
光太郎がそのグラスを洗おうとして、あやまって割ってしまう。とっさに光太郎は、割れたグラスを誰にも見つからないように隠す。
 まもなく、良子が割れたグラスを見つける。かな子は様子のおかしい光太郎に問いかけ、光太郎はグラスを割ったことを打ち明ける。
 かな子は光太郎を叱らずに、これからは家族の中で隠し事をしないよう、やさしく言い聞かせる。
 光太郎は信三に素直に謝る。

<第45回> 「待ち望んでいた言葉」
 休日、かな子らは家族そろってアスレチック公園に出かける。その日、光太郎が初めて、かな子をお母さん、信彦をお父さんと呼んでくれる。
 かな子らは光太郎が自分たちのことを受け入れてくれたと思い、嬉しい。
  翌日、アスレチックで帽子をなくしたことに気づいた光太郎が、意気消沈する。その帽子は育ての両親が買ってくれた思い出の帽子なのだ。
 かな子はアスレチック公園まで帽子を探しにいくが見つからなかった。
 かな子は光太郎を慰め、二人で新しい帽子を買いにいく。
 そのショッピングモールで、光太郎はユキの姿を見かける。

<第46回> 「埋められない溝」
 街で偶然、ユキの姿を見かけた光太郎は、急に元気がなくなる。かな子は光太郎の沈む理由がわからなくてとまどう。
 翌日、光太郎がユキの店に訪ねていく。ユキはかな子に連絡をとり、すぐ迎えにきてもらう。
 かな子は寂しい気持ちで光太郎を迎えにいく。ユキはかな子に、光太郎をしっかりつなぎ止めてほしいと訴え、つとめて平静な顔で光太郎を見送る。
 かな子は光太郎に何も言えなかった。せっかく光太郎が心を開いてくれたと思ったのに、一気にまた遠い所へ行ってしまったような感じだった。
 信彦もショックを受け、信三の励ましの言葉も耳に入らない。

<第47回> 「閉ざされた心の扉」
 ユキと会ってから、光太郎は再び、心を閉ざしてしまった。
 かな子は光太郎に、ユキに会いにいくのは我慢してほしいと話す。光太郎は謝るが、かな子はたまらなく悲しい。
 そんなとき、かな子は大輔から呼び出される。会社で広報誌の担当になった大輔が、かな子の勤める事務所に編集を頼みたいという。
 かな子は喜んで承諾。話は子どもたちのことに移り、大輔は光太郎のことは心が痛むが、振り返っていては何も生まれないとかな子を励ます。
 その夜、かな子はユキのことでもう一度光太郎と話をするが、「おばちゃんはお母さんなんかじゃない」と言われ、衝撃を受ける。

<第48回> 「うわ言で呼んだ名前」
 光太郎から「お母さんじゃない」と言われたかな子は、悲しみがこみあげてきて涙が止まらない。光太郎も部屋に閉じ込もって泣き伏す。
 翌日、かな子は気をとりなおして明るく光太郎に声をかけるが、光太郎は目を合わそうとしなかった。
大輔と打ち合わせをした万智から、かな子は信平が風邪をひいて寝込んでいることを知らされる。かな子は心配で、今すぐにでも信平のところへ飛んでいきたい衝動にかられる。
その頃、ユキは懸命に信平の看病をしていた。信平がうわ言で、「お母さん・・・・」とつぶやく。
 翌朝、かな子は居たたまれずに、松田家に電話をかける。

<第49回> 「おばあちゃんの忠告」
 信平が病気だと知ったかな子は、思わず電話をかけるが、信平の声に胸がいっぱいになって何も言えなかった。
 翌日、電話のことで、ユキがかな子に抗議にくる。かな子は弱気になった自分を反省する。その夜、良子から仲直りの方法を教えてもらった光太郎は、「お母さんじゃない」と言ったことを、かな子に謝る。かな子も謝り、本当の母親になれるよう頑張ると約束する。かな子は信彦と光太郎の誕生日について話し合う。新しい親子になって初めての誕生日をどう祝福してあげればいいのか、二人は頭を悩ませながらも、心がはずむ。

<第50回> 「ノートに隠した写真」
 光太郎の誕生日が近づき、かな子と信彦はプレゼントに頭を悩ませる。そんな時、ユキが誕生日のことで、かな子に相談にくる。子どもたちを励ますために、プレゼントの交換をしようという。
 光太郎と信平の誕生日がくる。光太郎のもとに、育ての両親からプレゼントが届く。宇宙の図鑑だった。光太郎と一緒に喜ぶかな子に、光太郎は再び「お母さん」と呼びかける。
 その夜、橋本家では、家族全員が集まって光太郎の誕生パーティが開かれる。拍手と笑顔があふれる幸せそうな光景を、窓からのぞいている人影があった。信平だった。かな子と信平の目が合う。


戻る


[第1-10回] [第11-20回] [第21-30回] [第31-40回] [第41-50回] [第51-60回] [第61-67回]