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<第1回> <第2回> <第3回> <第4回> <第5回> <第6回> <第7回> <第8回> <第9回> <第10回><第1回>
かな子は大学時代から交際していた信彦と結婚。小学生の子ども、ちづると信平がいる。信彦はサラリーマン。洋食屋を営む義父母の信三、良子と同居中だ。
かな子は主婦業のかたわら、出版関係の事務所に勤務。社長の万智は、やはり大学時代の友人だった。
ある日、信彦が突然、サラリーマンを辞め、信三の洋食屋を継ぎたいと言いだす。同居のとき、店は継がないと主張していた信彦だが、家族のことを考え、気持ちが変わったという。かな子は悩んだ末、信彦の意志を尊重する。
サッカーチームに所属する信平が、健康診断を受ける。その血液型の判定に、かな子は疑問を感じる。<第2回>
信彦は十八年間のサラリーマン生活にピリオドを打ち、信三の後継者として洋食屋「はしもと」で働き始める。
かな子は病院へ行き、信平の血液型を確認してもらう。すると、健康診断書通り、A型だという。かな子はO型で、信彦がB型。A型の子どもが生まれるはずなかった。
検査結果を聞いた信彦はかな子の浮気を疑う。身に覚えのないかな子は憤慨する。
その日から、かな子も信彦も仕事が手につかなかった。信彦は万智に相談。信彦の落ち込む様子を見て、余計に焚きつけたくなった 万智は、かな子の結婚して初めての朝帰りの話を持ちだす。<第3回>
店を継ごうと信三に弟子入りした信彦だったが、信平の血液型のことが気になって、仕事に集中できなかった。信三夫婦は息子夫婦の仲がぎくしゃくしているのを感じ、心配する。
夫に疑惑の目で見られるのに耐えられなくなったかな子は、信彦とともに血液検査を受ける。果して、かな子の血液型はO、信彦はBに間違いなかった。
「信平は誰の子なんだ?」とかな子に詰め寄る信彦。かな子は、「信平は私の子」と答え、家を出ていこうとする。信彦はかな子をひきとめ、かわりに自分が出ていく。
信彦は酔って、万智に会いにいく。
そして、苦しい胸のうちを打ち明ける。<第4回>
かな子の浮気のことで悩む信彦に、万智は大学時代から好きだったことを打ち明け、信彦の指から結婚指輪を抜き取る。
万智の誘惑に、信彦も一瞬、その気になるが、次の瞬間、自分をとり戻す。その夜、信彦は家には帰らなかった。
翌日、信平のサッカーの決勝戦が行われる。応援に行くと約束していた信彦は途中から駆けつけ、声援を送る。かな子と信彦は口をきこうとしなかった。
次の日、事務所に出勤したかな子は、信彦の指輪を見つけ、信彦と万智の仲を疑う。
その夜、かな子は信彦に指輪をつきつけ、非難。それがもとで、二人は再び信平のことでもめる。<第5回>
「お嫁さんにしたい仲居コンテスト」に優勝したはるに、テレビ出演の話が持ちあがる。戸惑いながらも、出演をオーケーするはる。
仲居のサクラに、吾朗が好意を持つ。和田支配人に頼まれて、はるは二人のキューピッド役をつとめることに。
瀬川が突然、山中に帰ってくる。はるはこのときを待ちこがれていたが、いざ瀬川と二人きりになると、心臓が爆発しそうでどうしていいかわからなかった。
瀬川も同様で、その夜は翠明の皆と大いに飲み明かす。
はるは瀬川の様子がおかしいのに気づく。「仲居を辞めて、山中を離れることはできないか」と、瀬川が……。<第6回>
このごろ喧嘩の絶えない両親に胸を痛めた信平は、離婚なんかしないよね、とかな子に訴える。
このままではいけないと思ったかな子と信彦は、思いきって信平が生まれた病院を訪ね、自分たちの疑問をぶつける。そして、赤ん坊の取り違えがあったのではないかと問いかける。
病院の帰り、信彦は、たとえ事実がどうあろうと信平は自分たちの子だと主張。かな子を疑ったことを謝る。
かな子は喧嘩別れした万智とも和解。新たな気持ちで、仕事に復帰する。
それからまもなく、病院から呼び出しの電話がかかってくる。深刻な面持ちのかな子と信彦に、赤ん坊の取り違えがあったことを告げる。<第7回>
かな子は取り違えなどなかったと思いこもうとするが、体調を崩し、仕事も休む。万智はかな子の様子を見て、取り違えのあったことを察し、自分のことのように憤る。
病院からかな子に、母子鑑定を受けてほしい、と電話がかかってくる。電話を取り次いだ良子は、かな子の様子がおかしいので、不審に思う。
その夜、良子は「はしもと」の客から、かな子と信彦が病院の産婦人科にいたことを知らされる。良子はかな子が妊娠したと勘違い。かな子がきっぱりと否定すると、なぜ病院へ行ったのか追及される。
あくまでも口を閉ざすかな子と信彦。良子は無視されたようで深く傷つく。<第8回>
信彦とかな子は母子鑑定を受けるのをやめ、取り違えのことを忘れようとする。
が、息子夫婦の様子のおかしいのに気づいた信三に問い詰められ、取り違えのことを告白してしまう。良子はショックのあまり寝込む。
鑑定を断りにいった信彦とかな子は、石原院長から相手の家族が鑑定を希望していることを告げられる。
悩んだ末、かな子は鑑定を受けることを決意。信平を連れて、病院へ行く。
過去の取り違え事件を調べていた万智は、ほとんどのケースが子どもを交換していることを知る。
まもなく、鑑定結果が出て、正式に取り違えが判明する。相手の家族との面談の話が持ちあがる。<第9回>
病院の仲介により、赤ん坊を取り違えられた両家族が面談することになる。かな子は信彦と出かけるが、相手の松田夫婦は今回は妻のユキだけが出席する。
まず、子どもの写真の交換が行われる。かな子はユキの息子・光太郎の写真を食い入るように見つめ、嗚咽する。
石原院長は慰謝料の話を持ちだし、取り違えの決着として、子どもたちを元に戻すことを提案する。かな子と信彦は怒りだし、ユキも交換などしないときっぱりいう。
面談の終わった後、一人になったかな子は、何かに憑かれたようにユキのマンションに向かう。部屋の前には子ども用の自転車と、運動靴が置いてあった。<第10回>
面談の翌日、サッカーの練習に出かけた信平が、夜になっても帰ってこない。かな子たちが心配していると、ユキが信平を連れて帰ってくる。ユキは親戚と嘘をつき、信平に会いにきたのだ。ルール違反だと怒る信彦に、かな子は自分も光太郎に会いにいったことを打ち明ける。
翌日、信彦はユキに会いにいく。ユキは「マーメイド」という小さなスナックのママをしていた。
信彦はユキに、なぜ信平に会いにきたのか尋ねる。「わからない・・・・・・」と答えるユキ。
ユキの夫は元プロ野球選手だった。信平の運動神経が発達しているのはその父親譲りだと思い知らされ、信彦はショックを受ける。